嫌な夜
あなたを思い出してしまう夜が嫌いだ。
私はあなたと付き合ってはいなかった。
ただ、よくある男女の関係を持っていただけ、
おまけ程度に私はあなたに好意を抱いていたが。
少し肌寒く、金木犀が薄く香り出し始めて、
片手にハイボールを持ち散歩したくなるような夜
そんな時は決まってあなたを思い出す。
下北に蔓延る売れないバンドマンが書く、薄っぺらい歌詞のような、そんな夜。
あなたの匂いを思い出す。
金木犀のように甘く、また包まれたくなるような。
幸か不幸か
今あなたと同じ教室で同じ授業を受けていること、あなたにバレないように終わりますように。
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