山本一丁

一丁、と書いて「いっちょう」と申します。夫と愛猫と共に東京暮らし。

山本一丁

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マガジン

  • これ、いただくわ!

    お買い得なものから、ちょいとお高いものまで、買ってよかった!と心の底から実感しているお買い物を紹介していきます。

  • FIP闘病記 CFN投薬86日

    愛猫の闘病を通して感じたこと、考えたことを綴っています。 ちなみに愛猫は、目下、減薬中。日々、ゴロゴロぬくぬく元気に暮らしています。

  • 不思議語り

    事実は小説より奇なりと申します。これまで経験した不思議なことなど、つらつらと。

最近の記事

これ、いただくわ! 重箱のような宝石箱。

父の葬儀を終えて東京に戻ってきてから、何も手につかず日を過ごしていたのですが、これではいけんと発奮し着手したのはデスクの掃除でした。 机上には、貼り箱を作成するために集めた雑誌やチラシが鍾乳洞の石柱よろしく積んであって、その隣には、いつ届いたのか分からない区の健康診断の書類や同窓会の知らせなどなどが小山をなしており、デスクといっても名ばかりの物置き場と化していたのでした。 必要な物と捨てていい物を分類したら、ひたすら捨てていくだけ。 着手さえすれば簡単な作業なんですよね。

    • 介護小説しての、カフカ「変身」。

      「変身」を読んだのは、中学生になりたての頃。 店頭でその薄さに惹かれて手に取った一冊でしたが、もう、最初の1行目からぶっ飛びました。 なんじゃこりゃ! それまで白樺派を中心に、清く正しく美しい小説ばかり読んできたわたしには、脳天かち割られるほどの大ショック。 「お手伝いしなさい!!」と階下から聞こえてくる母の声も無視して、最後まで一気に読み進めたことを覚えています。 この後、カフカ中毒となったわたしは、決して多くはない作品を読み漁り、そうして何度も繰り返し読んできたわけで

      • 父のファッションチェック

        飛行機が羽田空港上空にさしかかろうとしていた時だった。 一人のCAさんがわたしの横にやってきて中腰の姿勢をとった。 「突然、失礼します。もしかしたらデザイナーさんですか? お見かけしたときから、洋服もヘアスタイルも、全部、素敵だなあと思っていて。九州へはお仕事ですか? 撮影か何か?」 笑顔の素敵なショートカットのCAさんは、わたしのヘアスタイルに似ている。要はわたしのファッションが、彼女好みのスタイルだったのだと思う。 仕事じゃなくて、父の介護というかーー。 そう答え

        • 食べることは、生きること。

          今日、パパが死んだ。もしかしたら、昨日かも知れないが、わたしには分からない。 いや、分かっている。昨日は初七日だった。 それに「パパ」なんて呼んだことは生涯ただの一度だってありゃしない。 わが家では、小さいころから「お父さん」だ。 父が逝って、あまりにも悲しみが大きすぎて、いや、悲しみだけではなく、大きな後悔と共に、望んでいなかった絶望や失望や怒りがもれなくついてきて、そうした負の感情をどうやって御したら良いのか分からずに茫然自失として過ごしている。母のときには、なんとか一

        これ、いただくわ! 重箱のような宝石箱。

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        • これ、いただくわ!
          5本
        • FIP闘病記 CFN投薬86日
          5本
        • 不思議語り
          4本

        記事

          幸せになる、と決めた。

          背中が痛くて眠れないんじゃなかろうか、 足先はあたたかくしてるだろうか、 パンツのゴムがキツすぎるんじゃなかろうか、 部屋が寒すぎやしないか、暑すぎやしないか、 食欲はあるだろうか、食べたいものはないだろうか、 深夜にお腹をすかせてやしないだろうか、 今日一日、笑顔になることがあったろうか、 空がぬけるように青かったことを、 庭のブーゲンビリアが咲き誇っていることを、 柿の木に実がなったことを教えてくれた人はいたろうか、 優しい言葉をかけてもらえたろうか、 閉じられたドアの向

