ヨシタケシンスケ みえるとかみえないとか を読んで
みなさん、こんにちは。ヨシタケシンスケさんの「みえるとかみえないとか」を読んだ感想を書いていきます。
あらすじです
主人公は色んな星を調査している宇宙飛行士です。あるとき、目が3つある宇宙人の星にたどり着きます。その宇宙人は、一度に前も後ろも見えるのが特徴です。主人公に対し、妙に気を使ったり、憐れみのこもった言葉をかけていきます。
例えば
主人公は人間です。後ろを見るときは、一度振り向く必要があります。
しかし、この星はそのような行動をすると
正常に歩けるのか? 後ろの物を上手く取れるのか?
といったことを考えます。
後ろを見るとき、一度振り向く必要があることについて、私たち人間は普通だが、この星は普通じゃないのです。
主人公はこの星を調べていくうちに分かったことがありました。
それは
目は3つあるが、1つは見えない。人間と同じ特徴を持つ宇宙人。
または
目は3つあるが、全てまったく見えない。白杖が必要な宇宙人。
がいるということです。
主人公は、それらの宇宙人と話していくうちに
普通とは何なのか。当たり前とは何なのか。
と考えるようになります。
やがて、主人公はこの星を出ることになります。色んな星の宇宙人と出会い「同じところを探しながら、違うところに興味を持つ」という結論に至り、再び違う星へ旅立った。といった話です。
感想です
「普通」という基準は、いったい誰が決めるのか。といった疑問を感じることがあります。
「これを持っていないと普通じゃないよ」、「え、普通だよ。みんなやっているよ」、「普通なら、この年で過去に、異性と何人か付き合っているもんだよ」
など沢山あります。
この絵本を読んでいると
自分と相手の「ふつう」について、捉え方がそれぞれ違う。ということを教えてくれます。
逆に考えれば、同じ捉え方をしている「ふつう」の人が多くなれば、それが「まともで正しい」となってしまいます。
私はアトピー性皮膚炎で、皮膚に赤みを帯びることがあり、「ふつう」の人と肌が違います。
20代前半の頃。顔の赤みが酷いとき、周りから妙に気を使われ、何かしら違う距離感を感じることがありました。
誰にでも迷惑をかけていないのに、みんなと同じ「ふつう」という足並みを揃えていなければ、置いていかれるではないか。
と思うこともありました。
ほんとは「1人の人間」として見て欲しかった。今となっては、一つの思い出です。
結局のところ
自分自身が人にどう見られているか。過剰に考え過ぎて、悩んでいたのかもしれません。
この絵本の中で私が好きな文があります。
からだの とくちょうや みためは のりもののようなものだ。「その のりものが とくいなこと」は からなず あるけれど、のりものの しゅるいを じぶんで えらぶことは できない。そのひとの ほんとうの きもちや くろうや したいことは、やっぱり そののりものに ずっと のってきた そのひとしか わからない
引用
みえるとかみえないとか
ヨシタケシンスケ 作 伊藤亜紗 相談 アリス館 出版社
自分の乗ってきた乗り物を大事にしていき、これから先も乗りこなしていく。自分の身体の特徴や見た目を車に例えるセンスは分かりやすく、心に響きました。
親から頂いた身体をこれからも大事にして、個性や特徴を活かせるよう、生きていきましょう。
最後まで、読んで頂きありがとうございます。
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