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依頼される側になって気づいた、依頼する時に気を付ける5つのポイント

こんにちは!TAM UX/UIチーム デザイナーの杭原です。

今回は業種、職種を問わず、この記事を読めばすぐに実践できる「仕事を依頼するときのポイント」をお伝えしたいと思います!

私はTAMに入社する前、メーカーで組み込みソフト/アプリケーションの開発工程での評価/テストとそのマネジメントをしていました。マネジメント業務なので当然、仕事の依頼をする機会が多くありました。はじめた頃は、指示を細かく出し過ぎて非効率になったり、言ったことが伝わっていなかったりと、失敗の連続で落ち込む夜もありました。しかし、日々失敗を繰り返す中で、だんだん依頼する時のポイントがわかるようになってきました。
現在の仕事では、依頼するよりも依頼を受けることが多いのですが、依頼を受ける側になって改めて大切だと思うポイント、新たに気がつくポイントがありました。

今回は、仕事を依頼する側、依頼を受ける側、両方の立場を経験した上で大切だと思うポイントの中から、すぐに実践できるポイントを5つお伝えしたいと思います!

この記事は仕事で依頼をする機会がある方向けの記事です。
この記事では依頼する相手の教育面は考慮していません。

1. 行間を読ませるな。

「行間を読む」という言葉を知っていますか?

「行間を読む」とは文章や言葉で直接表現されていない隠された意味や意図を察して読み取ることを意味する言葉です。仕事を円滑に進めるために、誰もがこの「行間を読む」ということを少なからずしていると思います。

ただ、「行間を読む」時に伝える側の意図を間違って読み取ると、認識の齟齬によりトラブルが発生するリスクがあります。なので、依頼を受ける側は、疑問を持ったこと、重要だと感じたことは確認すべき、だと依頼をする側の時は思っていました。

しかし、いざ依頼を受ける側になると、想像以上に確認しにくい!確認する相手が忙しそうで気が引けてしまったり、タイミングが悪くなかなか捕まえられなかったり…(泣)デザイン修正の依頼に意図が添えられていなかった時、気を利かせて行間を読んで修正したところ、意図を読み違え、デザインのFIXが遅くなり、逆に迷惑をかけてしまうこともありました。

自分が依頼を受ける側の立場の時は、疑問を持ったこと、重要だと感じたことは「行間を読む」だけではなく、言葉にして相手に確認すべきだと思います。しかし、依頼する側の立場となった時は、依頼を受ける側に甘えず、行間を読まなくてもいいように依頼の意図を伝えることが大切です。

2. 「点」ではなく「ベクトル」で指示する。

「…ん?急に数学の話になった?」と思った方、安心してください、依頼の話です。

依頼をする時に「点」で指示を出していないですか?「点」で指示とは、詳細な作業内容を共有することです。具体的で分かりやすいので、私も前職でマネジメントをはじめた頃は、よく「点」で指示をしていました。例えば、仕様変更が入った時、テストの項目書だけではなく、関連している資料も整合性を取るために合わせて修正します。その時に「この資料はこの部分をこう修正して、あの資料はあの部分をああ修正して」と詳細な作業内容を手順で指示していました。

しかし、ある時こう言われたのです。「指示が細か過ぎて逆に分かりにくいです。時間もかかります。」親切心で良かれと思い、時間をかけて細かくしていたので、言われた時はかなりショックでした。

でも、確かに依頼を受ける側になってみると、指示が細かいとその分指示が多くなり、何の為に作業をしているのかが見えにくくなるし、指示の理解に時間がかかります。さらに、詳細な指示ばかりを受けていると、自分で考えることができなくなるため、指示が誤っている場合や状況が変わった時に対応できず、依頼する側の考えているアウトプットとギャップが生じるリスクもあります。

そこで、「点」ではなく「ベクトル」で指示することをオススメします。「ベクトル」で指示とは、方向性とゴールを共有することです。そうすることで、自ら考えて作業を進めることができるようになります。依頼する側も細かく指示する必要がないので、工数を削減することができます。

ベクトルの指示

もちろん、難易度が高い作業や、複雑な作業など、どうしても指示を細かくせざるを得ない場合もあると思います。しかし、指示が必要以上に細かくなっていないかどうかは気にしておくことが大切です。

3. 重要なことは折にふれて何度も伝える。

このタイトルを見て「いやいや!一度言えば分かるでしょ!」とか「同じことを何度も言うのは、相手の時間をとって申し訳ない…」と思いませんか?

