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【雑記】夢が叶って好きが仕事になったけど、だからといって幸せなのかはわからない


将来の夢はなんですか、将来就きたい仕事はなんですか

幼稚園や小学生の頃にやたら聞かれたこのテーマ。

当時はわけもわからず、特に意味なんてなく
お花屋さん、ケーキ屋さん、セーラームーン
なんて言っていた。

夢が叶うときっと幸せな気がする、というのを幼少期から植え付けられていたんだな…

それから30年程が過ぎ、
いまの私はというと某団体で演奏の仕事をしてサラリーをいただいている。

高校時代の部活で「好き」になった演奏。
これが仕事になった。

①高校生だった私の燃えるような夢

音楽で食べていきたい!好きな演奏を仕事にしたい!!プロの団体に入りたい!!

高校生当時の私はそんな夢があった。

「おまえ、そんなん出来るのは天才みたいな一握り中の一握りやぞ。絶対やめとけ、大変に決まってる。覚悟あるんか?」

音大に行きたいと言った進路相談で当時の担任に言われた言葉を1字1句いまでも覚えている。笑

今思えば
天才みたいな一握り中の一握りやぞ
という言葉を除いてはその通りだったと思う。
これについては後述したい。

②長年の夢を叶えたら幸せになれると思っていた

音大に行き、バチバチに厳しい入団試験をいくつも経て、晴れて夢を叶えた。
かのように見えた。

入団試験を受けて、1発で受かるような努力と才能のカタマリのような人材もいれば
私のように下積み時代を経て数度の入団試験の末にポジションを得る人材もいる。

約10年弱前、初めて試験をパスしたときに、たくさんの人が祝福してくれて、「夢が叶ったね!おめでとう」なんて言ってもらえた。

でも…
今まで何度も受けたあちこちの団体の入団試験、やっとクリアしたのに。

嬉しい!ハッピー!世界よありがとう!
なんて気持ちはなく、

「ああついにこの日がきた。もっと頑張らねば。どうしよう。」

という気持ちに支配されていた。

この私、当時はネガティブ系ネーチャン、今では更にネガティブ系おばである。

気質がそうなのもあるけど、長い長い下積み時代をようやく終えたのに開放感などはなく
より強い責任感のようなものが「これからの道は更に厳しく、一生それが続く。いまここが新たな始まり」と…

③何が楽しくて幸せなんて、歳を重ねるごとに変わっていく

時系列は戻り…大学を出たばかりの頃、身の丈に合わない高価な楽器をローンで新調した。

練習そっちのけでローン返済のために音楽とは関係のないバイトを掛け持ちして、
大学時代の隙間時間アルバイトとは違ってフルタイムでガッツリ昼夜問わず働いた。
そのうち、
「バイト楽しすぎるやんけ、、」

と気付く…笑
ルーティンワークとか、人の指示に従い良い成果を上げていくことが好きなことが発覚する。

いまならこのまま音楽を辞めれるかも。
と何度も思った。

音楽は生活と人生の一部で、切り離せないものとなっていたけど最早好きか嫌いかわからなくなっていた。

でも、辞めるのは多分違う…
辞めたらどうなるんだろう…
私は誰???みたいになるんじゃなかろうか。
辞めたこともなければ辞めたいと思ったこともなかったので、想像も出来なかった。

けど、結局バイトが楽しすぎたせいでローンは予定より早く返済出来てしまったので、せっかくだし、やっぱり辞めずにもう少し頑張るか…

と言っているときに結婚し、またこの夫がとても応援してくれるのでネガティブだけど燃えやすい私は頑張り続けた。

そうしてなんとなく辞めずに頑張り続けていたら、高校時代からの夢が叶っていた。

天才みたいな一握り中の一握りではなく、

辞めることを選ばなかったもん勝ち

という真理に気付く。
20代後半のことだった。

下積み時代、「きっと夢が叶えば幸せになれる」と毎日思っていた。
べつにその時が不幸では全くなかったのだけど。

けど、昔の夢が叶っても多幸感はない。

責任感と煩雑なスケジュールに追われる日々。
好き嫌いも得意不得意も構わず、1ヶ月で100曲近くに追われることも。

もちろん演奏は今でも楽しい。
好きな気持ちは変わらない。

でも、たぶん。「楽しくて幸せ」だったのは、バイトをしまくっていたあの日々の方が勝っていたような気がする。

④経験した刺激に慣れてしまう

人はきっとみんなそう。
初めてのポケモン、あんなに楽しかったのに、151匹ポケモン言えるかなを完璧に覚えて無限に歌えていたのに、いまやポケモンを見ても燃えない。

好きな人と付き合えたり
欲しかった時計が買えたり
1,000kmをひとりで運転したり

初めてや経験の浅いものって魅力的ですぐに欲しくなる。
でも追い求めていると
そのうち物足りなくなって、感動するハードルがどんどん上がっていく。

だからきっと私はいま、
好きなことが仕事になったけど、なんかキラキラがとても足りてない。
それって寂しいことだと思う。

精進を重ねた末に、この感覚久しぶりにゾクゾクする!
なんてことももちろんある。
それをいつまでも体験したいから、きっと辞めれないんだと思う。

⑤人生死ぬまで勉強、精進あるのみ

結局、好きなことを好きで居続けるにはもうこれしかないんだと思う。
新たな刺激を得るには自分のレベルを上げ続けなければならないし、どんどん強くなるラスボスを永遠に倒し続ける日々。
ドM耐性MAXないとやってられません。
これってけっこうキツくて、好きは仕事になったけど永遠に闘いは続くのねという話。

(でもきっと、10年後20年後はまた違った考えになっている気がしなくもない。)

でも、仕事があることも、辞めることを選ばなかったことも、それ自体は幸せで職場のことは大好きです。
それには多大に感謝している。




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