見出し画像

140字『「豊玉姫」の心臓』

あなたの心臓を食べたい。優雅に泳ぐ彼女を見た時から、私はずっと願っていた。
けれど海女の私が、この手であなたを仕留めることは出来ない。そんな私に、あなたは夢で語りかけてくれた。
「サメの私を愛する人の子、浜に来なさい」
夜の浜辺に向かう。大きく美しいあなたの躯が打ち上げられていた。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?