「MetaのAI戦略の核心に迫る：AIとテクノロジーの融合」 NVIDIAとMetaのCEO特別対談
NVIDIA の創設者兼 CEO であるジェンスン・フアン 氏と Meta の創設者兼 CEO である マーク・ザッカーバーグ氏の対談。
生成 AI 役割、および次世代の AI における仮想世界の可能性についても話し合います。
前提知識
Meta（旧Facebook）は新しいAIモデル「Llama 3」の学習のために、約5
00,000個のNvidiaのGPUを追加で購入し、合計で約1,000,000個のGPUを保有している。これによるAIの投資額は約300億ドル以上（約4兆4千億円）とされており、小国の国家予算よりも大きな規模となる。
AIモデル「Llama 3」：Metaが開発したオープンソース型の大規模言語モデル。OpenAIの「ChatGPT」はクローズド型AI。
WhatsApp：世界シェアNo.1のメッセージアプリ。20億人以上のユーザーが使用しており、欧州・南米・インドで一般的。日本ではLINEが一般的。
SIGGRAPH（シーグラフ）：世界最大規模のCG技術の発表会
PyTorch：Python言語によるオープンソースの機械学習ライブラリ
特別ゲストの紹介
ファン氏： 「紳士淑女の皆様、特別なゲストを紹介します。私は彼に非常に感銘を受けています。その理由は三つあります。まず一つ目、彼はほんの一握りの起業家の一人であり、数十億人の生活に影響を与え、社会の一部となり、サービスを発明し、最先端のコンピューター会社を創立したからです。二つ目、彼は会社を設立し、それを1兆ドル以上の価値にまで成長させました。そして三つ目、大学中退者であることです。この三つのことが同時に当てはまる人物です。皆さん、マーク・ザッカーバーグをお迎えください。調子はどうですか？ようこそ、マーク。あなたの初めてのSiggraphへようこそ。」
SIGGRAPHとコンピューターグラフィックスの重要性
ファン氏： 「信じられますか？コンピューターのパイオニアの一人ですよ。現代のコンピューティングを推進する人物であり、彼をSiggraphに招待しなければならなかったのです。さて、マーク、座ってください。ここに来てくれて本当に嬉しいです。飛行機で駆けつけてくれてありがとう。」
ザッカーバーグ氏： 「ええ、これは楽しいでしょう。あなたはもう五時間くらいやってると聞きましたが。」
ファン氏： 「ええ、そうです。これはSiggraphです。参加者の90％はPhDです。Siggraphの素晴らしいところは、これはコンピューターグラフィックス、画像処理、人工知能、ロボティクスのショーであり、長年にわたり、ディズニー、ピクサー、アドビ、エピックゲームズなど、素晴らしいものをここで展示してきた企業があります。そしてもちろん、NVIDIAも多くの仕事をここで行ってきました。今年は人工知能によるシミュレーション仮説で20本の論文を発表しました。」
AIとシミュレーションの融合
ファン氏： 「例えば、差別可能な物理学。シミュレーションを用いて合成データ生成のためのシミュレーション環境を作成し、人工知能を支援しています。これら二つの分野が本当に一緒になってきています。私たちがここで行ってきた仕事を本当に誇りに思っています。Metaでは、素晴らしいAIの仕事をしています。例えば、PyTorchを使っていますが、これはMetaが開発したものです。コンピュータービジョンの仕事、言語モデル、リアルタイム翻訳など、革新的な仕事です。」
MetaのAI戦略とその進展
ファン氏： 「最初の質問は、今日のMetaにおける生成AIの進展をどのように見ているか、そしてそれをどのように活用して運営を改善し、新しい能力を提供しているかということです。」
ザッカーバーグ氏： 「まず最初に、ここに来られて本当に嬉しいです。Metaは多くの仕事を行っており、Siggraphには8年間参加しています。2018年には、私たちはVRとミックスリアリティヘッドセットのための初期のハンドトラッキング技術を発表しました。また、消費者向けヘッドセットから駆動できるフォトリアリスティックなアバターの作成にも近づいていますので、それも非常に興奮しています。」
ディスプレイシステムと未来のプロトタイプ
ザッカーバーグ氏： 「さらに、ディスプレイシステムの多くの仕事も行っています。例えば、将来のプロトタイプや研究で、ミックスリアリティヘッドセットが非常に薄くなるような光学スタックやディスプレイシステムの統合システムを開発しています。これらは通常、ここで最初に披露されています。ですので、ここに来られて非常に嬉しいです。」
MetaのAI研究センターと生成AIの影響
ザッカーバーグ氏： 「今年はメタバース関連だけでなく、AIに関する多くのことについても話します。FAIRというAI研究センターを立ち上げたのは、まだFacebookだった頃です。これまでの仕事の一部を振り返ると、生成AIは興味深い革命であり、すべての製品が新しい方法で進化することになると思います。」
