アパレル業界の流れの中の、不動産ディベロッパーのお仕事をイラストで説明します
今回は、次回紹介予定のイオンモールに先立ち、不動産ディベロッパー業界、その中でも商業施設(ショッピングセンター)ディベロッパーのお仕事を簡単に紹介します。
今回の対象業種
この記事の対象は、「不動産業」の中の、商業施設ディベロッパーと呼ばれる業種を対象としています。今回は、マンションやオフィスビルを開発するディベロッパーとは区別しています。
商業施設ディベロッパー:ショッピングセンターに代表される商業施設を対象とします。所有する建築物の全部または一部を店舗用として賃貸し、借主から賃料を得る事業を主要業務とする企業のことです。
代表的な企業
日本の代表的な商業施設ディベロッパーと言えば、「ららぽーと」「三井アウトレットパーク」を運営する三井不動産、「PARCO」を運営するJフロントリテイリング、「イオンモール」を運営するイオンなどが代表的です。その他、JRや東急なども、駅直結型の商業施設を運営しています。
関係する業界
ショッピングセンターは、商品やサービスの販路として、アパレル、食品、サービスなどいろいろな業界と関係します。今回は一例として、アパレル業界の流れの中で、商業施設ディベロッパーの仕事がどの部分か見ていきたいと思います。
1.不動産ディベロッパーの仕事の範囲
商業施設ディベロッパー(ショッピングセンター)のお仕事
(Canva で作成)
不動産ディベロッパーの仕事は「店舗」に関わること
不動産ディベロッパーは、アパレル業界の大きな流れの中で、イラストの網掛けの部分が主な仕事です。大きな流れの中では一部、「店舗」に関連することだけを専門にしています。
具体的には、店舗(SC※)を企画する。土地を用意して建物を建てる。魅力的なテナントを選ぶ。店舗(SC)がオープンしてからは、店舗(SC)の管理と、集客のための宣伝やイベント企画などを行います。
※SC:ショッピングセンターの略
テナントの中の仕事は行わない
商品を決め、仕入れ、接客をして販売する。これらは基本的に、不動産ディベロッパーは行いません。この辺りは、テナントとして入った企業の従業員が行います。この点は、百貨店や、スーパーマーケットを運営する企業とは異なる点と言えます。
2.不動産ディベロッパーの仕事の内容
店舗開発
ショッピングセンターの重要な仕事と言えば、店舗開発です。まずは土地を見つけ、どんな店舗にするか?の企画を立てます。近年の大規模ショッピングモールは、もはや店舗づくりというよりも「街づくり」です。
集客力だけでなく、10年後、20年後の地域社会や、環境にも配慮した「街づくり」が求められます。
企画が通った後は、許認可の取得などの沢山の手続が待っています。そして、建設の発注、建設の工程管理を経て、ようやく完成に至ります。企画開始から完成までは、5~6年、長ければ10年かかることもあるそうです。
テナントを選ぶ(リーシング)
(ららぽーとTokyo BayのHPより。テナントの一例)
店舗に入れるテナント(お店)を選ぶことは、ショッピングセンターの集客力を決める重要な要素です。時代や地域に合わせて、お客のニーズをとらえたテナントを入れ替えていきやすいのも、ショッピングセンターの強みです。
ファッション、飲食だけでなく、娯楽施設や、サービス店など、様々なテナントを探して入居の交渉を行います。近年の大規模ショッピングセンターでは、テナント数が300を超えており、まさに一つの巨大な街と言えます。
店舗を管理する
(左:イオンモールHP、右:ららぽーとHPより)
商業施設ディベロッパーの基本となる仕事が店舗管理です。巨大な店舗施設の稼働状況、温度管理、駐車場誘導や清掃や警備などを行います。差別化の要因にはなりづらいですが、外すことのできない基礎業務です。
また、ディベロッパーが地域でのマーケティングや店舗全体でのイベント企画なども行うこともあります。
3.まとめ
商業施設ディベロッパー(ショッピングセンター)の仕事は、「店舗」を創り、運営することに特化しています。大規模なショッピングセンターづくりは、まさに街づくりです。地域の暮らしを支える存在としてますます重要になっていると言えます。
おまけ:SCの規模を街と比べてみる
銀座(左)と、イオンモール幕張新都市(右)
(google mapより)
大規模化により、もはや街作りになったショッピングセンターですが、実際どの位大きいのでしょうか?
写真は日本最大級のショッピングセンターである、イオンモール幕張新都心と、銀座を同じ縮尺で並べたものです。イオンモールの敷地面積は192,000㎡あります。これは、銀座三丁目と四丁目がちょうどすっぽり入る位の面積です。(写真のピンクの部分)
こう考えると、ショッピングセンターが、「まちづくり」という事がより実感できるのではないでしょうか。
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