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毎日にささやかなクリスマスを

クリスマスが終わりに近づいている。

クリスマスを過ぎると
スーパーは新年の準備に入る。
 
厳かな音楽を流して
西から和への急展開。

寂しかった。
 
楽しい一日が終わる虚しさ。また来年か。
 
来年は何をしているのだろう。

そう思いながら、門松を眺める。
 
寂しさの理由はそれだけではない。
 
スーパーの陳列の流れの速さ。
もう儲からないからだ。
感情をスパッと分断させらた気分。
 
思ってしまった。
 
僕の周りの世の中が
この日を特別扱いしているから
僕も特別扱いしているのだろうと。
 
別にそれでも僕は良い。
 
大好きなクリスマス。
人それぞれ幸せであってほしい。
 
僕の住んでいる国では
これからクリスマスを迎えんようとする。
 
朝、ベッドから起きると
友人からメッセージが届いていた。
 
「元カノが結婚した。俺シングル。
 辛。クリスマスやで。」
 
好きなラーメン食べて血糖値を上げて寝よ。
ただの一日を好きに生き、元カノ祝福せい。

下書きのまま、返事は箱に居座っている。
 
この日を妙に特別扱いをして
自身を紐付けるのも含め習わし、かいね。

寝惚け眼を擦りながら、ふふっと笑った。

ただの一日。
 
Andy Parksという男がイングランドにいる。

彼は1994年より毎日クリスマスを祝っている。
 
Mr. Christmas を名乗っている。
 
動画を見ると、毎日ターキーを食べて
毎日自身にプレゼントを準備して
誰かにギフトカードを送っている。
 
初めて知ったのは、学生時代。
 
自身でご機嫌を取ろうとする
強い意志に僕は惹かれた。
 
今日、調べてみた。
 
生活が苦しくなってきたようで 
一時期は祝うことを諦めたらしい。
 
その2週間後に再スタートしていた。
 
自身の機嫌が取れないから。
 
なんて正直で愉快な人なのだろう。
 
今も祝えているということは
お金も何とかなったのだろう。
 
自身のご機嫌は物事を好転させる。

僕の好きな哲学者 アランは
人が持つ最上位の義務として
上機嫌を置いている。
 
男のように毎日クリスマスしても良いのだ。
 
ただの一日に。

祝うのは、まずは自分自身。
 
今日も頑張った。
 
帰りにご褒美で何かを買う。

自身にお疲れ様と労い
乗り切ったことを、祝う。
 
または、誰かに手渡す。祝う。

寝床につき、起きて、祝う。
 
自身のご機嫌を中心に
祝福を廻していくのだ。

毎日にささやかなクリスマスを。

僕は思ったことを実現するのが苦手だ。

ただ、心の隅に微かに灯っていれば、良い。
 
さあ、クリームシチューの仕込みを始める。
朝は、フレンチトーストにする。と決めた。

Youtubeで、M-1を見る。
 
世の中のムードに全身で飲まれていく。
 
特別な、ただの一日。
 
精一杯生きて、ご機嫌を取る。
 
そして、明日の朝を祝ればいいな。

そして、その次の日も。

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