アフター父の日に思う。 「父の日にヒマワリ」を贈るようになった、謎と変化。
今年も「父の日」が終わりました。私たち花業界では「◯◯の日」を“モノ日”と呼び、その日の花の消費が高まることを祈っています。最大の“モノ日”は「母の日」ですが、「父の日」も消費が高まります。父と花のイメージは強くないかもしれませんが、「父の日」と花との深い関係をご紹介いたします。
「父の日」には「ヒマワリ」
花業界では、最大のイベント「母の日」に向けて花の価格は高騰し、小売関係者は精根尽き果てるくらいまで総力を注ぎ込みます。ここまで花業界が動くほど“花とお母さん”はイメージとして結びつきやすいのですが、「母の日=カーネーション」というように、近ごろは
「父の日=ヒマワリ」
というイメージも定着しつつあります。
「父の日」前のとある新聞記事で、ヒマワリの卸価格が年平均で2割高騰していることが記事になっていたことからも、一般化してきていることがうかがえます。
「父の日」の起源
「母の日」も「父の日」も、この記念日が生まれたのはアメリカです。
「父の日」は、1909年にワシントン州のソノラ・スマート・ドッド夫人が、男手1つで自分を育ててくれた父を讃えて、父の誕生月である6月に牧師へお願いをして礼拝をしてもらったことが始まりと言われています。
その後、彼女は「母の日」だけでなく「父の日」もあるべきだと考えて、牧師協会に『父に感謝する日』を作ることを嘆願し、その翌年に最初の「父の日」の祝典が執り行われたそうです。
この最初の祝典で、ドッド夫人が亡き父の墓前に白色のバラを供えたことから、アメリカでは父が健在の場合は赤いバラ、亡くなっている場合は白いバラを贈るのが習慣となりました。
その後、大統領告示を経て1972年、アメリカで正式に「父の日」は国民の祝日となりました。
日本で色や花の種類が変わったワケは?
ここで謎が2つ。現在の日本では黄色のヒマワリを贈りますが、
① 紅白カラーがなぜ黄色に?
② バラがなぜヒマワリに?
という疑問が出てきます。
まず色の変化は、日本ファーザーズ・デイ委員会が主催する『父の日黄色いリボンキャンペーン』が影響していると言われています。イギリスでは古来「身を守るための色」とされていた黄色。『うれしさ』『楽しさ』『暖かさ』『幸せ』『富貴』『希望』『向上』など多くのプラスイメージがあるこの色がアメリカに渡って「黄色いリボン」となり、「愛する人の無事を願うもの」となりました。そこでこのキャンペーンでも黄色を「父の日」のイメージカラーとしたことから、「父の日には黄色のバラ」を贈るようになりました。
しかしながら黄色いバラの花言葉は、『愛情の薄らぎ』『嫉妬』『友情』と、あまり「父の日」にふさわしくない意味を持っています。そこで黄色の花で、時期としても相性のいいヒマワリに白羽の矢が立ちました。ヒマワリの花言葉は『憧れ』『あなただけを見つめる』。尊敬する父親に贈るには、ピッタリの花言葉ですね。
誕生から110年の年月と経て、海を渡り、父を敬う共通の想いがひとつの文化となった「父の日」。日本で商業的にも根付いてきていることから、これからもきっとヒマワリは、「父の日の花」として贈られ続けることでしょう。
ヒマワリは、見ているだけで元気がもらえる、ビタミンカラーの夏の花です。来年も再来年も、感謝の気持ちとともにたくさんのお父さんの元へ届くことを願っています。
公式サイト https://tasuhana.com/
+hana クッキー(プロフィール)
『あなたの楽しみは花のために、花の魅力はあなたのために』をコンセプトとし、季節に合わせた素敵な花を、手ごろな価格でご自宅のポストにお届けするサステナブルな花の定期便「+hana(タスハナ)」の、リーダー&立ち上げメンバー。実現したい思いや夢を中心に、花のあるくらしや魅力、花の世界にあるさまざまな情報をお伝えします。
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