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谷郁雄の詩のノート45

ぼくも詩を書く人間なので「詩」という言葉を見ると、ふと足を止め、しばし見入ってしまいます。ここは何のお店だと思いますか? なんと、お米屋さんでした。ご主人はヴェンダースの映画が好きなのかもしれません。「ベルリン 天使の詩」からヒントを得たのでしょうか。あの映画の原題は「ベルリンの上の空」です。ぼくは元のタイトルのほうが素敵だと思います。インスタもぼちぼちやってます。(詩集「詩を読みたくなる日」他、発売中)



「ナルコユリ」

細胞分裂
くり返し
ぐんぐん
成長中の
ナルコユリ

スニーカーも
シャツも
すぐに
サイズが
合わなくなって

ワンサイズ
上のを
買ってもらって
学校に行った

子どもの
ぼくを
重ね合わせる



「言葉」

言葉少なに
生きている人の
心の中にも
言葉は日々
芽吹いている

それは
おしゃべりな人の
言葉より
成長が遅いので

じっと
咲く日を
待っているのだ



「いやいや」

学校にも
会社にも

ほんとは
行きたく
ないのかもしれない

けれど
行きたくても
行けない人もいる

いやいやでも
一日みんなで
勉強する
仕事する

朝には
曇っていた心も
ウソみたいに
晴れてくるかもしれない

©Ikuo  Tani  2024


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