ミンナカワイイ
好きなうちに好きにさせておくれ。
好きなものが何かわからなくなる前に。
自分も他人も変わっていく。
好きでいれるうちに。
あんなに好きだったお菓子も興味がない。
あんなに好きだったクラスメイトの声も思い出せないし、自分がどうしてそんなに好きだったのかすら覚えていない。
あのお菓子はあの人が好きだから買ってみた。そんなことも忘れてしまう。
好きな事をする行為に何故後ろめたさを感じるのか。感じさせるのか。
好きにさせてやれよ…選んで不幸になりたいんだよ。好き好んで幸せを拒絶しているやつを幸せにしようなんてエゴみてらんないんだよ。
呪いってのはあるんだよ。呪いってのは言葉の正体のひとつだ。呪いと祈りに差などないし、幸せも不幸も正体は同じ気のせいだ。
ならばせめて自分の好きな選択肢ぐらいと思うんだよ。
呼吸もできない僕は誰の意図も読み取れない。
好きも嫌いもわからなくなって匂いがしなくなって、上も下もなくなった。
かろうじて、文字が零れ落ちていたから拾い集めて組み立てた。
出来るだけ丁寧丁寧に整えたら、あのお菓子の甘い香りがした。
好きになれないからと壊さないで。
誰かに愛されるかもしれないだろう。
わからないからと無価値と思わないで。
いつか誰かの価値になるかもしれないだろう。
愛されなくても価値がなくてもいいはずなのに、愛されなさい価値を生みなさいと資本主義が主張する。
何にもないよ元々。
意味やストーリーを探さないと落ち着かないね。
理由がないと不安だね。
初めてじゃない人と初めましてはつらいね。
主張せよと黙ってろの寒暖差がたまらないね。
皆わからなくてじたばたしてカワイイネ。
今ある好きぐらい、しっかりと捉えて息を深く深くしていたい。