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キャリアカウンセラーにできることは、気持ちの充電を支援すること。ミドル・シニア世代のキャリア形成を考える。

2024年6月1日(土)、産業カウンセラー協会四国支部のイベントに、法政大学廣川進教授が基調講演で登場されると聴き、申し込んだ。

オンラインと会場とのハイブリッドで、廣川先生は、東京のご自宅からの参加だったようだ。

いやあ、いい時代!
四国まで行かなくても、四国の勉強会に自宅から私も参加できた。

廣川先生のお話は、
人生100年時代に求められるマインドとスキル
ミドル・シニア世代が自分を取り戻すということ

というタイトル。90分講演だった。


参加した理由は3つ。
・私の勤務先、トレノケート株式会社で、廣川先生には非常にお世話になっており、私もたびたび廣川先生とコラボセミナーを担当しているので、親しみを覚えている
・自分の問題として、廣川先生が提唱されている「リ・デザイン」のお話を直接伺ってみたかった
・最近(ここ2-3年)、急激に企業からの相談で「50歳以上のボリュームゾーンをなんとかしたい」という話が増えたこと

ミドルやシニアにはエネルギーの充電を

講演の中で一番心に響いたのは、以下の下り。(メモなので、先生がおっしゃった言葉と一言一句正しく再現はしていない)

「ミドルやシニアに、いきなり、リスキリングだ!変わりなさい!時代は変わっているのだから、あなたたちも変わらないといけない!と言っても、変われる人もいるが、変われない人もいる。変われない人がいることをまずは受け止めないといけない。
そして、どう変わるか、何を変えるか、じゃなくて、ミドルやシニアがこれまでやってきた仕事を丁寧に聴き、頑張っていたきたことをねぎらい、その人のキャリアの物語を丹念に聴いていく
これまでの仕事人生にも意味があった。自分だって頑張ってきた。それを認めてもらえた、報われた、という想いをまずは持てること。
そうしないと、未来など考えられない。自分の力が充電されることが先
充電されたうえで、”とは言え、これからどうする?”を考えるエネルギーもわいてくる。
これは、上司などにはできない。カウンセラーだからこそできること。」

50歳からのキャリア支援をワークショップにした理由

90分の最後のほうで出てきたこの話。
全くもって共感しかない。

私は、2018年に「50歳からのキャリアプラン・ワークショップ」というワークショップ(研修)をリリースした。安斎勇樹さんチームの多大なる支援をいただいて出来上がったものだ。

この時、私は55歳だったが、こんな風に考えていた。

「これから、50代以上層は、各社で課題になるはず。50代以上のビジネスパーソン自身も自分のキャリア、どうする?問題に直面するはず。その時、ただ、これからも頑張れ!じゃなくて、もっと自分の過去を振り返り、自己肯定感を高め、その上で、今後を考える機会が必要だろう。企業は、若年層、中堅層までは研修などの学ぶ機会を作るが、40代後半以降は、管理職以外に研修など無くなる。キャリアを自己責任にするのではなく、キャリアを考える機会を企業も設けることは意味がある。そして、その研修は、決して”黄昏研修””肩たたき研修”でもなく、また、”シニアも変われ!後輩の見本になれ!”という説教じみた研修でもなく、ただただ、ミドル・シニアが楽しく、でも人生に向き合えるものがよい。自分だったらそういうのが受けたい。」自分が受けたいものを作って、提供したい!

これを安斎さんにこういう気持ちもお伝えし、実現したのがこのワークショップだ。

その後、コロナ禍、DX、70歳までの就業機会確保(努力義務)という法改正もあり、さらに言えば、団塊ジュニア世代が50代になってきたこともあって、企業では、50歳以上をどうにかしないと(どうにかしないと、の意味は各社異なる)というムードがより強くなってきた。

「50歳以上社員にも、IT、デジタルリテラシーをみんな高めて、新しいことにも挑戦して、資格なども取ってもらいたいが、やる気が今一つ。どうリスキリングすればよいか?」
という相談も激増している。

私は、こういう時、
「リスキリングから始めてもたぶん、気持ちがついていかない。なんで?としか思えない。なので、自分のキャリアを考えて、これから先、どうありたいか、そのために社会、会社の環境変化も理解した上で、やらされ感ではなく、自分のためにもリスキルしようと思えるような仕掛けのほうがよい」
と力説してきた。

多くの顧客が、「そうですよね、まずは、自分のキャリア、自分の人生を考えた上で、リスキルが、自分にとっても意義があると内発的に動機付けされること、大事ですよね」と共感してくださり、リスキリング施策の前に、キャリアを考える機会を設けるということになっていくことが多い。

そういう風に私がこの5-6年考えていたことを、昨日の廣川先生の講演では、もっともっと素敵な言葉で教えてくださって、もう、思いっきり首肯したのだった。もう首がもげるほどに。

キャリアコンサルタントは、カウンセラーなのだ

そして、先生が
「そういう仕事は、上司にはできない。そういう役割こそカウンセラーができること」
と仰ったあたりで、じわっと泣けてきた。

いやあ、そうだよ、そうだよ。

廣川先生が以前、「キャリアコンサルタントというのは資格名だけど、僕は、あくまでもキャリアカウンセラー、カウンセリングという視点を大事にしたい」といったことをおっしゃっていて、その意味が、やっと深く理解できた。

いいお話を聴けて、オンライン最高。ありがとう、Zoom!と感謝した土曜日の出来事。

廣川先生と対談したVoicyは3本

廣川先生には、これまでにVoicyに登場いただいている。当時の私の下手くそファシリのせいで、上手に引き出せていない(と今ならわかる)が、それでも先生のお考え、世界観は伝わると思う。

3本のリンク、以下に貼っておきます。

50歳からのキャリアのワークショップの話

「50歳からのキャリアプラン・ワークショップ」についてお話したVoicyはコチラ。この放送でお問い合わせいただいたりして、お話してよかった!と嬉しくなっています。


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