          幸せになる、と決めた。

          これ、いただくわ! レモンクオーツのイタリアンジュエリー

          十数年以上前に買ったものに助けられるってことがあるのだなあと思った昨夜のお話。 郷里で一人暮らしをしている父の調子が芳しくなく、今月初頭にしばらく帰省していていました。が、思ったほど食欲は戻らないまま、こちらに帰ってくる日を迎えてしまいました。すっかり痩せてしまった父を残して東京の家に帰るのが忍びなく、久方ぶり別れ際に号泣してしまいました。 父は、別れの場面でわたしが泣き出すことに慣れていて、大丈夫じゃ大丈夫じゃと笑っていましたが、その笑顔がさらに辛くて。空港に向かう道すが

          これ、いただくわ! レモンクオーツのイタリアンジュエリー

          女優 シャナン・ドハーティ

          四十路以上の皆さまにとっては、恐らくなつかしの「ビバリーヒルズ高校白書」「ビバリーヒルズ青春白書」、通称“ビバヒル”のブレンダことシャナン・ドハーティが53歳という若さで亡くなったと訃報が流れてきて驚きました。 嘘か誠か、ビバヒル収録中のわがまま発言や態度などがクローズアップされて(実際、ビバヒルのシリーズ4を降板)、すっかり嫌われ者のイメージが定着してしまっていた彼女ですが、ここ10年ほど、癌闘病していたことを自ら公表し、検診の重要性を発信し続けていました。日本のモデルや

          女優 シャナン・ドハーティ

          女優 キャシー・ベイツ

          先日、シェリー・デュヴァルの訃報にふれデュヴァルの記事をアップしました。 今回は、“キング原作ホラー映画3大ヒロイン”つながりということで「ミザリー」のキャシー・ベイツについて。 紹介するまでもなく、「ミザリー」はホラー映画が苦手という人にも広く勧めたい、「幽霊より何より、一番怖いのは人なのよ」を骨の髄まで感じさせてくれる名作です。 物語は、作家ポール・シェルダンが、人気小説ミザリーシリーズの最終作を郵便局に出しに行く道すがら、大雪のため瀕死の事故に遭ってしまうところから

          女優 キャシー・ベイツ

          女優 シェリー・デュヴァル

          今日、ネットを立ち上げて最初に目に留まったのが、シェリー・デュヴァル逝去のニュースでした。 ニュースに記された75歳という年齢に驚いてしまいましたが、ジャック・ニコルソンが御年とって87歳、かくいう自分だって半世紀以上生きているわけで、シェリー・デュヴァルが75歳になっていても何の不思議もない。 シェリー・デュヴァル。 ファニーフェイスって、こういう人を言うんだろうなと思うような、キュートとブサイクの間をついている感じとでもいいましょうか、不思議な魅力の女優さんでした。「三

          女優 シェリー・デュヴァル

          路上にて、服を脱がせてちょうだいと見知らぬ女から迫られた話

          「服を脱がせてくれない?」 往来で、見知らぬ女性から頼まれたことのある人は、そうはいないと思うのです。おまけにノコノコ家まで付いて行き、仰せのまま服を脱がせてあげたことのある人なんて、わたしくらいではないかと。 これは、そうしたわたしの体験談です。 独身時代、月島に暮らしていた時のことです。 開発計画が華やかになりし直前の月島、今にして思えばいい時代でございました。路地に入れば、かつてアラーキーが撮影したような長屋が立ち並んでいました。もんじゃ屋さんが立ち並ぶ商店街で、おじ