私は両方思っていました、思っていましたとも。依頼する側のときに、言ったことが伝わってなくて「言った・言わない」の水掛け論に発展したこともあります。しかし、結局お互い嫌な気持ちになっただけで何も生まない不毛な争いでした。

それに、依頼を受ける側になって気が付いたのですが、どんなにきちんと聞くという心構えを持っていても聞き漏らしや伝達ミスは起こり得ます。特に理解することが多い場合や指示が多い場合などはそのリスクが高いです。人間はミスをする生き物なのです。

ここで声を大にして言いたいのは、重要なことは折にふれて何度も伝えましょうということです。相手の聞き漏らしや伝達ミスを防げますし、何度も伝えることで相手はその重要性を認識できるようになります。

もちろん、指示が多い場合は書面で依頼したり、理解することが多い場合は一度に伝えるのではなく、数回に分けて伝えることで段階的な理解を促すことも有効だと思います。

4. 面倒なことを依頼するときは見えないところに悪者を作る。

このタイトルだけ見ると、何だかとても悪いことをしているみたいですね…(汗)

前の職場の同僚の話なのですが、同僚がマネジメントしている検証チームで検証中に再現しない不具合が発生したそうです。チームメンバーに時間を区切って再現手順を調査する指示を出したのですが、時間内に不具合は再現せず、同僚の判断で再度調査する指示を出しました。しかし、チームメンバーとしては充分に調査したし、手間がかかる調査なので、これ以上の調査は不要ではないかと渋ったそうです。同僚は咄嗟に「実は開発の人が再度調査して欲しいって言ってるんですよ」と言うと、それまで渋っていたのが嘘のように「わかりました。」と溜飲を下げたそうです。

このように、直接不平・不満を言えないところに悪者を作ることで、指示がスムーズに通ることがあります。ただし、この方法には重要な注意点があります。悪者を作ることによって人間関係を壊してはならないということです。悪者は指示する相手が接することのない人か、個人ではなく部署などにしておきましょう。

5. 心は熱く、頭は冷静に。

淡々と仕事の依頼をしていませんか?

私は学生時代に10年間、部活動でバレーボールをしていたのですが、高校時代の顧問の先生の「心は熱く、頭は冷静に」という言葉が今でも頭に残っています。大元はイギリスの経済学者アルフレッド・マーシャルの「経済学を学ぶには、理論的に物事を解明する冷静な頭脳を必要とする一方、階級社会の底辺に位置する人々の生活を何とかしたいという温かい心が必要だ。」という言葉なのですが、学問でもスポーツでも仕事でも通じるところのある言葉だと思います。

今回の場合に当てはめると、依頼が論理的で的確であることは重要なのですが、依頼に情熱を添えることも同じくらい重要だということだと思います。特に今のTAM UX/UIチームの仕事では、企業が商品やサービスに込めた想いをデザインとしてカタチにするため、切り離せないポイントだと思います。

最後に

今回は、仕事を依頼する側、依頼を受ける側、両方の立場を経験した上で大切だと思うポイントの中から、すぐに実践できるポイントを5つお伝えしました!
かつての私のように、仕事でうまく依頼できなくて悩んでいる方に対して、少しでもお力になれれば幸いです。

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杭原 加菜子 / Kanako Kuehara
デザイナー
2016年より在籍。TAMに来る前は、メーカーでソフトウェアの品質評価を担当し、日々ユーザーにとって使いやすい/魅力的な商品になっているかを考えながら、仕様提案/指摘や不具合報告を行なっていた。企業の商品やサービスに対する想いをカタチにするところに関わりたいと考え、TAMへ転職。

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