えびあぼかど

えびあぼかど

最近の記事

貴女の音楽

私の個人的な話 「これ!私のオススメの音楽!聴いて」 って言って教えてもらう音楽って自分で見つけるそれより何倍も素敵に思えるし、何倍も記憶に残る。 それに、「あぁ、この人の人生はこんな音楽で彩られてるんだなあ。」って少しこちらが恥ずかしくなるまである。 貴女の音楽を知ると、まるで貴女の人生に少し触れているようで、嬉しくなる。 それはメロコアでも、K-POPでも、ジャズでもなんでもいい。 私の人生に、今までなかった刺激をくれるそれ。 まるで、好きな人に突然名前を呼ばれたよう

    • 嫌な夜

      あなたを思い出してしまう夜が嫌いだ。 私はあなたと付き合ってはいなかった。 ただ、よくある男女の関係を持っていただけ、 おまけ程度に私はあなたに好意を抱いていたが。 少し肌寒く、金木犀が薄く香り出し始めて、 片手にハイボールを持ち散歩したくなるような夜 そんな時は決まってあなたを思い出す。 下北に蔓延る売れないバンドマンが書く、薄っぺらい歌詞のような、そんな夜。 あなたの匂いを思い出す。 金木犀のように甘く、また包まれたくなるような。 幸か不幸か 今あなたと同じ教室で

      • 人といるのは、好き。 人前に出て何かするのも好き。 ただ、それでは満たせない何かを満たしてくれる。 文才もなければ、語彙もない。 そんな私すら小説の世界に連れ込まれる。 そこには、正解も間違いも、いやな先輩も陰口もない。 不思議だった。 誰にも邪魔されない。まるで、この世界に一人でいるような感覚。 この世界につかれた。 そんな時に救いを求めるのは、友人でも、彼女でもない。 わたしと一対一で丁寧に対峙してくれる本。 素敵な文字の羅列に包まれて、今夜も世界から逃げ出す。

        • 作曲

          曲を創る。 0から何かを生み出す。 今まで1を10に育てるようなことしかしていなかった 捻っても捻っても出てこない。 メロディーも歌詞もコードも。 悔しい。苦しい。 ただ、できた時の感動はすごい。 まるで映画を1本 Dolbyで見たような。 そんな開放感を求めて今日も僕は曲を創る

          バス

          私は、京都の学生。 京都の人ならわかると思うが、バスが市民の主な交通手段の一つになっている。 バスの運転手も人間。 いろんな人がいる。 運転が丁寧な人、少し荒い人。 ルールに厳しい人、柔軟な対応をする人。 金曜日の夜。 バイト帰りバスの中 私は、素晴らしいバスの運転手に会った。 彼は、丁寧に「前、ここまで来れるのできていただいていいですか」そういいながら左手を出した。 さらに、混雑している車内に「後ろから降りていただいても大丈夫ですよ」と、優しく。 初めてだった。こん

          映画

          初めてだった。 誰かと一緒にに映画を見て涙を流すのは。 あなたと出会って、たくさん映画を見た。 いろんな映画に出会った。 あなたと過ごす毎日が映画みたいに思えた。 仮にこれが映画ならエンドロールは、流れないだろうな。そう思えるほど、幸せだった。  しかし、私たちの映画は思っていたより短編だったらしい。 あなたの人生にエンドロールがあるとして、 そこの出演者枠に私の名前はあるのだろうか。 あわよくば、あなたの次くらいに流れたらいいな。

          生活

          朝、決まった時間に起きて朝ご飯を食べる。 昼、つまらなく一生続くようにさえ感じる講義を受ける。 夜、ネットフリックスと一緒に晩酌をする。 何の変哲もない日々、 君がいるだけで楽しくなったり、悲しくなったり 普通の日が忘れられないような日にだってなりうる。 生活、 一人でもいいが、二人ならもっといい。 そう思える最上級のものだと思う。

          電車

          朝08:58分発 出町柳行き 毎朝僕が乗る電車 いつもいる人 いない人 いつもよりちょびっとオシャレしてる人 いつもよりちょびっと疲れてる人 いつもみたいに元気な小学生 誰だって毎日同じ人はいない いつもよりいいことが、悪いことがあった 楽しみなことがある いろんな人を乗せてる電車 僕は今日も揺られながら、学校に向かう

          かえりみち

          24時間という長い一日の中で一番好きな時間。 何にも縛られない。すべてが終わった疲労感と幸福感に包まれる時間。 誰かと帰るのも、一人で帰るのもいい。 音楽を聴きながら、自然の音に耳を傾けながら。 誰かが待っている温かいとき、だれもいない冷たいとき。 色んなことを思って、今日も帰路につく。 かえりみち 悲しいような言葉だけど、それは今日も一日頑張ったから歩ける道 お疲れ様、自分。明日も頑張ろうね

          あいして

          愛さないで、教えてほしいの。 そう囁いた君の瞳はわずかに赤くなっていた。 君は、学年の中でもひときわ目立っていた。 小さい顔に、すべてを見透かすような大きな瞳。さらに、すらっと伸びた白く、今にも折れそうな腕。 容姿端麗。この言葉は君のために造られたのではないか。そう思うほど。 君との距離が近くなったのは、文化祭の準備期間。 2人で抜け出してコンビニに行ったり、帰りにゲームセンターで遊んだり、休みの日に映画を見に行ったりした。 ぼくたちが付き合うまで時間はかからなかった。

          はじめまして

          「はじめまして、よろしくね」 そう笑う君に私は目だけでなく、もっと深いところまで奪われてしまった。 大学生活に漠然とした不安を抱えたまま迎えた初めての授業 「PCの向こうにいるみんなも下はパジャマなのかな。」とか思いながら話を聞いているふりをしていた。 ぼくの悪い癖だが、どんな人がいるのかな。と思いみんなのカメラ越しの顔をなめるように見ていた。 そこで見つけた青い髪の少し気の強そうな君。 グループワークになり、幸か不幸かそんな君と同じグループになった。 「はじめまして、よ

          はじめまして

          平等と恋心

          昔、何か本で読んだのかテレビで見たのか記憶は定かではない。 ただ、今も私の中に爪痕を残している言葉がある。 「もし、二人同時に好きなったら二番目を選びなさい。一番目を本当に愛していたなら二番目はできないはずだ。」 衝撃だった、当たり前がゆえに深く考えたことがなかったが。 それはそうだ。 一番が本当に一番であるなら、「1番」と「それ以外」に分類されるべきだと思う。 パンダが自分が生んだ赤ちゃんでさえ、「それ以外」に分類することがあるように。 私は今、元2番目に好きだった女の

          なつやすみ

          なつやすみ、この5文字ほど人間を興奮させるものはないのではないだろうか。 そう思いながら今電車に揺られている。 夏休み。小学生の時、初めて体験した。 友達と会わない、授業もない、多すぎる宿題、クーラーの効いた部屋、つけっぱなしのテレビ。 興奮と絶望を織り交ぜた1ヶ月。 それは年齢が増えていっても、変わることは無かった。あの夏を除いて。 2022年夏 大学で出来た彼女とだけ過ごした。 彼女は、僕と違うところをたくさん持っていた。 そんな所に惹かれたのだろう。 友達の多さ、セ