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母が私を苦しめた理由

パーキンソン病の母と 虐待されていた私が 一緒に暮らすということ 

#2  意外な動機

#2 意外な動機

 パーキンソン病の進行度合いは『ホーン・ヤールの重症度分類』で評価されます。Ⅰ度からⅤ度までの5段階評価で、母はⅢ度。
 明確な発症条件は分かっておらず、40代で発症する人もいるといいます。患者の年齢や重症度によっては脳手術という選択肢もあるようですが、母は投薬のみで病を抑えています。

 高齢者がパーキンソン病を患うとまず懸念するのが、認知症の併発。病気が進行し動くことが少なくなると認知機能の低下に繋がってしまうそうで、高確率で認知症も発症するとされています。
 よって、定期的に認知症のテストを行うことになっており、母も何度も当テストを受けているのですが、今のところ認知機能に問題は一切ありません。

 私を長年苦しめていたその理由、「私が父親似ではなかったから」。
 つまり、母のこの回答は、”正常な認知機能”から発信されたと考えざるを得ませんでした。

 『虐待していた親は心の底では後悔している』と目にしたことがあった私。なので多少は期待していました。そういう言葉をもらえるのではないかと。  
 でも母は後悔どころか、”あの日々は正当なものだった”と胸を張って怒鳴り返しました。

 時が経っても母の異常な自分本位っぷりは健在でした。
 そして、私の気持ちを慮ることをしない、する必要すらない、という思考もまた変わってはいませんでした。

 母は後悔などしていなかった。
 酷いことをしたとすら思っていなかった。
 長年苦しんでいたのは私だけだった。
 心臓が握り潰されていきます。

 瞬間、母のあの発言が認知症由来のものであったのなら、”突飛な暴言”と割り切ることができたのにと思ったりもしました。
 しかし、本当に認知症になってしまえば、過去の精算をしたいという私の切なる願いは完全に立たれてしまうのでしょう。

 Ⅲ度までは緩やかで、そこからの進行は速くなると聞くパーキンソン病。私と母に残されている時間は後どれくらいなのでしょうか。

 未来は真っ暗で、宝くじを当てるよりもずっと難しいことをしようとしていることは分かっています。

 それでも私はやっぱり”親子”として終わりたいと、今はまだ願っていたいのです。 


 胸の内を絵と文字にする。
 その時のことを思い返すのは厳しくて、気がつくと涙が出てしまっていることもあります。
 しかし、一人で抱え込んでいた思いをアウトプットしたことで、”どこかの誰かが私の気持ちを知ってくださった”という事実に触れることができました。
 それはとても心強く、私を慰めてくれています。
 
 本当にありがとうございます。

 書き溜めたものが数点ありますので、順次公開していけたらと思っております。
 これからも応援よろしくお願い致します。

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いつか母と仲良くなれたら、母と私と猫さんで旅行に行きたいと思っています。 野っ原をのんびりと散歩。 母との生活は始まったばかり。 夢は大きく、まだまだ諦めません^^