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谷郁雄の詩のノート50

高円寺の氷川神社は天気の神様としても知られています。結婚式とか、デートとか、イベントの日の晴天を願う人たちが訪れ、願い事を書いた絵馬を吊るしていきます。氷川神社の絵馬は、お天気を占う下駄の形をしています。「脱!雨女」の絵馬が気に入って写真に収めました。梅雨の季節、氷川神社の絵馬はますます人気が出そうです。イベントのお知らせです。6月29日夜に六本木の書店「文喫」にてトークと詩の朗読を行ないます。まもなく予約が始まるようです。お時間あれば、ぜひ!



「絵馬」

さまざまな
願い事が
書かれた絵馬が
風に鳴る

みんなの願いを
叶えるには
神様
休日返上で
働かないとだめですね

ぼくの絵馬も
一つ
追加で
吊るした

「みんなの願いが叶いますように」



「迷子」

はじめての街で
道に迷って
困ったぼくは

バスを待つ
女の子に
道を訊ねた

女の子は
きょとんとした顔で
ぼくを見つめた
道を訊きたいのは
私のほうだわ

明日
一人で
韓国に帰るの



「男の子」

一人で
ずっと遠くまで
行ってみよう

立ち上がり
よちよちと
歩き始めた男の子の
一大決心

それから
どうなったか
誰も知らない

長い旅をして
恋もして
悲しみも知って

やがて
再び
よちよち歩きを
学び直すのだろう

©Ikuo  Tani  2024


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