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2023特別になった本たち


本嫌いから本好きに覚醒しておよそ2年。
2023はたくさんの本と出会い、多くの知見や見方、視野を得ることができたと思う。
多分それは本だけじゃなくて、映画や美術館にもたくさん足を運んだから。やっぱり自分から動くって大事だね。



以前、夏休みに読んだ本を拙い感想とともに紹介したから、今回は2023のベストブック3選をまとめてみます。ぜひご覧ください🤲🏻

※ネタバレになるところがあります、気になる人は本を読んでからこの記事読んでみてください!





『52ヘルツのくじらたち』

こんなにも愛で溢れた作品を読んだのは初めてかもしれない。
読み進めても拭いきれない孤独を纏う彼女を見るのが辛かった。でも、人はあるきっかけで変わることができる。それは必ず、人との出会いや繋がりに違いないんだろうなと思う。

最近大好きな瞬間をノートにふと書き出してみたら、面白い共通点があった。どれも"一人じゃできないこど"だった。人の温もりがあってこそ、この瞬間を大事にしたいという気持ちが込み上げるんだろうなと思う。
孤独の共有はできない。「わかるよその気持ち」なんて容易く言わないように気をつけている。それを経験した人にしかわからないから。
たとえ孤独じゃなくなっても、その過去は事実として孤独であり続ける。

孤独を経験した人同士でしか分かり合うことはできないし、孤独は人の形それぞれにある。
それでも人との繋がりを求めて彼らは繋がり、求め合うことで日常を取り戻す一歩を踏むことができて、心から嬉しい。
私も誰かの隣で心を掬いあげることができる人として生きていきたい。

「キナコの幸せをずっと祈るくらいにはね」

『52ヘルツののくじらたち』町田そのこ


この言葉の言い回しと、そこに隠された本音が想像掻き立てられて大好きな台詞。
孤独を物語の軸として描いているのに、読了後に胸が愛で溢れかえっている。私の大切な人からおすすめしてもらった一冊です。




『20代で得た知見』

エッセイは昔から読むのが好きだった。自我が強すぎる人は自分の意見とか考え方と衝突するから向いてないとかいうけど、好きだったということは多分私はそういうことなんだと思う。


終始、「彼の紡ぐ言葉は何なんだ」と思わずにはいられないほどに誰からも貰ったことのない言葉ばかりだった。一人の人間として強い在り方でありながら、寂しさをそのまま受け止め、素直な感情で寂しいとも言う。こんなにも人の言葉に魅了されたことはなかったし、出会ったこともなかった。


20代に突入した年だから響く言葉。まだ経験してないことが書かれているから響かない言葉。どっちにしろこの本を読んだことであらためて言葉の持つ効力を実感したし、この世にはまだ私の知らない素敵な言葉や言い回し、比喩などの表現力を自由自在に操る人がたくさんいるのだと思ったら、これから生きる人生への楽しみがまた一つ増えた気がする。

20代になったあなたへ、
20代になるあなたへ、
20代じゃないあなたへ、贈りたい一冊です。




『星の子』

久しぶりの今村夏子さん。『むらさきのスカートの女』を読んでからぞっこん。一目惚れならぬ一読惚れというのでしょうか。読んだ瞬間、「そうだったよなー。この文体なんだよ」って実家に帰った時ぐらいの安心感が文の間と句読点と鉤括弧に現れてた。

読者に想像力掻き立てさせるような、あやふやな終わりをする話が好きでありながら理解力に若干の欠如が見られる私。結末を完全なる言語化することができなかった、でも何もわからなかったは嘘になる。何かは感じる、それを必死に言語化しようと思うけど言葉が見当たらない。会話や台詞、思いの節々に感じることはあって、それらを繋いで一つにすると、

「理解ができないなら、無理に理解しようとは思わず、心の判断でもいいのかな」

と読了後に思った。
家族の形は何をきっかけで壊れていくのかわからないし、子供から少女へ成長するにつれて判断能力が身につき、世の中の"普通"に関わり始めた時にはもう家庭の取り返しはつかなくなってて。
自分の居場所がないように感じる辛さや葛藤、もどかしさがありつつも、手の届く範囲に救いはある。私は心底ほっとした気持ちで主人公に寄り添いながら読むことができました。
ぜひあなたも今村夏子さんの沼へようこそ、の一冊です。




以上の3冊が、2023の私を豊かにしてくれた特別な本たちです。読み終わった後に書く感想ノートからそのまま引き出した、リアルな感想とともに紹介したので意味がわからないところあるかもしれません、、

みなさんにとっての特別な本教えてください⭐︎



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