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#ファスビンダー

「自由の暴力」(旧題:自由の代償)/ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督(1974)

「自由の暴力」(旧題:自由の代償)/ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督(1974)

国内盤DVDは高騰しているため、Criterion版(英題:Fox And His Friends)を買ってきたところで、日本でもファスビンダー傑作選2024で上映されるということで、まず映画館で観たあと、家でCriterion版を観ています。

「以下ネタバレも含みます」
公園に設置された見世物小屋の呼び込みから映画が始まります。
見世物小屋のオーナーと思しき司会者が、3人のストリップ嬢(1人は

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エフィー・ブリースト/ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督作品(1974)

エフィー・ブリースト/ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督作品(1974)

「小説の映画化は、それが小説であるとわからせる形で行うべきだ」というファスビンダーによる19世期を舞台にしたドイツの文芸作品の映画化。
まず精緻なモノクロの映像の美しさに惹かれますが、ナレーションの多用、頻繁なカット割り、練り上げられているようで、実は感覚的なファスビンダーらしい雑さ。

話は17歳の自由な精神を持つ娘が、19世紀の貴族社会のなかで、思うがまま振る舞うものの結局、社会に押しつぶされ

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ファスビンダーのケレル/ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー(1982)

ファスビンダーのケレル/ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー(1982)

ファスビンダーの遺作。
70年代後半にヴェルナー・ヘルツォーク、ヴィム・ヴェンダースとともにジャーマン・ニューシネマの旗手として日本に紹介されました時には、人間を超えたディモニッシュなものを描いたヘルツォーク、ロードムービーのイメージのヴェンダースに比べファスビンダーをいまいち掴めなかったのですが、少なくとももっとアンダーグランドでロックな感触を感じていました。
この映画を観たのは新宿歌舞伎町に会

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「ペトラ・カン・フォントの苦い涙」 ライナー・ヴェルナー・ファスピンダー  監督作品「苦い涙」フランソワ・オゾン監督作品

「ペトラ・カン・フォントの苦い涙」 ライナー・ヴェルナー・ファスピンダー 監督作品「苦い涙」フランソワ・オゾン監督作品

大好きなファスビンダーの作品「ペトラ・カン・フォントの苦い涙」は昨年、菊川のストレンジャーで観たのが初めてでしたが、この作品をオゾン監督がリメイクした「苦い涙」公開された年でした。
「ペトラ・カン・フォントの苦い涙」ライナー・ベルダー・ファスビンダー監督作品

2度の離婚に失敗し落ち込むもののビジネスでは、成功を収めているファッションデザイナー 
ペトラ・カン・フォントは自宅兼アトリエで、奴隷のよ

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「天使の影」ライナー・ベルナー・ファスビンダー

「天使の影」ライナー・ベルナー・ファスビンダー

80年代前半、ニュージャーマンシネマの旗手ということで日本に紹介された映画作家が、ファスビンダー、ヘルツオーク、ヴェンダースでしたが、ヘルツオークのディモニッシュな作風も好きですが、僕はやはりファスビンダー。
最近、ファスビンダー傑作選という特集で3本の映画が上映されていますが、こちらは、ライナー・ベルナー・ファスビンダーの戯曲「ゴミ、都市そして死」を、彼の盟友であるダニエル・シュミットによる映画

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【映画上映とリレートーク 明石政紀氏を送る会】

【映画上映とリレートーク 明石政紀氏を送る会】

昨日はドイツ文化会館、ゲーテインスティテュートで開催された【映画上映とリレートーク 明石政紀氏を送る会】
明石さんはベルリン在住の文筆家、翻訳家で、ドイツ現代史(ナチスドイツ以降)における特にサブカルチャーの音楽と映画を日本に紹介されたパイオニアで、RWファスビンザー監督の【不安は魂を食いつくす】の上映に続いて、上智大学外国語学部ドイツ語学科時代に参加していたドイツ語劇の仲間、音楽、映画、出版など

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