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自選記事

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noteを始め気づいた事。自分がスキだと思う記事と読んで下さる方のスキが違う事。わたしのスキを集めてみました、宜しければご覧下さいね。
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#詩

元始のおんな

元始のおんな

タム タム タム

憂うな迷うな

タム タム タム

リズムに合わせ

タム タム タム

ただ髪振り乱せ

タム タム タム

感じよ燃えよ

タム タム タム

元始のオンナのように

体内に音とリズム

溶け込ませ

ただ本能を呼び覚ませ

迸る歓喜となれ

狂えよ揺らせ

跳ねよ従え

己が音に耳澄ませ

元始

言葉も思考も持たず

その心と身体の欲するまま

オンナたちが

自然に自

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Why Should Not Old Woman Be Mad?

Why Should Not Old Woman Be Mad?

老女は何故狂ってはならないのか

老女は知っている

権力に抗い闘ったモノたちの行く末を

改ざんされた真実が

時と共に、事実に変わるということを

サルトルを愛読した少女が

やがて老い諦め

書のタイトルの如く

彼女こそが

他者に嘔吐せしめる愚鈍な怪物に変わったことを

正しいものは普遍ではなく

時代と共に真理は変貌することも

倫理すら国の物差しで決まっていることも

大自然の生命力

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ブランコ

ブランコ

夜のブランコはサビシイ

街灯に照らされ在っても

セツナイ

ひもじい野良犬が寄って来ても

公園には誰ひとり居やしない

昼の喧騒を懐かしむのか

それとも孤独に在りたいのか

ブランコよ

眠れぬヒトが不意に訪れたなら

そして、ブランコに腰降ろしたなら

一緒に揺れて泣いてしまうのか

シーソーもジャングルジムも明朗だ

ブランコだけが

ココロ細げに、風に揺れることが

いとおしい

ある雨の日の感傷

ある雨の日の感傷

いっそう勢い増した雨は
鬱屈した心をかき消すように
視界をぼかし全てを薄墨色に
染め上げる

かの道標たる街灯に
その白きぼやけた光に
ロダンバックの一輪の白薔薇重ねた夜

炎ではなく水のようにと、
全てを洗い流せ、
かの方に習え
感傷より自己凝視なのだと
分かった心算でいた夜

そうか
付け焼刃は消滅するのだ
知った心算
かくありたしと願った夜

全ては虚無と焦燥と
曖昧模糊たる混迷に
耐え切れ

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自嘲

自嘲

ふ・・今じゃ、このザマさ。

そいつは、受話器の向こうで、悲しい自嘲に逃げた。

思えば そいつのジーンズ以外の姿もネクタイ姿も見たことはない。

自嘲を鎧にしないでよ。

変わった?変わっていないから、辛いのでしょうに。

いつか、悪態つきに行くから・・・待ってろよ!莫迦。

泡

永遠のロマンティスト、少年の無垢ー

こんな俺も居るんよ、って恥らうあなたは
穢れない魂と消えない夢の中で涙を流す

同時に
わたしがわたしで無いものに、
血反吐のような吐瀉物を吐き出して、どんどん変容する

消したい自我、現実、わたしそのもの。

それは存在すら希薄で
色も音も匂いも無の世界

出来ることなら、永遠に、留まっていたかったろうに

りんご売りの少女が、倒錯した夢に居るあなたを
正気

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とくとくとくん

とくとくとくん

その軽い肩に

その薄い胸に

頭を預け

心臓の鼓動に耳澄ます

とくん とくん 

とくとく・・とくん

軽い肩を持つ貴方の

涙と叫びと悲嘆と絶望と無力感

薄い胸の肋骨を指で触り

少なくとも、私にとって、

この胸も肩も

重いのだ、と

決して口にせず

長い静寂の夜を過ごすということの

