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現役外コンが就活生・新卒にオススメする書籍10選

TÁTICO DESPORTIVOでは「すべてのスポーツクラブに贈るスポーツビジネス戦術集」として、スポーツビジネス関連の情報発信をしていますが、筆者が某大手グローバルコンサルティングファームに所属していることもあり、時々コンサルティング業界についてもナレッジシェアをしています。

今回お贈りするのは「現役外コンが就活生・新卒にオススメする書籍10選」。就活生にとっては、日系/外資系問わずコンサルティング業界の面接で最低限必須な思考法を学べ、来年から社会人になる方や新卒1年目のコンサルタントの方には、基礎知識の整理ができるような推薦図書をまとめました。

コンサルティングファームの就活を控えている方、4月からコンサルティングファームに新卒入社する方、コンサルタントとして1年目が終わりを迎え、一度基礎知識の棚卸しをしたい方、はたまた、他業界ながらコンサルタントの思考法を学んでみたい方、いずれの方にもオススメできる書籍となっています。

① ロジカル・プレゼンテーション ― 自分の考えを効果的に伝える戦略コンサルタントの「提案の技術」

この本の主旨は「相手を動かすプレゼンは、ロジカルな考えがあってこそ」。そのため、プレゼンのテクニック云々よりも、より根本的な「MECE」や「ピラミッドストラクチャー」など、ロジカルシンキングの基本的な考え方が平易な文章でまとめられています。プレゼンが苦手という方はもちろん、ロジカルシンキングをいちから学びたい方にとっても必読の一冊です。

② 考える技術・書く技術: 問題解決力を伸ばすピラミッド原則

ロジカルシンキングの大原則である「ピラミッドストラクチャー」の教科書であり、この本を読んでいないコンサルタントはこの世にいないといっても過言ではないほどに、業界初心者が抑えておくべき一冊です。英語原文の翻訳であることも一因で少々理解が難易であるため、上記『ロジカル・プレゼンテーション』を一読した後に読むことをオススメします。

なお、下記のとおりワークブックも出版されていますので、余裕がある方はこちらを使って、本書の知識を定着・応用できる状態を目指すと良いでしょう。

③ 地頭力を鍛える: 問題解決に活かす「フェルミ推定」

本書では「地頭力」を下記3つの思考能力と定義し、それらを鍛えるためのアプローチとしてフェルミ推定の技術を紹介しています。

<地頭力の3要素>
1.結論から考える(仮説思考力)
2.全体から考える(フレームワーク思考力・MECE思考力)
3.単純に考える(抽象化思考力)

上記3つの思考能力は、文字通りコンサルタントにとっての基礎体力であり、フェルミ推定はこれらを鍛えるのにうってつけです。ぜひ、ケース面接に備えて読むだけではなく、ロジカルシンキングの教科書と捉えて読んでみてください。

④ 仮説思考: BCG流問題発見・解決の発想法

コンサルタントはプロジェクト設計をする際も、その一部のタスクとして何かしらのリサーチをする際も、必ず「現状の情報で想定される最も確からしい答え」、すなわち「仮説」を頭に入れながらワークします。リサーチやインタビューはこの仮説を検証するための場であり、全てのインプットは、現状の仮説を磨くため、または、筋違いの仮説を方向転換するために活用されます。コンサルタントに求められる業務処理速度は、この仮説思考力があってこそなので、ぜひ本書は抑えておきましょう。

⑤コンサルを超える 問題解決と価値創造の全技法

上記4冊はいわば「コンサルティング業界の古典」ですが、2018年に出版された本書はまさに新時代の新たな教科書。主旨としては「他業界の方がコンサルタントの技法を学ぶ」というものですが、コンサルタント自身が基礎知識を学ぶ、または、これまでの知識を棚卸しするのにも大いに役立ちます。ロジカルシンキングやフレームワークの基礎知識だけでなく、「CSV経営」など現代のコンサルタントが把握すべき時流も捕まえた、個人的には最もオススメしたい一冊です。自分もぜひ7回は読み返したいほどです。

⑥ 現役東大生が書いた地頭を鍛えるフェルミ推定ノート: 「6パターン、5ステップ」でどんな難問もスラスラ解ける!

『地頭力を鍛える』で学んだフェルミ推定の技術を定着させるためのワークブックです。ある程度パターン化されたテクニックも紹介されており内容も平易。『地頭力を鍛える』が理解しにくかった方は、本書をフェルミ推定の入り口にするのもありです。

⑦ 東大生が書いた問題を解く力を鍛えるケース問題ノート: 50の厳選フレームワークで、どんな難問もスッキリ「地図化」!

上記『フェルミ推定ノート』の兄弟本。ケース面接は、「いかに解法やフレームワークを自らの知識の棚に格納し、その中から適切なアプローチを選択して引き出せるか」の勝負。知識の出し入れを素振り的にこなせるオススメの一冊です。

⑧ システムを「外注」するときに読む本

総合系コンサルティングファームに入社した場合は特に、否が応でもアサインを受け入れざるを得ないケースも多いITシステム案件。多くの就活生や新卒コンサルタントにとって、取っつきにくい、または、興味をそそられにくいテーマであるが故に、ITシステム系の書籍は、最後まで読み抜ける面白さ・分かりやすさが重要。その中で、本書はITシステム案件のあるあるを架空のストーリーに基づき展開する小説+解説型の構成になっており、ひとつの物語として楽しみながら知識を習得できる一冊です。

⑨ 知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ 

私自身が新卒時代のメンターに推薦してもらった一冊です。先輩・上司との圧倒的な「考える力の差」に悶々としていたときに読んだ本であり、「自分の頭で考える」ことを見つめ直したい方にオススメ。文庫本なのでお手頃かつ持ち運びにも便利なのでぜひ。

⑩ 外資系投資銀行のエクセル仕事術

こちらも『コンサルを超える 問題解決と価値創造の全技法』のように最近出版された書籍の中で、業界標準となりつつある必読書。Excelの基本操作や関数などはコンサルティングファームの入社時研修などで叩き込まれますが、本書はさらに踏み込んで「いかに綺麗に、チームメンバー誰もが分かりやすいExcelを作るか」にフォーカスしたもの。今日読めば明日から使えるテクニックばかりで、文章も平易なため1日で読み切れますので、コンサルの現場で見栄えの悪いExcelを作り恥をかかないためにも、一度は読んでおくと良いでしょう。

以上、「現役外コンが就活生・新卒にオススメする書籍10選」をご紹介しました。推薦図書はいずれも、コンサルタントにとっての基礎知識として抑えておくべきものであり、それ故に、コンサルティングファームを受ける就活生の方々にとっても必ず有用な本ばかりだと自負しています。ぜひ長期休暇の空き時間を活用しながら読んでみてください。

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