AIとコンテンツ推薦システムの進化
ザッカーバーグ氏： 「例えば、InstagramやFacebookのフィードとアルゴリズムは、これまで20年間にわたり進化してきました。アルゴリズムは非常に重要であり、生成AIはその進化を加速させるでしょう。私たちは多くのAIモデルを開発しており、それらを統一してすべてのコンテンツを推薦する能力が向上しています。私たちの夢は、将来的にはすべてのFacebookやInstagramのコンテンツが一つのAIモデルで処理されることです。」
MetaとNVIDIAの協力関係
ファン氏： 「AIが非常に深く関与しているため、GPUインフラストラクチャを構築し、大規模な推薦システムを運用してきました。生成AIはWhatsAppを使うときに共同作業をしているような感覚をもたらします。」
ザッカーバーグ氏： 「例えば、あなたがテキストを入力しながら、それに応じて画像を生成し、テキストを変更すると再生成されるようなことです。Meta AIと呼ばれるAIアシスタントのビジョンも非常に興味深いです。Meta AIは、AIスタジオを使って、すべてのクリエイターが自分自身のAIバージョンを作成できるようにすることを目指しています。」
※Meta AIは、Facebookなどの同社製アプリに統合されるAIアシスタント。アプリ内からWeb検索を行なったり、Meta製アプリ間を横断的に検索したり、AI画像生成などを実現する。日本はサービス対象外
AIスタジオの機能と未来のビジョン
ザッカーバーグ氏： 「例えば、クリエイターが自分のコミュニティと対話するためのAIエージェントを作成することができます。さらに、これにより限られた時間を有効に活用することができます。将来的には、AIが単なるチャットボットのように応答するだけでなく、より高度なタスクを自動的に実行し、長期間にわたってユーザーをサポートすることができるようになると考えています。」
Metaのオープンソース戦略
ファン氏： 「Llamaをオープンソース化したことで、すべての企業や研究者がAIを再び活用できるようになり、多くの企業やスタートアップがAIを構築し始めました。Llama 3.1のリリースにより、その興奮はさらに高まり、多くのアプリケーションが可能になりました。」
ザッカーバーグ氏： 「Llamaモデルや他のAI技術をオープンソース化することで、広範なエコシステムを構築し、さまざまな分野での革新を促進しています。これにより、研究者や開発者が自分たちのプロジェクトに取り組みやすくなり、結果として技術の進化が加速します。」
技術の倫理的側面とプライバシーの重要性
ザッカーバーグ氏： 「AIの倫理的な側面にも真剣に取り組んでいます。AIやスマートグラスの使用がプライバシーやセキュリティに与える影響について考え、適切なガイドラインと規制を設けることが重要です。私たちは、これらの技術が安全かつ公平に使用されるように努めており、ユーザーの信頼を築くことを最優先に考えています。」
次世代のスマートグラスとAI技術
ファン氏： 「次世代のコンピューティングプラットフォームを開発し、すべての人々がそれを日常的に使用できるようにすることを目指しています。これには、スマートグラスの開発だけでなく、生成AIやコンピュータビジョンの技術も含まれます。」
ザッカーバーグ氏： 「未来のスマートグラスは、単に情報を表示するだけでなく、ユーザーが周囲の環境と対話し、リアルタイムで情報を取得し、行動を促すことができるようになります。例えば、買い物中に商品の詳細情報を表示したり、道案内を提供したりすることができます。」
AIの未来とその可能性
ファン氏： 「生成AIの進展により、製品やサービスがどのように進化するかについても考えています。例えば、個人用のAIアシスタントがユーザーのライフスタイルに合わせてカスタマイズされ、スケジュール管理やメールの返信、さらには個別の健康管理までサポートすることができます。」
ザッカーバーグ氏： 「これらの技術革新がもたらす可能性に非常に興奮していますが、その一方で、技術の倫理的な側面にも注意を払っています。AIやスマートグラスの使用がプライバシーやセキュリティにどのように影響するかについても真剣に考え、適切なガイドラインと規制を設けることが重要です。」
オープンソース戦略の重要性
ファン氏： 「Metaは、Llamaモデルや他のAI技術をオープンソース化することで、広範なエコシステムを構築し、さまざまな分野での革新を促進しています。これにより、研究者や開発者が自分たちのプロジェクトに取り組みやすくなり、結果として技術の進化が加速します。」
ザッカーバーグ氏： 「私たちは、これからも技術の限界を押し広げ、新しい可能性を探求し続けます。皆さんと共に、この素晴らしい未来を築いていくことを楽しみにしています。私たちのビジョンは、技術を通じて人々の生活を豊かにし、社会全体の発展に寄与することです。」
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