マガジンのカバー画像

朱紅・書と生き方研究マガジン

19
朱紅が主宰する「書道塾tane」、旅する書道「すみあそび」、いろいろな場所でいろいろな人と書くことで見えてきたたくさんの「生涯発達理論」を発信していきます。
運営しているクリエイター

#生涯発達

書と生き方研究所・各コースについて

書と生き方研究所・各コースについて

いよいよ1/22からスタートします。どうしても、わたしひとりではできないことがあります。たくさんの方と一緒に、広げていきたい世界があります。一緒に学んでいきませんか?

気になる講座があったら、公式LINEのチャットからお知らせくださいませ。
https://lin.ee/AyImkQHこちらからどうぞ!

「生涯発達」と「書」の関係を考える③

「生涯発達」と「書」の関係を考える③

学習意欲とは本来高いものである。「知りたい」「やってみたい」という思いはもともと備わっている。「誤学習」として、「勉強はやりたくないもの」とインプットされてしまっているに過ぎない。

支援学校の高等部を卒業し、ある施設に通っている青年、29歳。卒業してからずっと同じ施設だから10年勤めている。しかしながら、その生活ぶりは10年前から変わっていない。野球と相撲が好きでニュースも知っている。17年前に

もっとみる
「生涯発達」と「書」の関係を考える②

「生涯発達」と「書」の関係を考える②

独特の空間配置と、字のバランス。ひとつひとつの文字の向きや並び方のおもしろさ。この作品は、どうがんばっても彼にしか生み出せない。彼は、言葉を話さない。自分の名前は書ける。日常的なやりとりはある程度可能である。でも複雑で難しい指示は理解できない。小さい時は、もっと自分の世界があって、その中で泣き、喚き、葛藤し、固まり、動かなくなり、それでも発信する言葉が出てこないということに彼の母親は悩んでいた。

もっとみる
「生涯発達」と「書」の関係性を考える

「生涯発達」と「書」の関係性を考える

「全世界と匹敵するものとなった紙切れ一枚に、どのような世界を繰り広げるのか。いわば自分が創造主の立場に立たされたその畏れに、作者はおののくのです。」(石川九楊)

「人は生涯にわたって発達し続ける」と言ったのは発達心理学者のエリクソンでした。そもそも人間の成長とは、いわゆる体や脳については15歳くらいをピークに衰えていくものだと言われてきました。しかし、精神というもの、経験値というもの、そのような

もっとみる