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【南米旅行115日目】2022年8月5日 まさかの2日間連続で犬に噛まれる!!!もうヤダ!!!


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狂犬病に感染していないかとにかく不安



いつも通り6時半に目が覚める。
そのワンシーンだけ切り取ればいつもと何ら変わらない日常だが、「人生で初めて、しかも南米で野犬に噛まれてしまった」という事実を思い出すだけでかなり憂鬱な気持ちになる。



いくらCarmenが問題ないと言っても心の不安が消えることはない。
血も出てないし傷もないけど、狂犬病になってしまう可能性は決してゼロではない。このまま放置して大丈夫なのか?無理矢理にでも病院に行ってワクチンを打ってもらうべきではないのか?



様々な不安が頭をよぎるが、見知らぬ土地で起こってしまった思わぬ事態に一人だけで悶々と悩んでいても何の進展もない。せめて他のボリビア人にも意見を求めてみよう。そう自分を奮い立たせ、見た目は何もなかったかのようにいつも通り7:30に家を出てcentroへ。



ボリビア人に質問!野犬に噛まれたらみんなどうしてるの?



学校へ着くなり、色んな先生に質問を浴びせてみた。



今までに野犬に噛まれたことある?
犬に噛まれた後病院に行った?
Sucreで狂犬病ワクチンを打つことはできるの?



大体の返答はCarmanと似たり寄ったりだった。



犬に噛まれたことはあるけど、特に病院には行かずに消毒しただけ。
基本的にほとんどの野犬が狂犬病ワクチン接種済だから、噛まれたところで特に問題ない。




多分、私は無意識のうちに誰か一人でもいいから「病院に行ったほうがいいよ」とか「ワクチンあるよ」とかいう前向きな解答を現地人に求めていたのだろう。狂犬病を阻止するために何か行動に移したほうがいいよ、というアドバイスを得ることで少しでも精神的に安心したかったのだろう。



ところが病院に行くべきだと言ってくれたのは一人だけで、学校が終わった後もカフェの店員とかにひたすら聞きまくったけど、みんなあっけらかんと何もしなくても大丈夫だよという意見の人がほとんどだった。最初の方は何が何でも病院に行くぞという前提の元で聞いていたが、あまりにもみんな病院なんぞいく必要ないと言うので、だんだん「そんなにたくさんの人が大丈夫って言うならまあいいか。私の気にしすぎか」と流されてしまっている自分がいた。




いや、大丈夫なワケないって自分。
しっかりしろよ自分!!!



そんな私の思いとは裏腹に、centroでは週末の記念日に向けてあちこちでパレードが行われている。実は8月6日はボリビアがスペインから独立した記念すべき日なのだ。この記事の趣旨とは少し外れてしまいそうなので、別記事にしてみました。よかったらご覧ください。



不安な思いは消えないままに、学校の宿題を終えてcentroで一人で夜のパレードを見た。実はCarmenと一緒に見る約束をしていたのだが、彼女は彼女で職場の同僚たちとの集まりがあるとか何とかでさっそうと人混みに消えてしまった。タイミングが悪いことに、野犬に噛まれた翌日に一人で家に帰らなければいけない状況になってしまった。。夜の方が犬の行動が活発で危ないのに。。。




そして悲しいことに、その不安は当たってしまったのである。



飼い犬に背中をガブリとやられる





centroから何とか犬を避けながら歩いて、ここさえ通ればもう家にたどり着くぞという所で、前方を確認したところ3匹の犬が視界に入ってきた。


マジか。。。家までは本当にすぐそこなのに、なんでこうなるの。



こちらがガン見してしまったので当然返ってくる厳しい視線。
相手は完全に私をロックオン。やばい、長い時間視線を送りすぎた。
どうしよう、逃げるべきか。進むべきか。そんな悠長なことを考えている間にも犬たちはワンワン吠えて次々にこっちに向かってくる。



この一件から既に3日は経っているけれど、未だにこの時の恐怖感は忘れられない。上手く言葉に表すことができないのだが、やばい、本当にやられる!!!というおぞましい恐怖が、ほんの一瞬だが脳裏に突き刺さるような衝撃を与えてきた。



細かいことを考える余裕もなく、すぐに犬に背を向けて逃げようとした。
たまたまリュックを前に背負ってしまっていたので、背中はガラ空き。
3匹のうち1匹に背中をガブリとやられてしまった。
存在が分からない状態でいまいち噛まれたという実感もなかった昨日と違い、今回はしっかり追っかけられて、その上歯が皮膚に食い込む感触までバッチリ脳に焼き付いてしまった。



なんでこんなにツイてないの?
なんでよりによって2日間連続で犬に噛まれなきゃいけんのや。
確かに犬をガン見しすぎてしまった自分も少しは悪いのかもしれないけど
でも私は本当に何もしてない。
どうしよう、今度こそ本当に病院行ってワクチン打たなきゃ。。。



色んな後悔と不安が頭をよぎり、噛まれたショックで腰が抜けしばらく立ち上がることができなかった。腰が抜けたと言うよりも、犬がまた襲ってくるかもしれないという恐怖で身体が張り付いて一切動くことができなかった。
私は相当大声で悲鳴をあげていたのか、近くの住民が何が起こったと言わんばかりにかけ寄ってきた。その中に飼い主らしき人もいて、彼らが追い払ってくれたおかげで何とか第二撃は食らわずに済んだ。


