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三毛猫ミーのクリスマス

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クリスマスイブ。猫と、人間が共存する島を舞台に、猫たちが、冒険をくり広げます。 「この島で亡くなった猫たちが眠るネコロポリス」 「パワーキャンドルを隠した深い森の猫ヶ森(ねこが…
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#オリジナル小説

三毛猫ミーのクリスマス 第2話 カ~ラ~ス~なぜ鳴くの~?その理由は猫にとって恐怖なのニャ

https://note.com/tanaka4040/n/n143adf1a9ec0から続く

ギャア!
 ギャアギャア!

 けたたましいカラスの鳴き声に目を覚ました《あたし》が、音源《おんげん》の方角《ほうがく》を見やると、数羽のカラスが、朝焼けの空を旋回《せんかい》しては、急降下《きゅうこうか》を繰《く》り返していた。

 急降下の先の草原では、小さな黒猫《くろねこ》が、転《ころ》げまわっ

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三毛猫ミーのクリスマス 第9話 それさえ知らずに来たのかニャ

https://note.com/tanaka4040/n/nfb5d0eec4cbaから続く

 どうせチンケな港《みなと》だろうとたかをくくっていたあたしは、思わず目を見張《みは》った。中々どうして、立派な商港《しょうこう》である。
 それもそのはず、荒波《あらなみ》うねる外洋《がいよう》を快適《かいてき》に航海《こうかい》できる七千トン級の船が発着する港湾《こうわん》である。
 小型船舶やボ

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三毛猫ミーのクリスマス 第15話 守ってあげたくなるメス猫になりニャ

https://note.com/tanaka4040/n/n8b0f7d5553d7から続く

 あたしたちは、吊り橋へ急いだ。しかし、吊り橋の上からは、猫一匹見えない。
「おかしいなあ。確かに、声が聞こえたんだけど」
 聞こえた方角は合っている。
「誰もいませんね」
「だったら、逆転の発想で、吊り橋の下から見上げてみよう」
「それ、名案かも」
 あたしたちは、急斜面を駆け降りて、川辺に立った。

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