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| めがねと暮らす |             谷口眼鏡の作り手紹介 vol.02

谷口眼鏡で働く作り手たちや暮らす地域を紹介する企画「めがねと暮らす」。今回紹介するのは、あわら市出身の職人、末富大貴さん。建築業界の施工管理からめがねの業界への門を叩き、職人の道へ。めがねづくりを「難しいほど楽しい」と語る末富さんは、職人として活躍しながら、イベントを通して積極的にユーザーとの交流も深めています。末富さんが目指すのはどんな職人なのでしょうか。


細やかな技術と広い視野を大切に。
目指すのはものづくりを外に伝える職人。

イラスト

末富大貴さん(29歳)

細かい手仕事にあこがれて

福井県の北、あわら市出身の末富さんは建築デザインを学ぶため、京都の大学に進学。卒業後は石川県の住宅リフォーム専門の会社で 施工管理の仕事をしていました。施工管理は現場で指示を出すことが仕事ですが、次第に職人にあこがれを持つようになっていきます。「自分は指示を出すよりも手を動かすことが好きなんだと感じるようになりました。細かいものを作るのが好きで、大学の時もみんなは1/50の大きさで建築模型をつくるところを1/100の大きさでつくったりしていたんです。建築は大きなものを作りますが、もっと身近で細かいものをつくる仕事をしたいと考えるようになりました」。もともと福井で働きたいという思いもあった末富さん。自分のやりたいことと地元に貢献できる産業を探していた時にたどり着いたのが「めがね」でした。
 
早速「めがね 職人 福井」など思いつくキーワードで検索したところ、出てきたのはめがね職人の記事。そのなかで気になった会社が谷口眼鏡でした。会社のことを紹介する動画や商品を調べていくうちに、めがねの仕事に対する関心がさらに高まったといいます。「職人は高齢の人が多いイメージでしたが、若い人も多いのが意外でした。動画を見ると作業場も広くてきれいなので、仕事がしやすそうだなと思いました」。すぐに問い合わせたものの、この時は職人募集をしていなかったそう。それでもあきらめきれなかった末富さんは求人が再開するまで半年待ち、2019年1月に谷口眼鏡に入社しました。

技術以外にも大切なことはたくさんある

「細かい作業が好き」というだけあって、めきめきと腕を上げていく末富さん。「蝶番をつけたり刻印を打ったり、微妙な力加減で仕上がりが大きく変わるので難易度の高い作業も多いです。でも、難しければ難しいほど楽しいですね」。ただ質の高いもの作るだけではなく、時間や効率も職人として大切なポイント。「作業を何人かで分担する時も前の工程からスムーズに引き継げるよう準備を整えたり、仕事量が一人に偏らないよう調整したりと、周りを見て仕事をすることを心がけています。もしかすると、それは前職の施工管理の経験が活きているのかもしれません」。最近では部品を発注する業務も担当することになり、外部の人とかかわる仕事も任されるなど少しずつ仕事の幅が広がっています。

ユーザーの声がものづくりの力に

さらに末富さんにとって楽しみの一つが、イベントで一般のお客さんと接すること。会社がある鯖江市では、毎年めがねをテーマにしたイベント「めがねフェス」や「RENEW」というものづくりイベントが行われます。普段は接することのないユーザーの方にものづくりの様子を見学してもらったり、商品の手にとってもらったり。直接感想をもらえることが、ものづくりの大きなやりがいにもつながっているといいます。「谷口眼鏡のめがねはかけごこちを追求していますが、そのために工夫していることを職人の視点でもっと伝えたいと思っています。ものづくりの技術を高めるのはもちろんですが、積極的に外に出て交流できる職人を目指していきたいですね」と語る末富さん。今後がますます楽しみです。

作り手の一問一答 | 末富編

Q.谷口眼鏡を知ったきっかけは?
A.インターネットでめがねに関連するキーワード検索で見つけました。
 
Q.結婚していますか、もしくはパートナーはいますか?
A.最近結婚しました!
 
Q.谷口眼鏡で働きはじめて変化したことは?
A.責任感が強くなったと思います。前職より会社に貢献できている実感があり、そこが仕事のモチベーションにもつながっています。
 
Q.休日の過ごし方は?
A.カメラが趣味なので、西山公園や一乗谷朝倉氏遺跡など、県内の観光地に行き写真を撮ることが多いです。
 
Q.眼鏡業界で仕事をしたいと考えている人に一言。
A.単純作業だけど日々の積み重ねが成長につながる仕事です。手作業が好きで、めがねにも興味がある人には向いてると思います。

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