マインドフルネス最強伝説【双極性Ⅱ型寛解の為にやったこと記録3】
こんにちは、双極性障害Ⅱ型で10年位元気がなかったのが、ここ一年くらいで急に元気になったので寛解したということにしているたまです。
寛解に至るまでにそれはもう色んなことを試しましたが、その中でも絶対にマインドフルネスのことは紹介したいと考えていました。
ただ実際のところ、マインドフルネスのやり方等はほぼ一冊の本を参考にしているので、紹介するとしたら実質その本の紹介になるだろうなと考えていたところ #人生を変えた一冊 というお題を見かけたのでこちらで書かせていただきます!
で、その本がこちらの『マインドフルネスストレス低減法』
著者はマインドフルネスの提唱者であるジョン・カバットジン氏です。
あんまり大げさなことは言いたくないんですが、本音を言えば自分の精神状態に納得してない全人類に読んでほしい本です笑
この本の何が素晴らしいか、まぁ私の経験からゴチャゴチャ言うのは後にして、まずどういう内容なのかか、初級の内容を引用しながらご紹介していきたいと思います。
『マインドフルネスストレス低減法』の概要
3部構成になっており、『第一部 「マインドフルネス瞑想法」の実践』では、タイトルの通り数種類あるマインドフルネスのベーシックな方法や実践する際の心構えなどを、実際に著者の運営していたストレスクリニックの患者たちの回復エピソードとともに紹介しています。
一部の最後には実際にストレスクリニックに来た、慢性的な不調を抱える人々向けの8週間プログラムのカリキュラムが丁寧に説明されています。
私は昨年、世情もあり大きく精神状態が悪化して動けなくなったのを機会に、これに本気で取り組んだところ、症状が大きく状態が改善しました。寛解への突破口を開いてくれたのはマインドフルネスだと本気で思っています。
ただ実際カリキュラムを見ると1日合計1時間を週6日は行うなど、結構ハードです。
でもやってみると毎回周りに渦巻いていた絶望や不安が少し遠くに行くので、私はむしろやらないと落ち着かない気分で続けることが出来ました。
ストレスクリニックを出た人も1年後に調査して40%の人が瞑想を日常に取り入れ続けてると書いてありますが、私も今でも週に2回ほど30分づつくらいやっています。
1章に半分くらいの量を割き、続く2章『瞑想によるストレス対処法』では慢性痛、人間関係、仕事、時間(暇すぎるのと忙しすぎるの両方)など、多くの人が抱える日常的なストレスへのタイプ別対応方法を教えてくれます。
私はこの章の『時間ストレス』の章が大好きです。忙しくても辛いし、やることがある筈なのに気力が無くて暇でも辛い、そういう時に自分を追い詰めすぎる前にこの部分を読み返すと心が落ち着いて、とりあえず瞑想すっか!という気分になれるので。
3章『健康と癒しの新しいパラダイム』は健康に対する著者の哲学と、精神医学の研究成果について語られています。原著は1991年に出版されたため、おそらく研究の内容などは大分古いものでしょう。しかしマインドフルネス自体については、実践してみて、この本で過不足なく完成されていると感じます。
ただ最新の精神医学からみたマインドフルネスにも興味があるので、もし最近の本でおススメがあったら教えてもらえると嬉しいですね。
呼吸法のエクササイズ
実際に紹介されている初心者向けの瞑想方法を1つ、引用します。興味のある方は挑戦してみて、良さそうだったらぜひ本を買ってみてください!
