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こころ

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ひとのこころ、見つめてみます。自分のこころから、誰かのこころへ。こころからこころへ伝わるものがあり、こころにあるものが、その人をつくり、世界をつくる。そんな素朴な思いに胸を躍らせ…
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2021年3月の記事一覧

熊本益城を離れて一年

熊本益城を離れて一年

1年前の今日、熊本の益城町に行っていた。2016年4月に熊本地震が起こり、多くの被害を出した。その年の秋から、私は教会の熊本訪問のグループに入り、2カ月に一度の訪問を続けてきた。「みんなの家」という名で立てられた、仮設住宅の公民館のような場所を借りて、ささやかなカフェを開くのだ。コーヒーなどのマスターとして、長年の趣味が活かせる機会となったのである。
 
どうしても行けなかった二度を除いて、年に6

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東日本大震災10年

「10年」という、ひとつの言葉で、ひとかたまりのように扱うものが、そこにあるのではない。言葉にできない感情と現実を前に、生きてくるしかなかった一日一日、一時一時が続いてきたのだ。そして、間もなくそれが断ち切られるということも、おそらく期待はできない。
 
遠くから傍観者がお祭りにのっかるようなことはしたくない。私はしょせん天の邪鬼な呟きしかできない。当事者のお気持ちをただただ尊重するばかりだ。
 

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エスカレータを塞ぎ立つとき

エスカレータを塞ぎ立つとき

大阪万博の前あたりから、阪急電鉄が、エスカレータの左側を空けて立つようにアナウンスを始めたという。急ぐ人が歩いて追い抜くことができるように、という意味だ。これが半世紀後、危険だということでついに全国の電鉄会社がすっかり否定するに至った。福岡は東京と同様、右側を空ける習慣だったが、これも各会社が歩かないように呼びかけるようになった。
 
私もかつては歩いていたから、急ぐ人の気持ちは分かる。だが信仰を

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