陽性転移とトラウマ①＜体に向き合う編＞
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私はとにかく決めるしかなかった。
自分で自分を知るしかない。
それも、消え去った記憶の中にある
自分を思い出すしかない。
助けに行くしかない。
遠くの、どこか宇宙の果てに
葬り去った自我を探しに行くのは
困難そのものでね。
もう〜最悪というか
逃げたくなるというか
誰か助けて！と思っても
ここには自分しかいないという感じで。
でも引くに引けず、
この2回の結婚で同じように
パートナーから女性としての扱いを
受けることができなかった理由を
突き止めたくて。
私はもう、この一年間
没頭することに決めた。
そうして、
女性カウンセラーの元で
精神分析的療法を受けて、
飛躍的に内的探求が促進された私は。
男性カウンセラーもとで
セッションを受け始めた。
なんでも、「トラウマケア」という
おっかないものである。
いや、ビビったよ、正直。
ま〜さ〜か〜ね〜
という感じで。
でも、そのまさかね、という
好奇心を辿ってみたかった。
だから、思い切って、
怖いけど、予約してみた。
そしたら、
私の馴染みである「体と向き合う」
という内容があって。
呼吸をしたり。
イメージをしたり。
あ！私、日々、こういうのやってる！
と思って、親和性があって、
ちょっと楽しいなと思っていたら、
さらに面白いトレーニング用具があったの。
普通のトレーニング用具という
感じなんだけど、
ちょっと手に取っただけで
不気味なざわざわという音が鳴る。
それを持ち上げて、
ちょっと揺すっただけでさ。
全身、ビリビリ！！と
静電気みたいなのが走った。
「何ですかこれ！？」
叫ぶしかなかった。
普通の道具なのに。
触ると電気が走る。
背中がゾクゾクして、
体から力が抜けていく。
振っただけでも
交感神経が反応している
のだそう。
そのときに・・・
私は事態の深刻さをね、
ようやく、思い知ったのよ。
私の体は、ヤバいって。
いくら考えても、
いくら誰かの質問に答えても、
上っ面で終わってしまう理由がわかった。
私の体が、ヤバかった、ということ
だった。
どれだけ筋トレして
美ボディを作ったって、
どれだけクリーンな
食事を摂って
栄養を整えたってさ。
結局、脳の視床下部が
作動していないんだもの。
無理だよ。
私の体は自我で
コントロールできていない。
こんなの、一般の人に言ったって
全くもって理解不能。
誰に言っても反応薄い。
でも、私は、感じる。
感情や思考をどれほど押し込めても、
私の背中にはまるで
ミミズが走るようにざわざわする。
怖いと思った。
だけども、先生は
「ここは安全です」と言った。
過去のトラウマって、
体に刻み込まれるんだ・・・。
私の体は、外部刺激にとても敏感で、
一般人ならスルーできるはずのものでも
不快な感覚として記憶してしまう。
しかも、その感覚は
不快な感情や思考、思い出とともに
扁桃体にて強化学習されてしまっているので、
そんじゅうそこらじゃ
すぐにリセットできるものじゃない。
ゾッとした。
こ。
こんなにヤバかったなんて・・・
そりゃ、いくら言語系セッションやっても
表面上の解決になるだけなんだなって。
すごく腑に落ちた。
そして、これまた面白いことが
起きた。
3ヶ月くらい通って、
4ヶ月目に入るころ。
私はなんだかあったかい気持ちに
包まれることが多くなった。
ほのぼのとした空気感というか。
最初、気のせいと思って
気をそらしていたんだけど。
セッションが終わって数時間後に
「！」と確信した。
私！
恋してるんだわ！先生に！
信じられない！！！
先生のこと全く何も知らないのに！
初恋みたいな感覚だわこれ！
これまたヤバいことが起こったと
感じて、私はまたも調べ倒した。
「カウンセラー 恋」
「カウンセラー 好き」
出てくる出てくる。
陽性転移、という言葉。
要は、自分が幼少期に
身近な人に表現したかったであろう
気持ちを、
関係ない他者に向けること、
だそうだ。
ほう・・・。
と、思ったところで
甘酸っぱい初恋のような
気持ちが治まることもない。
ふっと気を抜くと
どんどん先生のことが頭に浮かぶ。
どうしようと焦りながら、
でもだんだん日常が恋ベースだからか
楽しくなってくる。
う〜ん。
困り果てたので、
陽性転移もあるなら
陰性転移もあるはずだ！
と機転を効かせて、
私は陰性転移を調べていった。
要は、寂しい、孤独、怖い、
といったネガティブな気持ちを
調べるということね。
そしたら。
出るわ出るわ。
過去に抑制された
”あの頃”の記憶が・・・
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