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  • 大学院課題(英語論文例)

    イギリスの大学院時代に課題のために書いた論文を掲載しています。ご参考までに。

最近の記事

国連本部でインターンする方法

今回はニューヨークの国連本部でインターンする方法を簡単に解説します。国際政治や国際協力に関心がある方の中には、国連のインターンを希望する方も多いのではないしょうか。ただ、実際の応募方法を知らない人も多いと思います。 今回は国連本部でインターンする方法を大きく3つに分けて解説します。「メリットと注意点」、「応募の流れ」、「Q&A」です。ぜひ関心がある方は、実際に応募してみてください。(なお、国連事務局のインターンの解説です。他の国連関係機関もインターンを募集していますが、応募

    • 【大学課題例】安全保障のジレンマの回帰分析(英語論文サンプル)

      下記は、イギリスの大学院で課題用に書いたエッセイです。大学院に通っている方、又は通う予定の方に参考になれば幸いです。(改めて読み返すと修正すべき点が多々あるのですが、参考になるよう、修正せずに掲載します。) 課題 データ分析のコースの課題です。冷戦後のインド太平洋地域における安全保障のジレンマについて、重回帰分析を行いました。 Analyze a public policy issue using regression analysis. (2,500 Words)

      • 【大学院課題例】イエメンの内戦(英語論文サンプル

        下記は、イギリスの大学院で課題用に書いたエッセイです。大学院に通っている方、又は通う予定の方に参考になれば幸いです。(改めて読み返すと修正すべき点が多々あるのですが、参考になるよう、修正せずに掲載します。) 課題 下記は「International Policy Framework」というフレームワークに基づいて、国連事務局長宛に政策文書を提出する課題です。対象国は自由でしたが私はイエメンを選びました。二つのセクションに分かれており、一つ目が要約した文書で二つ目が背景など

        • 【大学院課題例】 自律型部隊(ロボット軍)の調達予算(英語論文サンプル)

          下記は、イギリスの大学院で課題用に書いたエッセイです。大学院に通っている方、又は通う予定の方に参考になれば幸いです。(改めて読み返すと修正すべき点が多々あるのですが、参考になるよう、修正せずに掲載します。) 課題 下記のトピックについてSWOT分析をする課題でした。 Increasing the procurement defence budget for autonomous combat units (robot army). エッセイ Objective:

        国連本部でインターンする方法

        • 【大学課題例】安全保障のジレンマの回帰分析(英語論文サンプル)

        • 【大学院課題例】イエメンの内戦(英語論文サンプル

        • 【大学院課題例】 自律型部隊(ロボット軍)の調達予算(英語論文サンプル)

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        • 大学院課題(英語論文例)
          5本

        記事

          【大学院課題例】自由主義的国際秩序を維持する3つの方法 (英語論文サンプル)

          下記は、イギリスの大学院で課題用に書いたエッセイです。大学院に通っている方、又は通う予定の方に参考になれば幸いです。(改めて読み返すと修正すべき点が多々あるのですが、参考になるよう、修正せずに掲載します。) 課題 安全保障のコースで、下記のトピックについて政策文書(Policy Paper)を書く課題です。フォーマットが細かく決まっていて、特に「誰でも読めるように」と指示がありました。したがって、できるだけ簡単な単語で、基本的な背景から説明しています。 Joseph B

          【大学院課題例】自由主義的国際秩序を維持する3つの方法 (英語論文サンプル)

          【大学院課題例】 国際法と国益の関係とは?(英語論文サンプル)

          下記は、イギリスの大学院で課題用に書いたエッセイです。大学院に通っている方、又は通う予定の方に参考になれば幸いです。(改めて読み返すと修正すべき点が多々あるのですが、参考になるよう、修正せずに掲載します。) 課題 下記が課題です。これは外交のクラスの課題でしたが、問いが曖昧でした。したがって、まずは問題の定義から始めています。次に、国際関係論の3つの理論から見た「国益」を論じ、最後に中国の南シナ海問題をケーススタディーとして取り上げました。 To what extent

          【大学院課題例】 国際法と国益の関係とは?(英語論文サンプル)

          「パレスチナは国家である」 YES? NO?

          突然ですが、問題です。 「パレスチナは国家である。」YES? NO? この問題に即答できる方は、国際政治のプロと言って良いでしょう。非常に難しい問題です。今回は国際法の側面から見た「パレスチナ問題」について投稿します。 パレスチナは国家か?パレスチナは「国家である」と言えるのでしょうか。以前、「独立国家を創るための5つの要素と4つの能力」を投稿しました。 国際法上、「国家」の要件は1993年に署名されたモンテヴィデオ議定書(国家の権利および義務に関する条約)で示されて

          「パレスチナは国家である」 YES? NO?

          国際関係論を学ぼうと思っている方、または関心がある方向けに、国際関係論について簡単に紹介しました。国際関係論の理論である「リアリズム」と「リベラリズム」の違いについても紹介しています。 https://youtu.be/J8xV2JF4MQY

          国際関係論を学ぼうと思っている方、または関心がある方向けに、国際関係論について簡単に紹介しました。国際関係論の理論である「リアリズム」と「リベラリズム」の違いについても紹介しています。 https://youtu.be/J8xV2JF4MQY

          民主主義は本当に優れているのか?歴史の終わり?

