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ツナグ ツナゲル +hanaネットワーク GLOWER'S FILE ③ 〜日本の四季や文化をカーネーションで彩る、精華園 番外編 その1〜

以前ご紹介した、カーネーション農家・精華園の岩田社長は、次年度に生産する品種を決めるために、種苗会社へリサーチや情報交換のために視察をしに行くことがあります。今回は番外編として、その現場へ+hanaスタッフが同行させていただいた時の様子や気付きなどをご紹介いたします。

■日本有数のカーネーション種苗会社へ


視察に行ったのは、愛知県の中南部に位置する西尾市。三河湾に面していて水産業が盛んであるとともに、日本有数の生産量を誇る抹茶や花き産業でも発展しているところです。

イノチオ・フジプランツ株式会社さんのハウス

その沿岸部に本拠を置く、イノチオ・フジプランツ株式会社が本日の訪問先。ここは、農業のあらゆる課題をサポートする農業総合支援企業のカーネーション部門を担っている会社で、カーネーション種苗の専門会社として活躍しています。イスラエルの育種会社との共同開発で多くのオリジナル品種を世界マーケットに紹介しているため、国内外から注目されている、日本のカーネーション農家にとって心強い存在です。

■今回訪問した目的とは?


毎年11月頃に、生産仲間と数社の種苗会社を訪問している岩田社長。そこで次期の作付けのための品種選定と情報交換を行います。

今回はそのための訪問だったのですが、岩田社長をはじめ同業者であるカーネーション農家さんや農業用資材全般を取り扱う会社の代表お2人と、花の卸売会社のご担当者さんたちに、+hanaのスタッフが同行させていただきました。

花の卸売会社の方や+hanaスタッフが加わったのは、お客様に直接花を販売する「花屋」としての目線を品種選定の場に取り入れてみたいという、岩田社長たちの考えから実現した初企画。精華園さんのご紹介記事でもあったように、近年、生産者と種苗会社だけで選んだ品種がお客様たちの求めるものとズレがあるのではと感じることもあったため、ニーズに添えるものをお届けできるように、より一般消費者の目線に近い人に意見を聞きたいとのことでの試みでした。

この「作り手とニーズのズレ」を感じたきっかけのひとつが、染めのカーネーション。世界一の花の国・オランダから新作やトレンドが発表されて全世界へ広まるのが一般的なのですが、染めのカーネーションがオランダから入ってきた時、日本ではウケないと生産者や種苗会社側は思っていました。しかし、コロナ禍で余るようになった白のカーネーションを救うために苦肉の策としてやってみたところ、予想を超えてとても反応が良かったのです。自然な色味ではないので好みが分かれますが、サプライズな色味として楽しさもあるのかもしれません。

 

■500品種以上のカーネーションの成育見本として


おじゃましたのは、カーネーションの“展示場”である、巨大なハウスの中。メーカーで言えばショールームのようなもので、カーネーションの成育過程を“見える化”しているところです。

赤、ピンク、黄色など色とりどりのカーネーションがそれぞれの区画に分かれて咲いていて、圧巻な景色。真っ直ぐ美しく咲き誇る姿からは、元気を与えられるかのようです。

カーネーションの“展示場”である、巨大なハウスの中 

ここではスペイン・中国・ケニア・スリランカ・コロンビアなどから輸入した種をもとに500品種以上のカーネーションが育てられており、作付けから収穫までの過程が表に記入されています。ところどころカーネーションの上の支柱からぶら下がっている紙があったのが、その表でした。

作付け後、どのくらいの期間で何本収穫できるのか、再度同じ株から何日後に何本収穫できていつ収穫できなくなるのかといった、記録などが書かれています。これを生産者さんが見てすぐ、その株の様子や性質がわかるようになっているのです。 

カーネーションの生育記録が見れる表

その表を見ながら、生産者さんたちは自社のハウスでの栽培スケジュールと出荷可能本数をイメージし、年間の売上などを予測。中にはフジ・プランツの新作の品種でまだ市場には出ていないものもあり、みなさん、真剣に表や花の様子を見て検討されていました。選ばれたものは、約2年後に市場に出ることになります。

こうやって世の中に出てくる花の種類が決まり、綿密に育てられていくカーネーションたち。見たことのない珍しい品種などもあって、気持ちが高揚しました。

次回もこの視察の続きと、生産者さんたちのホンネをご紹介いたします。

 (取材のご協力ありがとうございました↓)

カーネーションの精華園

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イノチオ・フジプランツ株式会社 


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