          路上にて、服を脱がせてちょうだいと見知らぬ女から迫られた話

          山奥の神社、裏の竹やぶでの話

          九州某県の古典芸能について取材をしていたときのこと。 その日はA市の某地域に伝わる神楽の話を聞くために神社を訪ねることになっていました。山奥の小さな神社です。 二十年近く前のことです、貧乏会社の社用車にナビが付いてるわけもなく、生まれついての方向音痴としては、アボ取りの前に、縮尺さまざまなマップを総動員して、毎回、目的地までの道順を下調べるのが常でした。 公民館などで話を聞く場合は、概ね問題ないのですが、たまさか個人宅を訪ねる時は、取材依頼の電話の際に家までの道のりを聞き出

          山奥の神社、裏の竹やぶでの話

          これ、いただくわ! 腰痛が消える、神シューズ

          昨冬、父が肺炎になりまして。 いつものごとく帰省して、それこそ不眠不休でひと月近く看護に明け暮れた挙句、腰をやってしまいました。 夜間のつきそいで眠れない日々が続いたのが悪かったのか、長逗留になると思わず冬用の服を持たずに行ったのが悪かったのか、お風呂に浸かることなくシャワーですませていたのが悪かったのか。 ある日突然、腰に電気が走ったのです。 ピキーン!という巨大な擬態語付き。 途端、世界がフリーズ。身動きできなくなりました。 腰をやっちゃった人の体験談は、たくさん聞い

          これ、いただくわ! 腰痛が消える、神シューズ

          FIP闘病記5 治療費ハウマッチ?

          86日にわたったFIP治療で、どれだけの費用がかかったのかざっくりと計算してみました。 薬代、検査費用、点滴、再診療など込みで 約 207万円 でした。 ちなみに治療のために投与した未承認薬CFNと、未承認薬メロンS(薬剤耐性が疑われた一時期のみ使用)は、約 197万円 。 幸いなことに動物保険に入っていたので、 40万円ほど が戻ってきました。助かりました。 夫が負担した分を除くと、わたしの負担分は、約100万円。 しがないフリーの身の上としては、とても大きな金額です

          FIP闘病記5 治療費ハウマッチ?

          これ、いただくわ! おばさんだってOK! カリフォルニア生まれのシェフパンツ

          梅雨とは思えないほど暑い日が続く中、久々のヒット、とても使えるパンツを見つけました。 南カリフォルニア生まれのCOOK MANのシェフパンツ。 機能的で快適な料理人のワークウェアをさらにかっこよく突き詰めたブランドというだけあって、快適さはお墨付き。 わたしが買ったのは「wide chef pants」なるワイドな1本。 絶妙なラインに加えて、ポリエステル 65% 綿 35%の生地は光沢感が絶妙な上、飛行機移動してもシワが気にならなーい! 昭和生まれの性でしょうか、自然素

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          これ、いただくわ! 採光カーテン「ネフライト」

          実家を出て一人暮らしを始めてからというもの、部屋選びは、日当たり重視。駅からの近さより、新しさより、広さよりも明るさ。 元々、日当たりの良い田舎家育ちだからか、何はさておき太陽があれば幸せの半分は約束されたようなものだと思っていたりします。 なので、現在の家に越してきたときは、正直戸惑いました。 北向きで、都心の狭小住宅あるあるで、左右後ろの隣家との距離が驚くほど近い。正面は私道に面していて、対面のお宅とは、窓を開けるておしゃべりが楽しめる距離にあるといえば、聞こえはいいが

          これ、いただくわ! 採光カーテン「ネフライト」

          FIP闘病記4 C F N86日の治療終了

          治療費のことで夫ともめたその夜、資料を作らなくては!と閃きました。 愛猫の様子と治療の流れを可視化できる資料です。 食欲や吐瀉物、排泄物をはじめとする愛猫の様子と、投与した薬、診療所や病院の検査結果、投与した注射、点滴、先生からの指摘などが、俯瞰できるものが必要だと思ったのです。先生とのラインやりとり、お世話になっている支部の皆さんへ送った報告メールなどを参考にしながら、治療を始めたときから、時系列に沿ってまとめ始めました。すぐに終わると思っていた作業は深夜にまで及びました。

          FIP闘病記4 C F N86日の治療終了