飼い主自身に責任追求するも。。。




情けない姿で地面にへたり込みながら、何も考えられずただ一部始終を傍観していたが次第に意識が戻ってきた。よく考えたらあいつら飼い犬やん。
てことは飼い主に保護責任がある。野犬に噛まれても誰を責めることもできないけど今回は少なくともこの不満をぶちまける先はあるってことだ。
そんなことを冷静に考えてたらだんだんムカついてきて、まだ全身震えてたけど何とか重い腰を上げて飼い主に責任追求してみた。



何で自分ん家の飼い犬をちゃんと保護せんの?
あんたの犬のせいでこっちはめちゃくちゃ被害被ってるんやけど
どう責任とってくれんの?



それに対し飼い主は、ワクチン打ってるから大丈夫、傷は浅いから問題ない、頼むから分かってくれよの一点張り。いや、分かってくれよはむしろこっちのセリフなんですが。




悲しいかな、こちらの怒りは驚くほどに伝わらない。
私の数少ないボキャブラリーでは言いたいことの10%も言えないのがもどかしくて、それが余計イラ立ちに繋がった。スペイン語が貧相な私が何をどう言ったところで伝わるものでもない。ましてや彼らの文化に飼い主だから自分とこの犬が他人に迷惑かけた時に責任を取らなきゃいけないなんていう概念はないのだ。まだ身体が若干震えた状態で10-15分話した記憶があるけど、結局何の収穫もないまま途方に暮れてそのまま帰宅するしかなかった。




まずは家で応急処置



帰宅して自分の部屋に入ると、急に緊張が切れたようにどっとベットに倒れ込んだ。狂犬病に感染しているかもしれないという恐怖感に比べたら傷自体の痛みは些細なものだったけど、それでも地味に背中がズキズキと痛む。昨日噛まれた時は痛みも傷もほとんどなかったけど今回はしっかり痛みもあるし多分傷もあるだろう。どうしよう、一刻も早く病院に行かないといけない。頭では分かっていたけど、私一人で行ったところで事の一部始終をちゃんと説明できる自信もない。帰宅した時点で既に22時前、そもそもこんな時間に病院開いてるんか?




頭の中が情報過多すぎて、もう何も考えられない。疲労感がどっと押し寄せて来たのか、ベッドにうつ伏せに寝たまま起き上がれない。どうせ一人では何もできないしもうこれ以上動く気力もない。とにかくCarmenが帰って来るまで待とう。





15分ぐらいしてやっとCarmen帰宅。
まだ起き上がる気にもなれず、ベッドに突っ伏したまま彼女に事の次第を説明する。とにかくまずは背中の傷を消毒しようということになり、気休めかもしれないが日本から持ってきた消毒液を背中に塗ってもらった。




消毒液を塗ってもらいながら、同時に少しずつ冷静になってきた。
とにかく明日の授業は休むしかないと思い、早速学校のオーナーFernandoに犬に噛まれたことと休みたい旨を伝えた。まずは一刻も早くワクチンを打ってもらう必要がある。もしSucreの病院になかったらLa Pazまで行って打ってもらうしかない。そうなるとまずLa Pazでワクチンを扱っている病院があるのか探さないといけないし、最速で金曜の夜行バスでLa Pazに行って、土曜に打ってもらってまた帰ってきて。。そんなシミュレーションを頭の中でぐるぐると浮かべていた。正直その時はあまりに必死すぎて、消毒液を塗ってもらっている間Carmenに話しかけられても全く頭に入ってこなかった。




時刻は23時。正直こんな遅い時間に病院まで着いて来て欲しいと言うのも若干気が引けたが、それでも彼女なしでは何も出来ないので頼むと快く一緒に行こうと言ってくれた。いい人で本当に助かった。



何を言っても分かってくれない飼い主にイライラ



病院に行く前に今回の諸悪の根源、犬の飼い主の家に行きもう一度面と向かってクレームを入れてみた。今度はCarmenがちゃんと抗議してくれたのでこちらが言いたいことはほぼほぼ言い切ったが、Carmenを持ってしても全く理解してくれないようだった。全てのやり取りを正確に理解した訳ではなかったけど、大体の内容はこんな感じだ。



あんた達にとっては日常茶飯事でも、外国人にとっては犬がいる道を歩くなんて慣れていないんだから責任とってよ。大体あんたんとこの飼い犬ちゃんと狂犬病ワクチン打ってるの?ワクチン証明書見せなさいよ。



こっちがどれだけ抗議しても全く意に介せず、完全にのれんに腕押し状態。
彼らの会話の細かい意味は分からなくても、飼い主の態度で「あーこいつら全然反省してねーな」ってことだけは容易に伝わってきた。飼い犬にちゃんとワクチンを打ったという証明書があるらしく、それを見せるよう要求したけどどれだけ説得しても見せてくれない。最初の方はまだこちらの話を聞いてくれていたけど、最後の方になると面倒くさくなってきたのか家の中に引っこんでしまった。



これ以上話が通じない奴らと言い合っても無駄だということになり、ようやく病院に行くことに。しかし、これからが長い夜の始まりだったのである。


↓↓↓南米旅行115日目 Part2に続く↓↓↓




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