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中国に駐在中の日本人。日本と中国の会社のことを、学びながら書いていこうと思っています。…

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中国に駐在中の日本人。日本と中国の会社のことを、学びながら書いていこうと思っています。自分の興味の赴くままに、丁寧に、楽しく、分かりやすくがモットーです。

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  • ゼロから学ぶ企業マガジン テンセント(Tencent)

    このマガジンでは、アジア時価総額1位を争う中国企業、テンセント(Tencent Holdings)を、基本的なところから体系的に解説します。10記事程度の読み切りマガジンになる予定です。

  • 会社を学ぶマガジン

    今の社会で大切だけど、実は知らない会社のことを学びたい人のためのマガジンです。 テーマにする会社は、日本を支える「日経225」企業を、業種ごとに紹介していこうかと考えています。

最近の記事

【テンセント/Tencent/腾讯】なぜ中国ではiPhoneよりWeChatを選ぶのか?

2020年7月、アメリカのトランプ大統領が、iPhone上でWeChatを使えなくすると公表しました。この時、ある調査では、中国でiPhoneとWeChatのどちらを選ぶかと言う質問に対し、iPhoneを選んだ約20倍の人がWeChatを選んだと報道されました。 実は、現在中国在住の私も、同じ意見でした。 私自身は、10年以上のiPhone、iPadユーザーです。Andoroidのスマホは使ったことがありません。そんな私でも、もしiPhoneでWeChatが使えなくなるの

    • テンセントの時価総額と決算をFacebookやLINEと比べてみる【ゼロから学ぶ中国企業】

      中国最大のモバイルサービス企業であり、世界最大のゲーム企業でもあるテンセント(Tencent)、その時価総額は日本を含むアジアの中でも最も高い60兆円近くあります。この60兆円とは、どのくらい大きいのでしょうか? Tencentの時価総額は世界第6位のFacebookとほぼ変わらない テンセントの基幹事業の一つ、SNSを主な事業としている企業で比較します。 このため、Tencentと、私たちが馴染みのあるFacebook, Twitter, LINEの3社を比較してみ

      • ゼロから学ぶ中国企業【テンセント Tencent】 第1回 テンセントって何をしている会社?

        テンセントホールディングス(Tencent Holdings、以下テンセント)という会社をご存知でしょうか? 2004年に香港で上場したこの中国企業は、わずか15年の間に全ての日本を含むアジア企業を抜き去り、世界の時価総額トップ10企業入りを果たし、現在は時価総額世界第7位にまで躍り出ました。(下グラフの赤線) グラフ:2000年から2020年の世界トップ10企業の時価総額推移(Excelで作成)。月次、米ドルベース。サウジアラムコはデータ未入手のため除外しています。また

        • 【イオン】第5回 稼ぎ頭の金融事業は、どんなサービスをしているのか?

          イオングループの金融事業は、第1回の記事でも紹介した通り、グループの3分の一の営業利益を稼ぐ基幹事業です。しかし、金融事業がどんな仕事をしているのかは、スーパーマーケット事業などよりイメージが付きづらいのではないでしょうか? 今回は、イオングループのこれまでの拡大とこれからの成長に欠かせない、金融事業を紹介していきます。 1.イオンの金融事業は、何をしているの?イオンの金融事業は、イオンフィナンシャルサービス(AFS)がほぼ担っている イオンの金融事業はイオンフィナンシ

        【テンセント/Tencent/腾讯】なぜ中国ではiPhoneよりWeChatを選ぶのか?

        • テンセントの時価総額と決算をFacebookやLINEと比べてみる【ゼロから学ぶ中国企業】

        • ゼロから学ぶ中国企業【テンセント Tencent】 第1回 テンセントって何をしている会社?

        • 【イオン】第5回 稼ぎ頭の金融事業は、どんなサービスをしているのか?

