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頼まれてもないのに。

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原稿用紙4~5枚くらいを目安に、そのつどなんとなく思いついたテーマで短文を書いています。誰にも頼まれてないのに、ほんと何のために書きためているのやら。そんな駄文の数々をお読みいた… もっと読む
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頼まれてもないのに。その54(令和六年大相撲春場所を振り返る)

頼まれてもないのに。その54(令和六年大相撲春場所を振り返る)

 今場所を期に、しばらく大相撲について語るのはやめようと思います。
 純粋に楽しむには不純物が多すぎて。
 今まではエンタメのため、空気悪くしないため、人の楽しみを奪わないため、それなりに目をつぶってきたこともいっぱいあったけれど、もうそろそろそういうのいいかなって。

 私は内部の人でもなんでもないから、表に見えてる一部の中でも、さらにほんのわずかの部分しか見てないただの素人です。
 一部だけ見

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頼まれてもないのに。その53(令和六年大相撲初場所を振り返る)

頼まれてもないのに。その53(令和六年大相撲初場所を振り返る)

 令和六年。
 まだひと月しか経っていないのだけれど。
 なにがあっても角界だけは前向きな話題にあふれ続けていてほしいと切に願います。

 大相撲ファンとしてうれしいことまずは二つ。
 横綱照ノ富士の堂々たる帰還。圧倒的強さをもってしての9回目の優勝。
 そして初場所後の大関琴ノ若誕生(※琴櫻襲名は5月場所以降とのこと)。

 感動は与えるものじゃなくて結果のひとつ。
 毎日毎日を人一倍必死に生き

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頼まれてもないのに。その52(令和五年大相撲九州場所を振り返る)

頼まれてもないのに。その52(令和五年大相撲九州場所を振り返る)

 ああ今場所優勝したあのお相撲さんね、あの子は霧島だよ。昔のしこ名もいい名前だったけれど、誰が見たってもうあの子の名前は霧島だね。
 しかも2回目の優勝、大関として初優勝の場所が九州場所だっていうのもにくいめぐり合わせだね。日本シリーズの優勝チームにもあやかって今夜は虎斑霧島で祝杯をあげさせていただきましょうよ。

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 というわけで大関霧島の2回目の優勝おめでと

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頼まれてもないのに。その51(令和五年大相撲秋場所を振り返る)

頼まれてもないのに。その51(令和五年大相撲秋場所を振り返る)

 今春のWBCだけでもおなかいっぱいだったのにここへ来て世界陸上とラグビーW杯という私の好きな大会がさらに立て続けに開催されてしまいましてもう今年はなんという当たり年なんでしょう。北口榛花のやり投げ見ました?開幕戦のフランス対ニュージーランド戦見ました?イングランドのヘディング見ました?今週末はサモア戦ですよ次とその次絶対勝たなきゃ日本。
 ……ということで見事に挟まれちゃいましてね秋場所。
 ほ

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頼まれてもないのに。その50(令和五年大相撲名古屋場所を振り返る)

頼まれてもないのに。その50(令和五年大相撲名古屋場所を振り返る)

 それにしても今場所の土俵はよくすべりましたねえ。
 あのすべりをものにした力士が賜杯を手に……とか思ってみたりしましたけどあんまり関係なかったようですね。
 連日の猛暑の中、みなさまお疲れさまでした。

 横綱照ノ富士の連覇と3関脇同時大関昇進という二大看板を掲げての名古屋場所、残念ながら横綱は腰痛の悪化で4日目から休場、3関脇のうち大栄翔と若元春は終盤完全に精彩を欠きいずれも9勝6敗の星に終わ

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頼まれてもないのに。その49(令和五年大相撲夏場所を振り返る)

頼まれてもないのに。その49(令和五年大相撲夏場所を振り返る)

 横綱照ノ富士が土俵に帰ってきました。
 両膝の手術を経て4場所ぶりの土俵。場所前の巡業の様子など表に出ている情報を見る限り「出れる状態に仕上がっているから今場所は出ます」という感じでした。ですのでそこまでの大きな不安はなかったとはいえ。
 横綱の場合無理に出場すれば復活場所が即引退場所になってしまうことも多々あるものですから一抹の不安は常にありました。もしこの取組でなにかあったらどうなるんだと。

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頼まれてもないのに。その48(令和五年大相撲春場所を振り返る)

頼まれてもないのに。その48(令和五年大相撲春場所を振り返る)

 ぜんぶWBCが悪いんです。3月、あれに私の全精力が根こそぎ持ってかれたのがすべていけない。
 大谷翔平最初から最後までかっこよかったよう。村神様、信じきれなくてすまんかった。ヌートバー、日本代表として参加してくれてありがとね。選手たち、栗山監督、スタッフのみなさま、一人一人にお疲れさまと心からの優勝おめでとうを送りた
 違いますよ、ここは大相撲の話をする場所です。うん、9回表2死に回ってきた大谷

