a note
「故きを温ねて新しきを知る」
温故知新の言葉のように、古いことを調べてたら新しいことに思いがおよぶ、そんな出来事がありました。
「3年前のブックマーク」という記事をブログに書いたことがあります。2005年のことです。先日それを読み返したときに妙な違和感を感じました。それが何なのかを考察してみます。
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記事の内容は少し感傷的なものでした。PCを修理に出して、その間しかたなく昔のPCを使ったら思いがけず3年前のブックマークを見つけたという話です。ブラウザに残されていたブックマークは今とはだいぶ違うもので、たった3年でどうしてこんなに変わるのだろう?という思いを綴ってました。
ブックマークには個人ブログも多く登録されていて、その大半のサイトがなくなっていたことを寂しく思うとともに、未来の自分のブックマークはどうなってるだろうかと、未来に思いを馳せたところで記事は終わってました。
私は記事の中でこんなことを書いていました。
3年後はどうなってるでしょうか?どんなブックマークが登録されてるのか? それはその時の自分の関心事だったり、友達だったりするのでしょう。きっとそれは自分の大切な財産のはず。
ん?んんー? 何かおかしい。自分が書いたはずなのに、2021年の今これを読んでもピンとこない。そもそもブックマークって最近あまり使ってないし、新しく登録することもめっきり減ったような気がする。なぜだろう?
今まで気がつかなかった。
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訪問頻度の高いサイトは、ブラウザが自動で覚えてくれてるからそれを選べばだいたい事足ります。それとブラウザのブックマークバー(お気に入りバー)に登録したいくつかのサイトがあれば十分で、あらためてブックマークを開く機会がなくなりました。スマホでアプリを使う機会が増えたのも理由のひとつ。WEBを介さず、アプリから各サービスに直行するのも当たり前になりました。
みなさんは最近ブックマーク使ってますか?
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ここで仮説を立ててみます。2005年と2021年で何が違うのか?
仮説1:訪問先がいつも同じ。訪問サイト数も減ったのではないか
だからブックマークはあまり必要とされなくなったのではないでしょうか?なくても事足りる。
では、それはなぜか?
仮説2:SNSが主流になりひとつの滞在時間が長くなったのではないか
私がmixiを始めたのは2008年。それから約4年間はmixiに入り浸りでした。趣味の世界で繋がる楽しさがあって、活動の中心もブログからmixiに移っていきました。
ブログの場合いろんなブログサービスがあって、お気に入りのブログを訪問するためにはそれぞれをブックマークに登録する必要がありました(RSSで巡回する手法もあるけど)。それに比べるとmixiは数多くのコミュニティを抱えてるけど、サイトとしてはひとつです。
SNSを始めてからひとつのサイトに滞在する時間が飛躍的に長くなりました。この傾向は、私の場合 mixiからFacebook・Instagramに移行して、今のnoteまで続くすべてに当てはまるものでした。これにYouTubeがあれば、あと何があったっけ?という状況です。これが2021年の私の現実。
※GoogleやLINE等は含めず
これはもしかすると良くない状況なのかもしれない、と思いました。広い世界だと思っていたけれど、あくまでもそれはひとつのSNSに過ぎない。それが見えなくなっているような気がしました。
巨大で狭い世界に、私たちは住んでいるのではないか?
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例えば学校はどうでしょうか。子供たちにとって学校は世界のすべてのように見えるけど、大人たちは学校は狭い世界という。
SNSもこれと似ているような気がします。巨大で狭い世界です。自分の立っている場所を客観的に外側から見る視点は持っていたいと思います。その世界の内側がどんなに居心地のいいものであれ、またそうでないとしても。
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noteにいると「自分と向き合って」や「文章と向き合って」という言葉をよく目にします。そのたびに心苦しさを感じます。私はそうではないから。
もちろん書くことは好きだからnoteにいるのですが、それが優先順位の一番ではありません。私にとって一番の理由はnoteで人に出会うこと。
自分のために書いてるかといえば違うし、誰かのためでもない。届けたい人に向けて、届けたいと思う文章を書いてるだけ。noteで出会った人へ、そしてこれから出会う人に向けて書くのが私の文章です。
言葉や文章に重きを置くnoteの価値観とはズレています。その自覚はあります。でもnoteが好きで、noteにいる人たちが好きです。
だから私はnoteにいます。
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noteの価値観からはみ出す自分がいるけど、無理に全部合わせる必要はないかな?と思えるようになりました。はみ出してもいいか。noteもまたひとつのSNS。
SNSにはそれぞれ文化があって価値観がある。自分を表現する手段は、その時々に応じて自分が選べばいい。そんな心持ちでいられたらいいな。
◇
そもそも SNSは進化の終着点なのでしょうか?
SNSの先にあるのは何だろう?
ブックマークを開く必要を感じないほど選択肢の限られた現代。
多様性を取り戻すことは出来るのか?
2021年の今ここから、また未来に思いを馳せることにします。
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