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うなずき、あいづち(傾聴・カウンセリングのポイント2)

毎週水曜日に鹿児島市で「伴走型支援者養成講座」というものをやっている、たにかつです。この講座は、主に傾聴やカウンセリングなどを用いて、困りごとや生きづらさのある方の支援を、中長期的に行う人である「伴走型支援者」を育てようとするもので、2018年の7月から開始して、途中春休みや夏休みなどを挟みながら継続して行っています。今年度は、来年の2月まで行う予定です。3月はNPOの書類が忙しいのでお休み。

この講座で教えている(「一緒に考えている」という表現の方が正確)傾聴のことについて、Noteでも公開講義のような形でお伝えしようと書いたのがこちらの第1回。

3つのポイントと書きながら、結局第1ポイントである「黙って聴く」ことについて書いていたら長くなって、次回以降に持ち越ししたのが私らしいところ。

そして、前回は6月23日に公開しており、それから1か月以上たってから2回目の公開という。現世でまたお会いできて良かったですね。

今回のポイントは「うなずく・あいづちをうつ」

日常会話でも、うなずいたり、あいづちをうったりすることはもちろんあると思うので、これを見た方は「なんでこんなことをわざわざ言うのか(言われなきゃならないのか)」と思われる方もおられると思います。

それでも、第2ポイントとしてこれをあげる必要があるのです。

傾聴の、特に、支援者が相談者さんと初めてお会いするときに、支援者が相談者の傾聴を行う目的の大きなものは、「相談者さんに、できれば緊張したり、委縮したりということなく、のびのびとお話しいただくこと」です。

相談者さんの多くは、初めて会う傾聴者(カウンセラー)に、何をどこまでどの順番で話していいものか、とても緊張して、また、傾聴者をどこまで信用していいものかを考え、こんなことを言ったらひかれてしまうんじゃないか、失礼に当たるのではないか、などなど、本当に様々なことを考えながら、私たちの前におられます。いてくださっています。

お話をしてくださる方が、十全に(とはいかないかもしれないけど)お話しができるようにするのが、傾聴者の仕事の大きな部分です。

そのあたりの心構えについてはこちらもお読みいただければと思います。

でまあ、ようやく「うなずき・あいづち」の話になるのですが、こういったことを踏まえれば、何のために「うなずき・あいづち」をするのか、ということになります。

もちろん、その人がその人の言葉で、今の状況や心境を話してくださることを支えるためです。

そのためには、私たちの「うなずき・あいづち」が、話者にどのような影響を与えているかを考える必要があります。

「カウンセラーは俯瞰的であれ」という言葉があるのですが、つまり、「自分が相手の話を聴いて、うなずいたりあいづちをうったりしている姿が相手にどのように映っているかを見れるようであれ」ということです。

こういった話をすると、カウンセラーの中には「オーバーリアクション」をすることもある、ということをおっしゃる方もおられるのですが、私は個人的には、過剰なアクションは必要ないのではないかと思っています。演技は見抜かれる、と思っているからです。

演技ではなく、本当にその人に、その人の考えや生き方、価値観を否定せずに寄り添い、自然と出てきたうなずきやあいづちがその人をどんな気持ちにさせることがあるのか、それを十分に観察し、適宜アジャストすること。

そのために、私たちが多くの「うなずき・あいづち」の引き出しを持っておくこと。

自分がなぜそのような反応をしてしまうのかについて、自覚的であること。

演技よりも大切なことがたくさんある、と、私は思っています。






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