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生産性を高めよう!そして私は機械になった

こんにちは。みーきちです。

今日は「生産性」に関するお話です。

最近、よく職場で「無駄なことを省き、もっと仕事を効率化して、生産性を高めよう」という声が聞かれます。

生産性を高める具体的な方法としては、「仕事の目標」を設定し「作業の優先順位」を決め「整理整頓に注意」しながら「時間」を区切り、パソコンやタブレット端末などの「IT機器をフル活用」する方法などが挙げられます。

ちなみに私は、職場での生産性が地を這うように低いです。仕事の目標も曖昧で、作業の優先順位もぐちゃぐちゃ、机の上には書類が山積みで、いつの間にか時間は過ぎ、パソコンはしょっちゅうフリーズしています。でも、私は、職場での生産性を高めるつもりはありません。

多分、多くの社会人の方々(特に若くて仕事に情熱を注いでいる方々)からは「いい加減にしろ!」「お前のような無能のせいで頑張っている私たちが損をしている!」「この社会のお荷物が!給料泥棒!」と罵られるかもしれません。

私が、あえて職場での生産性を向上させない理由は何点かあります。

詳細は再び怒られるので省略しますが、生産性を向上させない一番の理由は、私が「効率的に生産性を高め続けた結果、よくないことが起きる可能性が高い」と考えているからです。

ここで、質問です。

あなたは、目の前にあるスマホやパソコンを、自分の力だけで、作ることは出来ますでしょうか?

「スマホは無理かもしれないけど、パソコンなら自作で組み立てられる!」

そう仰る方もいらっしゃるかもしれません。

では「パソコンを構成する、すべての部品を1から製造し、組み立てることはできますか?」という質問ならどうでしょうか。

多分、日本で「はい、できます」という方は「1人もいない」と思います。

あなたの部屋にある、身の回りのものを見渡してみてください。

スマホ、パソコン、冷蔵庫、テレビ、エアコン、炊飯器、電子レンジ、コート、インスタントラーメン、照明、調味料、自転車、自動車・・・

この中で「原材料から、全てハンドメイドで作られているもの」をリストアップしてみてください。

多分、原材料から全てハンドメイドで作られているものは、1つも無いんじゃないかと思います。

そう、身近な商品の製造は、もはや、あなたの代わりに、極めて効率的で生産性の高い「機械」が働いています。

次の動画は「効率的に生産性を高め続けた結果、機械になった私の姿」です。

引用元:Using Robotics to Make the Ideal Digital Manufacturing (DX) MITSUBISHI ELECTRIC Factory Automation

こう述べると「バカじゃないの?機械で出来ることなんて、たかが知れてるし、何より人が機械になるわけないじゃん」とおっしゃる方もいらっしゃると思います。また、「お前が生産性を低くしたところで、機械化する社会の流れは止まらない」と指摘されるような気もします。どれも、ごもっともなご意見だと、私も思います。

ただ、この資本主義社会の世の中、まともな経営者であれば、以下のように考えると思います。

「100万円のコストを払って、100万円以上の利益を叩き出すことができる」のであれば、それが人間であるか、機械であるかは「関係ない」。

この1文が意味していることは、機械の方が人間より優秀に稼ぐのであれば、経営者は人間ではなく「機械を雇う」ということです。

ここ数年「人間の仕事が『AI(人工知能)』に奪われる」という主張が目立ちましたが、私は、それよりも先に「人間の仕事が『機械(machine)』に奪われる方が早いんじゃないか」と考えています。

最近「DX(Digital Transformation)」という言葉が流行っています。

Wikipediaによると、DXとは「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念と説明されています。

気が付くと、色々な職場に「DX部門」が誕生しています。

色々な分野で効率化が進み、生産性が高まりつつあります。

「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」というDXの概念が、「果たして本当に人々の生活をより良い方向に変化させるものになるのか」、少なくとも私は、自分の目でしっかりと見極めようと思います。

<<追記>>

全く違う話になりますが、私は「働かざる者、食うべからず」という言葉が「ひどく嫌い」です(この言葉を声高らかに主張する人々も嫌いです)。理由はこの言葉が「働かない者は、死ぬべきである」という、他者を平気で排斥する極端な思想に思えるからです(日本国憲法第25条に規定されている「生存権」を侵害していると私は考えています)。また「働かざる者、食うべからず」という言葉は、うつ病で仕事が出来ずに苦しんでいた頃の私の心に、鋭いトゲのように一番刺さった言葉でもあります。

個人的に、「働かざる者、食うべからず」という言葉を声高らかに主張している人々は「日々進化し続ける機械に早々に敗北し、辛酸をなめ続けて欲しい」と私は考えています。ただ、同時に生産性が低い私も、機械に敗北して辛酸をなめることになりそうです。

換気扇にこびりついた油汚れのような私の記事を読んで頂き、本当にありがとうございます。サポートして頂けると、妻がニッコリします。