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本とのつきあい

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本に埋もれて生きています。2900冊くらいは書評という形で記録に残しているので、ちびちびとご覧になれるように配備していきます。でもあまりに鮮度のなくなったものはご勘弁。
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2022年6月の記事一覧

『聖書の想像力と説教 説教塾ブックレット8』(並木浩一・キリスト新聞社)

『聖書の想像力と説教 説教塾ブックレット8』(並木浩一・キリスト新聞社)

何冊か読んでいるシリーズ。どれも多くのことを教えられる。今回求めたものは、2009年発行のもの。タイトルからすると、やや地味な気がしていたが、とんでもない優れものであった。
 
一冊まるごと、並木浩一氏が語っている。その講演における質疑応答も掲載されており、加藤常昭先生をはじめとした説教塾のメンバーの鋭い質問が、講演者の言い足りないところも深く吐露させる役割を演じているため、さらに実りの多い書とな

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『今、教会を考える』(渡辺信夫・新教出版社)

『今、教会を考える』(渡辺信夫・新教出版社)

戦争の罪責問題を扱っているというので、読みたくなった。新刊はなさそうだったが、幸い、古書で定価の3分の1の価格で入手できることが分かったので取り寄せた。美本だった。そして、読み応えのある本だった。また、私の期待を裏切ることがなかった。
 
1997年発行。表題の文字の一部のようにして、「教会の本質と罪責のはざまで――」と書かれてある。これもタイトルに入れるべきかとは思うが、さしあたり大きな文字のほ

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『ここが変わった!「聖書協会共同訳」新約編』

『ここが変わった!「聖書協会共同訳」新約編』

(浅野淳博・伊藤寿泰・須藤伊知郎・辻学・中野実・廣石望 日本キリスト教団出版局)
 
2018年末に、およそ30年を経て新しい聖書を発行した、日本聖書協会。その名前を「聖書協会共同訳」と、長い名前にした。それまでの新共同訳の普及が著しかったせいもあってか、この新しい聖書の普及は、教会単位でどのくらいになっているか、私は全く知るところがない。身近に聞く事もないし、データも出てこない。
 
当初から、

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