          近年、民主主義は危機に瀕していると言われています。スウェーデンの調査機関V-Demによると、2019年の民主主義国・地域は世界に87です。しかし、非民主主義は92です。2020年に民主国家に暮らす人は世界の46%です。下記のグラフの通り、民主主義が18年ぶりに非民主主義の勢力を下回っています。つまり、世界的に民主主義が後退しています。 コロナ禍は民主主義にさらなる試練を突きつけています。 一時期前、私たちの多くは時間さえ経てば、世界が当然のように民主化に進むと考えていまし

          民主主義は本当に優れているのか?歴史の終わり?

          人命を救うための武力行使は許されるのか?

          以前、国連について投稿した際に「保護する責任(R2P)」に簡単に記載しました。議論の要点は「人命を救うための武力行使は許されるのか?」という問題です。今回は「保護する責任」について詳しく取り上げます。 保護する責任とは何か?保護する責任とは、「国家は自国民を保護する責任があり、その責任が果たせない時は国際社会に保護する責任があるとする概念」です。特定の国家が保護する責任を果たせない場合は、国際社会による武力行使まで想定されています。 これまで国連を中心に議論・実施されてき

          人命を救うための武力行使は許されるのか?

          安全保障協力の4つの方法:「同盟」から「戦略的パートナーシップ」まで

          2000年代に入り、国家間の安全保障協力の方法が多様化しつつあります。特にインド太平洋地域の安全保障協力は多層化しています。今回は4つの安全保障協力の方法について投稿します。 国家間の提携(アライメント)国家間の安全保障協力関係の構築を「提携(Alignment)」と言います。国際政治学者のトーマス・ウィルキンズ氏によると提携には、大きく分けて4つの方法があります。「同盟(Alliance)」、「連合(Coalition)」、「安全保障共同体(Secuirty Commun

          安全保障協力の4つの方法:「同盟」から「戦略的パートナーシップ」まで

          2つの米中危機はなぜ起きたのか? キッシンジャーと中国

          米国の著名な元外交官であるヘンリー・キッシンジャーは先月、次のように語りました。 「アメリカと中国はいま、ますます衝突に向かっており、対立的な外交を展開しています。危険なのは、なんらかの危機がレトリックを超えて、実際の軍事衝突に発展するかもしれないことです」 バイデン大統領の下で米中関係は改善するとの見方があります。しかし、米シンクタンク(CSIS)の調査によると、「米国にとっての最大の脅威」として、「中国」を選んだ米国民は54.2%に上ります。つまり、米国世論の対中認識

          2つの米中危機はなぜ起きたのか? キッシンジャーと中国

          アジア版NATOは可能か?SEATOから何を学べるか?

          菅総理は10月21日の会見で「インド太平洋版のNATO(北大西洋条約機構)をつくる考えは全くない」と言明しました。 クアッド・プラス上記は、10月6日の第二回日米豪印外相会合(クアッド)に対する中国の反応を意識した発言です。この時、Newsweekは次のように「アジア版NATO」と報じています。 クアッドは米国、日本、オーストラリア、インドの4か国が、インド・太平洋地域での中国牽制を意図した協議体で、米国はさらに連携を強化し、アジア版NATO(北大西洋条約機構)とも言える

          アジア版NATOは可能か?SEATOから何を学べるか?

          日本の国益って何?

          先月、自民党の二階幹事長が中国の習近平国家主席の国賓来日について次のように述べました。 「反対する人もいるが、賛成する人も多くいる。国益を中心に考えるべきだ。」 また、立憲民主党の枝野氏は大統領選の結果を受けて、「日本の国益を最大化するのが政治の仕事だ」と述べました。 ここで言う「国益」とは何でしょうか。「国益」という言葉は頻繁に使用されていますが、改めて問い直すと答えが簡単に出ない曖昧な言葉です。 日本の国益とは?まず、日本の国益とは何でしょうか。端的に言うと、日本

          日本の国益って何?

          リベラルの変化と危機:リベラル国際主義とは何か?

          バイデン氏が当選しました。早速、バイデン氏は民主党支持者に「相手を敵のように扱うのはやめねばならない。同じ米国人だ」と訴え、分断された米国の統合を訴えています。 また、産経新聞によると今後の米国の外交政策についてバイデン氏は次のように主張しています。 バイデン氏はまた、「再び米国を世界中から尊敬される国にする」と約束した上で、「米国は世界の灯台だ。模範としての力によって(世界を)導いていく」と強調した。 これは「リベラル(自由主義的)国際主義」を意識した発言です。 今

          リベラルの変化と危機:リベラル国際主義とは何か?

          国際慣習法とは何か? 毛布を送らないのは国際法違反?

          以前、ブレグジットと国際法の関係について投稿しました。国際法には「条約」と「国際慣習法」があります。国際慣習法は、国家間の暗黙の合意であり、文書として記されない「不文法」です。今回は「国際慣習法」の基礎と課題を投稿します。 毛布を送らないことは国際慣習法違反なのか? まず、下記の例を考えてみましょう。 過去100年間に渡り、世界の95%の国が「A国」に対し、毎年12月31日に「毛布」を送っていた。A国は貧しい極寒の地だった。そこで各国は善意の気持ちでA国に毛布を寄贈してい

          国際慣習法とは何か? 毛布を送らないのは国際法違反?