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        • ゼロから学ぶ企業マガジン テンセント(Tencent)
          3本
        • 会社を学ぶマガジン
          16本

        記事

          【イオン】第4回不動産デベロッパー事業がイオンの利益を支えている

          イオンの第4回は、利益の柱でもあるデベロッパー事業を紹介していきます。イオンのデベロッパー事業は、ほぼイオンモール1社が担っています。このため、イオンモールのアニュアルレポートを見ながらその事業内容を見ていきましょう。 1.イオンモールって何をしている会社? ショッピングセンターの開発と管理運営をしている イオンモールは不動産ディベロッパーと呼ばれる業種であり、ショッピングセンター(以下SC)の開発と管理運営を行い、テナントから家賃収入と管理手数料をもらうことを仕事として

          【イオン】第4回不動産デベロッパー事業がイオンの利益を支えている

          アパレル業界の流れの中の、不動産ディベロッパーのお仕事をイラストで説明します

          今回は、次回紹介予定のイオンモールに先立ち、不動産ディベロッパー業界、その中でも商業施設(ショッピングセンター)ディベロッパーのお仕事を簡単に紹介します。 今回の対象業種 この記事の対象は、「不動産業」の中の、商業施設ディベロッパーと呼ばれる業種を対象としています。今回は、マンションやオフィスビルを開発するディベロッパーとは区別しています。 商業施設ディベロッパー:ショッピングセンターに代表される商業施設を対象とします。所有する建築物の全部または一部を店舗用として賃貸し

          アパレル業界の流れの中の、不動産ディベロッパーのお仕事をイラストで説明します

          【イオン】第3回 なぜSM(スーパーマーケット)事業は20年で10倍の規模になったのか?

          上の写真にあるすべてのスーパーが、今やイオングループであることをご存知でしょうか?  かつて日本一のスーパーであったダイエーも、2014年にイオンの完全子会社になりました。昔を知る人からすれば、ジャスコ(今のイオン)がダイエーを飲み込むことになろうとは、思わなかったでしょう。 イオンのスーパーマーケット事業(以下SM事業)(*1) は、この20年で大きく拡大し、本業のGMS事業と同規模にまでなりました。それはなぜ、どのように起こったのでしょうか? SM事業の仕事内容

          【イオン】第3回 なぜSM(スーパーマーケット)事業は20年で10倍の規模になったのか?

          【イオン】第2回 GMS事業は、シェア1位なのに、なぜ低い利益率から抜け出せないのか?

          イオングループを読み解く、第2回以降は、グループを構成する各事業の仕事内容や、決算を詳しく見ていきます。今回は、イオンの本業とも言えるGMS事業を紹介します。 1.イオンのGMS事業は、何をしているの?GMSは総合スーパー。「AEON」ブランドを運営している。 GMS (General Merchandise Stores) とは総合スーパーとも呼ばれる、米国で発達した小売業態の1つです。食品スーパーと比べて、食料品はもとより、日用品や衣料品、家電製品など幅広い商品を取り

          【イオン】第2回 GMS事業は、シェア1位なのに、なぜ低い利益率から抜け出せないのか?

          【イオン】第1回 日本最大の総合小売企業はどんなビジネスをしているのか?

          私にとって、イオンというのは不思議なお店です。学生の頃、地元では普段しばしば使うものの、特にファンというわけでもない、そんなお店でした。 企業としても、私には不思議なことがあります。今や、イオンは日本最大の総合小売企業です。営業収益(売上)は8兆円を超え、多くの人が利用しています。しかし、セブン&アイホールディングスとよく比べられますが、営業利益の額は約2100億円(利益率2.5%)、最終利益は750億円ほど(利益率0.9%)と規模の割に大きくはありません。 店としても、

          【イオン】第1回 日本最大の総合小売企業はどんなビジネスをしているのか?

          【セブン&アイホールディングス】第2回(全2回) 好調のセブンイレブンは次の未来を描けるか

          第1回で紹介したように、セブン&アイの主力であるセブンイレブンは日本と世界で1番利用されているコンビニです。2020年2月期も増益と、好調を維持しています。 しかし一方で、24時間営業問題や、オムニ7の見直し、7payのサービス停止といった問題も、近年耳にするようになりました。 今回はこのセブンイレブンを中心に、セブン&アイがどのくらい大きな会社なのか?、どのくらいもうかっているのか?、を決算の数字と共に紹介し、その強さの理由から、近年の問題までを紹介したいと思います。