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頼まれてもないのに。その47(令和五年大相撲初場所を振り返る)

頼まれてもないのに。その47(令和五年大相撲初場所を振り返る)

 百花繚乱、群雄割拠。
 絶対的主役が不在なだけと言われてしまえば身もフタもなく、だけどこういう時だってあるさと割り切ってしまえばこれはこれで楽しいもの。
 
 とはいえ毎場所毎場所平幕に優勝をかっさらわれてしまってばかりでは、じゃあこの番付ってやつはいったいなんなんですか意味あるんですかと愚痴の一つも言いたくなるというもの。

 番狂わせもけっこうですが、番狂わせに熱狂できるのも、ちょっとやそっ

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頼まれてもないのに。その46(大相撲の話題おかわり:勝負師である前に人として)

頼まれてもないのに。その46(大相撲の話題おかわり:勝負師である前に人として)

 喉にささったまま、どうしてもとれない小骨のようなもの。
 お相撲ネタでもう一つどうしても書いておきたいことがあります。

 八百長とガチについて。

 昨今の風潮として「ガチこそがすばらしい。ガチこそが人に見せるべき真の姿」という声がより高まっているように感じます。
 ガチ=真剣勝負。
 あらかじめ言っておきますが私だってここぞの一番にはガチの取組が見たいです。否、ガチの取組でなきゃだめに決まっ

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頼まれてもないのに。その45(令和4年大相撲九州場所を振り返る)

頼まれてもないのに。その45(令和4年大相撲九州場所を振り返る)

 今年締めの場所を振り返る前に。今年も一年お疲れさまでした。
 まずは令和4年6場所の幕内総合優勝力士と年間最多勝力士をあらためて書き出してみましょう。

 初場所 御嶽海(東関脇 13勝2敗 場所後大関昇進)
 春場所 若隆景(東関脇 12勝3敗・優勝決定戦)
 夏場所 照ノ富士(東横綱 12勝3敗)
 名古屋場所 逸ノ城(西前頭2 12勝3敗)
 秋場所 玉鷲(東前頭3 13勝2敗)
 九州場

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頼まれてもないのに。その44(令和4年大相撲秋場所を振り返る)

頼まれてもないのに。その44(令和4年大相撲秋場所を振り返る)

 37歳10か月!
 なんでこんなに元気なの? 序盤、中盤、終盤といっさいの息切れなし。それどころか終盤さらにギアがあがり、加速していく。
 玉鷲、2回目の優勝。おめでとうございます。

 前回は関脇で13勝2敗、今回は平幕で13勝2敗。前回は3年前になるんですね。大きなケガもせず、筋肉のハリもとくに衰えず、それでもここ数場所に限っていえば後半戦の失速が目立ち、さすがの鉄人玉鷲も寄る年波には勝てな

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頼まれてもないのに。その43(令和4年大相撲名古屋場所を振り返る)

頼まれてもないのに。その43(令和4年大相撲名古屋場所を振り返る)

 今回序ノ口の取組から幕内の結びまで、初めて最初から最後まで通しで相撲を見ることができました。14日目です。Abema大相撲さんありがとう。
 この日はまさかの12時45分取組開始でした。することのなかった土曜日、6時間ならギリギリお付き合いできます。

 え、朝から国技館にいれば通しで見られる? いやいや逆です。国技館観戦ってのはとにかく忙しいの。食堂に続くお昼のちゃんこの長い列に並ばなきゃいけ

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頼まれてもないのに。その42(令和4年大相撲夏場所を振り返る)

頼まれてもないのに。その42(令和4年大相撲夏場所を振り返る)

 5月場所。場所前に相撲とは全く関係のない大きな出来事がばたばたとあったせいでしょうか、そっちに気を取られているうちにぬるっと始まり、そのままぬるっと終わってしまった感。
 今場所からようやく観客の定数を増やせたと思ったら、これまでなりを潜めていた指笛やら手拍子やら声援やら、どうやらそういう人たちまで戻ってきてしまったようで。

 終わってみれば横綱照ノ富士が12勝3敗という成績で7度目の優勝とい

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頼まれてもないのに。その41(令和4年大相撲春場所を振り返る)

頼まれてもないのに。その41(令和4年大相撲春場所を振り返る)

 大相撲春場所。大阪では3年ぶりの有観客開催ですというアナウンスにきょとんとしてしまいました。落ち着いて思い出そう。2年前は大阪開催ではあったものの無観客、そして去年はコロナ禍の真っただ中で移動ができず東京開催。いかんいかん、どうもこの生活が長く続きすぎて何がなんだかわからなくなってきているみたい。

 コロナ禍前はほとんど気にしてなかったのに、ここ数場所来とても気にかかるようになった終盤戦の力士

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