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旅する土鍋アーカイブ2017

※今年も「旅する土鍋」をスタートするにあたり、昨年こちらに投稿していなかった「旅する土鍋2017」アーカイブ記事をまとめています。

今年の「旅する土鍋」出発まであと少しなのに、窯たきはもちろん仕事がたんまり溜まっていて心臓がかゆくなっている。2017年版を終わらせて2018年に突入しなくては。


2017年8月3日 ヴィンチ村
「わたしにまかせとけ!」

名前の通りレオナルド・ダ・ヴィンチ生誕の村。むかしフィレンツェで部屋をシェアした友人が住んでいる。彼女は葡萄とオリーブを操る魔女、いやマキ。毎年ここの風と夕陽を見ずにどうして葡萄酒に感謝できるだろう。

彼女の家の眼前。葡萄畑とオリーブ畑という文字からも香りが漂ってくるでしょう。ビステッカフィオレンティーナを焼いてくれるご主人は、おっとダヴィンチか?という風貌で、几帳面に大きな塊肉を焼く。「手伝えることはある?」と念のため毎年聞くものの「わたしにまかせとけ」と言う。そう言うだろうなと知っていながらちょっとした勝負なのだよね、毎年。年々、ちょっとだけ炭のことや肉の焼き方を教えてくれる。

バイオダイナミック製法で葡萄とオリーブを育てて絞っている友人。葡萄の一滴とオリーブの油がおいしくしみ出ているような彼らの指先。「おいしい」ということは、指先に。そういうことなのだ。彼女たちが手がける本物のヴィオ葡萄酒はノドにひっかからない。すすーっと胃に入って鼻から香りが抜ける感じ。目をつむっても。

彼女お手製の「チャッチーナ」というピザ生地をカリッカリに焼いたものが大好き。(フォカッチャ、スキャッチャータなどと名称はいろいろ)濾したヨーグルトにキュウリをまぜて、チャッチーナにペロッとつけて。もちろんヨーグルトも自家製だ。イタリアの大振りなキュウリは皮をむかなければ苦い。

ダヴィンチが、いやいやロベルトが「肉が焼けたぞ」と呼んでいる。そろそろ晩餐だ。


2013~2016年の間には、たくさんのオーガニックトマトでつくったソース、目の前の樹から摘んだイチジクのジャムなど、まだ小冊子に記載していないものがある。それに加えて今年は新たなメニューを考えてくれているなんて感謝に尽きる。「今年は鴨肉のラグーとペーストなどつくろうよ!」と。材料をならべただけのレシピになると思うが、前回同様、小冊子にはそんなごちそうを並べたいと思っている。



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