          【セブン&アイホールディングス】第2回(全2回) 好調のセブンイレブンは次の未来を描けるか

          【セブン&アイ・ホールディングス】第1回 世界一のコンビニが支える総合小売企業

          今の日本で、なくなると1番不便になる会社、それはセブン&アイ・ホールディングス(以下セブン&アイ)ではないでしょうか? 今回は、国内での1日の来店客数2400万人という、この日本最大級の小売企業である、セブン&アイを紹介します。 1.セブン&アイ・ホールディングスって何をしている会社?コンビニ、スーパー、百貨店などを含む多業態の総合小売企業 セブン&アイは、食品スーパーのイトーヨーカドーから始まった会社です。現在は、コンビニエンスストアのセブンイレブン。総合スーパーの

          【セブン&アイ・ホールディングス】第1回 世界一のコンビニが支える総合小売企業

          アパレル業界の流れの中の、百貨店のお仕事をイラストで説明します

          こんにちは、マナビです。 今回も、次回紹介予定のセブン&アイホールディングスに先立ち、百貨店業界のお仕事を簡単に紹介します。現在の百貨店は、衣料品の販売が大きな割合を占めていますので、アパレル業界の流れの中で、百貨店の仕事がどの部分かを紹介したいと思います。 なお、日本の代表的な百貨店は、三越伊勢丹ホールディングス、Jフロントリテイリング(大丸、松坂屋)、高島屋などが挙げられます。 業界ごとの流れを記事にする理由 「会社を学ぶマガジン」の中で、各会社の仕事や規模、利益

          アパレル業界の流れの中の、百貨店のお仕事をイラストで説明します

          スーパーマーケット業界の流れとお仕事をイラストで説明します

          こんにちは、マナビです。 今回も、次回紹介予定のセブン&アイホールディングスに先立ち、スーパーマーケット業界の流れとお仕事を簡単に紹介します。あわせて、GMS(総合スーパー)と食品スーパーとの違いについても触れたいと思います。 食品スーパー: 主に食料品を取り扱う専業スーパーのこと。もともとの特徴は、個人経営の八百屋、魚屋に比べて、多品種の食料品を1つの店舗で取り扱い、一括仕入れにより低価格を実現することで世界中で発展した。 GMS (General Merchandi

          スーパーマーケット業界の流れとお仕事をイラストで説明します

          コンビニ業界の流れとお仕事をイラストで紹介します

          こんにちは、マナビです。 今回は、次回紹介予定のセブン&アイホールディングスに先立ち、コンビニエンスストア業界の流れとお仕事を簡単に紹介します。初めてですが、インフォグラフィックも作成してみました。 業界ごとの流れを記事にする理由 今書いている「会社を学ぶマガジン」の中で、各会社の仕事や規模、利益などを紹介しています。その時、毎回業界の説明が重複してしまい、冗長になってしまうと感じました。 そこで、業界ごとにその流れや特徴を、別記事で書いてみました。 コンビニエンス

          コンビニ業界の流れとお仕事をイラストで紹介します

          「会社を学ぶ」ための記事を書こうと思った理由

          はじめまして、マナビといいます。 会社を学ぶマガジンという名前で、記事を書き始め、ようやく4つほど記事を書き上げました。 今回は、noteで生まれて初めて記事を書き始めた理由を書いておこうと思います。 はじめは、決算を読む!という本やセミナーの実践のため 決算が読めるようになる!という本やセミナーは多いですが、それを読んでも、その後結局実践していないのが悩みでした。 記事を書くことで、実践の習慣を作ろうと考えたのがきっかけです。 自分がある程度実践の習慣がついてきた

          「会社を学ぶ」ための記事を書こうと思った理由

          【丸井グループ】「小売×金融」の会社が描く、新しい小売の形

          もうずいぶん前のこと、田舎から上京した私には、マルイはファッション意識の高めな10代20代が来る場所でした。その後は生活で関わることもありませんでした。 今回の記事に丸井グループを選んだ時は、百貨店業界も縮小しているし、ビジネスも大変だろうと、勝手に思いながら調べ始めました。 しかしその予想は裏切られ、今回は、丸井グループという会社が百貨店業界の中でいかに個性的かを紹介することになります。同業に先駆けて、早々に百貨店を脱したどころか、デジタルネイティブ時代の小売の新しい形

          【丸井グループ】「小売×金融」の会社が描く、新しい小売の形