喜悦とも不安とも呼べたひとときこそが

時計のコチコチコチコチという音と重なり

私を哀憐の日々

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キミ

キミ

此処までやっと生きてこれたのだ
ボクとキミ

ボクが余所見し

何よりいっとう大事なキミを

ボクの命より大事な命を

失うほど愚かなことは無いのだ

ボクこそがただ一人の理解者、共感者と言えばキミは苦笑するだろうけど

キミの悲を苦を怒を

分かち合えるとすれば

ボクしか居ないじゃないか

分かってるさ

同じように痛みをボクが味わえないことを

傲慢にも分かった心算でいることも

それでも

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我が性のセンチメンタル

我が性のセンチメンタル

かの哀憐の

あのように軽き肩なれど

熱き血潮に漲りし男

躊躇せず我に近寄りて

迂闊な我が隙間を押し包み

否応なく満たし

完膚なきまでに

容赦なく

不信と疑念の19の我を
鷲掴みにせし

その手がまさぐる我が肉体を

男がいとおしむゆえ

我は我が肉体が在ると感ず

如何なる様の形、質感、気付かぬ我の黒子すら

男の目を通し

我は知る

男の手、指の動きが

我をしなやかに伸びやか

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動;RED

動;RED

タム タム タム
憂うな迷うな

タム タム タム
リズムに合わせ

タム タム タム
ただ髪振り乱せ

タム タム タム
感じろ

タム タム タム

元始のオンナのように
体内に音とリズム
溶け込ませ
ただ本能を呼び覚ませ
迸る歓喜となれ

狂えよ揺らせ
跳ねよ従え
己が音に耳澄ませ

元始
言葉も思考も複雑なそれらは無く
その心と身体の欲するまま
オンナたちが
自然に自在に自由に
躍動したよ

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静寂の怖さ

静寂の怖さ

日常において、無音という時は、極めて少ないと思います。

雨音や風、屋根裏を走る猫の音、

遠くから聞えるサイレンや何かしらの音、声。

そう、夜などは、むしろ騒々しいほうが好ましい。

静寂と呼ばれる時間は、私を侵します。

痛いですね、静寂を楽しめないというのは。

本来、モノクロを愛す私は、意識して、色彩の渦に、
それも、疲れてしまう程の
原色の中に潜り込みたくなります。

淡い柔らかい色で

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月

かの紅き絢爛たる月は
彼女を怯えさせ

その丸いカタチの
影の在り様は

陰鬱たる心と
多くの涙を映す酷さか
無情かと

捻くれささくれ不信の鎧に
閉ざした胸を掻き毟る

眉の如き細きかの月を
もう一人の彼女は愛し祈り

その形状にも似た心象の儚き具現

求めて止まぬ彼女の絶望の衣を
指し示すかのように
孤独のうちに打ち沈む

わたしを見る貴女よ貴女

色や形状になど何の意味があるものか

わたし

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雷鳴

雷鳴

雲行きは怪しい

いえ、とうに予測出来ていた今
神経質な雨は 激しいテンペストに変わり

不穏の中に、勇気でも無鉄砲でもなく
諦観の心のままに
一歩踏みでた私を びっしょりと濡らす

足りない もっともっと

望むべきは轟く一撃の雷鳴

飛べない羽を持つ私の
おぞましい輪郭を溶かすほどに、
優しく打ち据えよ 粉々に壊せよ

そして
休息の闇の中にー

あぁ、雨粒と同化出来たなら

やがて何者か形状

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青春

青春

あなたのその鋭い目が悪い

あなたのそのしなやかな指が悪い

あなたのそのごわごわした髪が悪い

あなたのその挑発的な笑みが悪い

あなたがこんな冷たい雨の夜

不意に立ち上がり

窓際でじっと

背中を向けて泣いていた

饒舌なあなたがその日は

寡黙であった

それが一番悪い

あなたの涙こそが

無口こそが

大嫌いなあなたとの始まりだったもの

あぁ、青春の忘れがたきひとよー