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誰も教えてくれない就活準備の基礎知識~自己分析の構造と志望動機の関係~

前回は、自己分析は全てのベースになるものです、というお話でした。今回はその続きとして、では自己分析って何なの?というお話です。

1.自己分析って何?

自己分析と言うと特別な感じがありますが、一言で言えば、振り返りや内省と同じ意味です。

自分自身の内面や過去の出来事を振り返って、自分の気持ち・感情や指向性などを整理することです。

例えば、
・自分は飲み会の場になると調子に乗ってお酒を飲み過ぎてしまうから気をつけよう
・夜中に通販サイトを見ているとつい買いすぎてしまう
・アルバイトでメンバーとうまく連携が取れると嬉しくなる
と言った自分の傾向を振り返ることを指します。

これを、就職活動における自己分析とは何か?に置き換えると、自分の経験を振り返り、これから就く仕事を選択する上での自分の指向性を整理することが自己分析、と言うことになります。

2.自己分析をどのようにすれば良いか?

まず、振り返りを行うと言っても、闇雲に振り返っていては整理がしにくいので、就職において大事な点に沿って行うことが大切です。

その就活における自己分析(振り返り)の観点とは、仕事軸と環境軸の二つです
①仕事軸:自分はどんなことにやりがいや生きがいを感じるか。
②環境軸:自分はどんな環境であれば、力を発揮でき、また自己成長に繋げられるか。

就活でマッチングが取れていない状態というのは、思っていたことと違って、すぐに辞めてしまうことと考えています。

学生からしたら、折角時間をかけて就職したのに、自分の成長や経験にならずにすぐ辞めてしまう。企業からしたら、折角採用をしてお金と時間をかけたのにすぐ辞めてしまう。これでは両方にとって不幸なだけです。

ですから、少なくとも最低三年はギャップなく働けるためにも、自分にとって楽しいとかやりがいに感じる仕事の指向性と、コミュニティの中で力を発揮したり成長できるための環境の指向性を整理する必要があります。

次に、自己分析の視点ですが、大切なことは、過去・現在・未来に一貫性があることです。

例えば、一貫性がある状態というのは以下のよう状態です。
①未来:私は将来、ソフトウェア開発の仕事を通じて世の中の役に立ちたいと思っている
②現在:私はいま、プログラミングが楽しいと感じており、自分で作ったものが役立つと嬉しく感じる
③過去:私は昔、文化祭で自分がプログラミングしたアプリをお客さんに使ってもらい、それを使って喜んでもらったことが嬉しかった

ここで大事なことは、時間軸の関係性です。

まず、未来と現在は裏表の関係です。いま、やりがいや面白さを感じているから、将来、そういうことをしたい、という関係になります。

そして、過去は現在を支える立場です。いま、自分がそういうことにやりがいを感じているのは、昔、こういう経験をしたから、という根拠の位置付けになります。

ここで注意して欲しいのは、現在を支える過去の経験は、自分の実体験を伴う必要がある、と言うことです。つまり、誰かに向いていると言われたからとか、調べたらそう書いてあったからとかではダメです。

これは多少面接対策の意味があります。

就活で面接に合格し内定を得るためには、面接官に、この学生に来て欲しいという気持ちと、話の内容に納得できるという、情と理の両方が揃う必要があります。

そう考えたとき、誰に言われたとか、世の中でこう言われているから、という話で納得するでしょうか?やはり難しいです。

経験の大小は関係ありませんが、実体験であることが大事です。

ここまで、自己分析は二つの軸で行い、時間軸の一貫性が大事ということをお伝えしましたが、それらをまとめたのが以下の図になります。

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3.自己分析と志望動機の関係性

ここまで自己分析に関してお伝えしてきましたが、最後にお伝えするのは、自己分析と志望動機の関係性です。

その関係性を表したものが以下の図になります。

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自己分析をした結果、将来自分がやりたいと思うことが、業界・職種・会社選びの軸となります。

業界は、自分がやりたいことを実現するためのフィールドです。職種は、自分がやりたいことを実現するための方法です。会社は、自分がやりたいことを実現するためのコミュニティです。

そして、無数にある業界・職種・会社の中から、その業界・職種・会社を選択した理由こそが志望動機となります。

つまり言い換えると、自己分析における仕事軸と環境軸の将来の部分=志望動機となるわけです。

別の記事で、自己分析と他の就活準備事項の関係性として、自己分析が全ての土台になるとお伝えした理由はここにあります。

自己分析は、業界・職種・企業研究のもととなりますし、書類上では志望動機を記載するでしょう。また、面接では自分の過去の体験と合わせて今の考えや将来の想いを話します。全て自己分析に繋がっているのです。

4.就活が長引く理由は自己分析が深まっていないから

私は10年以上、新卒と中途の採用担当をしてきました。その中で、特に新卒採用で内定が出ない学生は、自己分析が深まっていないように感じていました。

というのは、自己分析の時間軸に一貫性がなかったり、将来やりたいことと志望動機がちぐはぐだったり、過去の体験が実体験でないため納得感に欠けたり…自己分析のどこかにずれがあるのです。

決して人柄が悪いとか、面接が下手ということはありません。ただ、自己分析のやり方がずれていたり、ちょっと指向性の角度がずれていたりするだけなのです。

就職サイトを見たり、会社説明を聞くと、不思議なもので色んなものが良く見えてきます。

例えば、目の前に、寿司と焼肉とケーキが並ぶとどれも美味しそう!と感じるのに似ています(苦手な人はそうではないと思いますが。。)

でも、そうしたときにどれを食べるかは、自分の好みだと思います。魚の気分なら寿司を食べるでしょうし、がっつり気分なら焼肉でしょうし、甘いもの気分ならケーキでしょう。

このように、どんなにきらびやかなものであっても、自分が選択する基準があるはず。それこそが自己分析であり、道標になるものです。

そして、その道標がしっかりしていれば、きっと入社した後も、長く力を発揮し、成長して、自己実現を成し遂げると思います。少なくとも私はそう言う方々を沢山見てきました。

学生の皆さんは、そろそろ試験期間も終わり、就活に集中する時期と思います。内定はゴールではありません。これからの長い人生の第一歩です。そして、自己分析は今後のキャリアを考える上で、とても尊いものです。

皆さんの将来が明るいものであり、そして納得のいく就活になることを祈っています。

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※就活における履歴書の添削や面接練習、自己分析のお手伝いなど、できる範囲でお手伝いさせていただいております。もしご相談がありましたら、お気軽にご連絡ください。

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