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美しい橋

当時ブログに書いた文章をnoteに載せてみたくなりました。
※北九州(小倉)に住んでいたころのお話。

=2005.08.25の記事=

「美しい橋」

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一目見たときから心を奪われてしまいました。緑の山と優雅な曲線を描く赤い橋のコントラスト。こんなところにこんなものがあるなんて!

ここは北九州市八幡にある河内貯水池。ここに掛かるのが南河内橋。
美しい橋です。

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【南河内橋】レンティキュラートラス2連からなり、世界的にも珍しい構造で、その形状から通称「めがね橋」と呼ばれる。円弧状の上弦材・下弦材で魚の形をした、完全に対称な二つの橋が繋がっており、S字状の優雅な曲線を湖面に描きだしている。

レンティキュラー(レンズ状)トラスの橋は、19世紀中頃にヨーロッパで流行りました。しかし国内で架橋されたのはたった3例であり、現存するのはここだけだそうです。※詳しくはこちら

河内貯水池は、官営八幡製鉄所の工業用水を確保するため、1927年に竣工したダム湖。石積みで造られた堰堤を始め、そのデザインは細部まで工夫されているそうです。この貯水池および橋を設計したのは、当時の八幡製鉄所 土木部長の沼田尚徳氏。貯水池建設にあたり、機能だけでなく品格と美をも持たせようとしたと言われています。

今、都市デザインで欠けているのはこういった志ではないでしょうか。好き勝手に造って景観を損なうのではなく、トータルに街をデザインする感覚が今こそ求められている気がします。この古くて今も美しい橋を見ているとなぜかそんな気になるのです。

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