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夜行バスよ時空を超えていけ


夜行バス、時空を越える、誰もいない砂浜、人里離れた吹雪の雪山、誰もいないようで誰かいるステーション、つまらない汗をよくかいたターミナル前、誰もが憧れる大都会、誰もが住み良い中都会、長閑でのどかな田舎、蝉がうるさい夏、トンビが飛んでいる空、鴨が流れている川。どこへだって君は僕を連れていく。不思議だ、全然寝た気がしない。


おはよう、目覚めると東京。少し早く着きすぎたようだ、運転手が予定時刻より30分早い到着予定を告げる。そのクラクションにも似た静かな声で目が覚めた。
朝6時前、新宿のバスタ。俺はこの時間ここらで空いている店などマックか牛丼屋しか知らないのだが。まあ特に金があるわけでもない大学3年生など否が応でもそうなるだろう。
だいたい靴を脱いで寝るが、関係なく体はバキバキだ、心なしか持ってきたいろはすもまずい。
「到着しました。」さあバスを降りる。
眠りたいと叫ぶ体を無視してまずは心から降りるんだ。心はどこか疲れとウキウキが同期している、これは東京ブギウギみたいなものだろうか。

新宿駅近くの汚ねえ風呂屋でブリーチ3回したバサバサの最早髪の毛と言えるかわからないこいつからお湯を浴びる、そして洗い終わったら疲れ切った身体で湯船にダイブする。そこからは記憶がない。もう疲れて結局次の日に風邪を引いて、今やインフルエンザだったことを知る。そんな感じらしい。許してほしいハハ


いくあてもなく夜行バスに乗ってあいつも俺も知らない場所に行って、寂れた温泉街にでも行って、なぜか歩いても目的の店はやってなくて、仕方なく知らん場所で知らんおばさんが作るなぜか暖かく温かい手料理を食べ、小汚い最安値のゲストハウスに泊まり、あーだこうだそうだとうだろうだとそこで出会った人たちと少し夜更かしして語り合う。そんな旅を時空を超えて連れてきてくれるお前に俺は感謝している。なぜか新幹線飛行機(それでしか行けない場所もあるよ)で行った旅行にはない神聖さ見たいのがあるらしい。魔法。



多分これから僕らの人生はくそつまらなくなると思う。
このまま形式上大人になっていってしまえば、楽しいと感じるアンテナみたいなのは気づいたら社会に毒されて、錆び果てていつかアンテナラストになってしまう。言葉足らずで良かったりするのはそのせいかもしれない。
大人は何にでも意味を持たせようとする、ビジネスとかいうつまらない言葉で。
意味があることが正解で、意味がないことは不正解。結果が全て。
そんなことを言う大人どもにに頭を下げなければ大抵社会でなど這い上がれはしない。どこかそいつらに影響されてしまう時が来るかもしれない無意識で。
でも楽しいことに意味など僕は求めたくない。なんで楽しいの?とかなんで悲しいの?とか。
そんなの知らねえんだ、楽しいから楽しいし、悲しいから悲しいんだ。意味や根拠ばかりを求めてくるなと迫り来る社会に言わなければいけない。


夜行バスなんて、安い以外 なんのメリットもない。正直クソしんどいし、寝た気しないし、意味ないやん!
でもなんか最高なんだよな夜行バスで行く旅って大抵。
意味わからんでしょあんた。でも意味なんてそもそも伝わらないよ、あなたがいくら誰かにlineしたって、手紙書いたって、歌を書いたって、あなたの気持ちが全部伝わることなんてのはないんだから。
伝わらなくてもいいんだ。伝えようとすればいい。それで伝わらなかったらしょうがないんだ、しょうがないけどしょうがないんだ。



これから大人になっていく僕と同じくらい、21歳周辺の私達よ。
多分僕ら私らの周りは俺らがただ純粋に楽しむことを躍起になって邪魔してくる。自分の価値観ってやつを盾にして。そいつらはもう自分の人生が楽しくないから我々が楽しんでいるのを見るのが嫌なんだ、何時でも気分の悪い雨を降らせてアンテナをさびさせようとする、クレ556など効かないくらいのスピードで。
自分の人生っていう狭い枠しか生きていねえのに、俺の人生に対して知ったような口を利いてくる、そんな奴等にはお前は何様だ。とガンを飛ばしてやろう。
でもなんか時間ってやつが一番可能性を狭めようとしてくるっていうのにね。


ありきたりでクソつまんねえけどさ、まとまらないけどさ全然、
年取って大人になったって、楽しいことは楽しいって意味もなく笑っていような。
悲しい時は悲しいって1Lの涙を誰の目も気にせず流していこうな。(やっぱ990mlで、なんか見たことないドラマのタイトル使うのもな)
なんかそれだけで心が軽くなったような気がするんだよ。
俺はどうでもいいよ、正直なんとかなるし、なんとかするからさ。
あんたは、あんただけはさ、意味なんてそんなもんなくたって全然いいからそこで生きててくれ。夜行バスで夜逃げもいいじゃんか。人生は何したって何処へ言ったっていいらしい、綺麗事だけど良いじゃんかそれで済むなら。




でもなんか、昔の僕等にはあった純粋さを忘れてしまいそうな時は、会社仮病で休んで思う存分寝溜めして夜行バスに乗って時空なんか何回でも超えてきなよ。
そうすれば、きっと全部思い出すよ。
うんそう思うんだ、なんとなくね。希望ってやつ。

そういう希望って奴がないと生きてらんねえよ、生きてたまるかよ。
希望がひとかけらあれば、まあ生きてやっても良いとさえ思えるのさ。つまんなくても面白くてもそんなもんどっちでも良い。生きることって分からないものだから、分かることを前提で人生は進むけど、俺がどんな奴でなんで生きてるかなんて考えれば考えるほどわからない。
わからないまま進め。このnoteだって東京駅鍛冶橋を出発したは良いものの、目的地など分かる筈も無く、気づいたら訳のわからない場所に到着してしまっているわけだ。やっぱりそんなもんです俺等は。うん👍


それでいい。それで良いんだ。


田村シュンス

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