こういったトレーニング方法だけでも他に4種類ほど紹介してあり、それに対して効果や意味を説明する著者の文章がまた素晴らしいので。
この後、瞑想するときに重要な7つの心構えを紹介します。
呼吸法のエクササイズ1 -正式なトレーニング
1. あおむけに寝るか、あるいは椅子に座るか、どちらか楽な姿勢を選んでください。座る場合は、背筋をまっすぐに伸ばし、肩を落として、肩の力を抜いてください。
2. 目を閉じたほうが気持ちいいと思う人は、目を閉じてください。
3. 息を吸い込んだときは静かにふくらみ、息を吐いたときは引っ込むのを感じながら、腹部に注意を集中してください。
4. まるで自分の呼吸の波乗りをしているように、息を吸い込んでいるあいだも、息を吐きだしているあいだも、呼吸のすべての瞬間に注意を集中してください。
5. 自分の心が呼吸から離れたことに気が付いたら、そのたびに呼吸から注意をそらせたものは何かを確認してから、静かに腹部に注意を戻し、息が出たり入ったりするのを感じ取ってください。
6. 心が呼吸から離れてほかのことを考え始めるたびに、呼吸に注意を引き戻すのがあなたの仕事です。どんなことに気をとられようとも、そのたびに注意を呼吸に引き戻してください。
7. このエクササイズを毎日都合のいい時間に15分間行ってください。気乗りがしなくても、とにかく1週間続け、生活の中に瞑想法を組み入れることによって、どんなふうに感じるかを観察してください。また、毎日一定の時間を何もせずに自分の呼吸にだけ集中してすごすということについて、どんな風に感じているかを意識してください。
『マインドフルネス瞑想法』への基本的な7つの態度
カバットジン氏は実際の瞑想法の説明に入る前に、瞑想をする時に必要な心構えがあり、重要だと説いています。
①自分で評価を下さないこと
②忍耐強いこと
③初心を忘れないこと
④自分を信じる事
⑤むやみに努力しないこと
⑥受け入れること
⑦とらわれないこと
本にはそれぞれに説得力のある説明があるのですが、この記事ではそれに対する私が経験したその心構えの意味をお話していきたいと思います
①自分で評価を下さないこと
瞑想とは簡単に「何も考えないこと」のような説明がなされがちですが、もう少し正確に言うと、意思と関係なく次々浮かんでくる思考や思い出を、右から左へ流していく作業です。
例えば過去にあったことが思い出されたときに「これは良い思い出」とか「思い出したくない思い出」など、良しにつけ悪しにつけ何か評価をした時点で心はその思い出の中に吸い込まれていきます。
そんな時に「あっ評価を下してるな、やめよ」と思うだけで、その思い出に感情を揺さぶられない場所まで距離を置けます。
実際には言うは易しですが、マインドフルネスを通してこの訓練を積んだことで日常でも、例えば街を行く幸せそうな人を見た時、期待してたことがうまくいかなかったとき、自分は無力だと感じる時に「今他人と自分両方に対して無意識に評価してた、でも評価する必要ないな」という方向に思考を持ってき、無駄に自分を傷つけることがだいぶ減りました。
②忍耐強いこと
8週間は長いです。でも生き方や思考を変える期間だと考えると短いような気がします。
著者の「好きになる必要はありません。ただ、ひたすら続けてください。ためになったか、ならなかったかは、8週間がすぎてから考えてください。今は、練習を続けていくだけですよ」という言葉を胸に続けて、結果的には本当に良かったです。
③初心を忘れないこと
「今この瞬間」へ意識を集中するとき、同じ「今」はもう2度と訪れない。だから惰性で行おうとした時点で心は「今」から離れてしまう。
ということなんでしょうか。この項目は私もちょっと完全にはつかめてません。。
④自分を信じる事
本にも書いてあってその通りだと思ったのですが、「先生や専門家が自分より自分のことを知ってると思ってはいけない」という話です。よくよく自分の気持ちに集中してみて、もうこれ以上やりたくないと思ったら自分の感覚に従うことです。これも人生そのものに当てはまるなと日々感じています。
⑤むやみに努力しないこと
努力とは何か目的・目標があって行うものですが、瞑想は逆で「何かを達成しようと思わずやる」というのが重要です。
本のこの部分に「8週間の間に達成したいゴールを患者たちに最初に挙げさせて『ではこれから8週間の間、それを達成するための努力はしないように』と伝え、ただ現状をありのままに受け入れることを指導する」というエピソードが載っていました。
私も試しに3つ挙げて、その中の一つに「仕事のための勉強を休日に進める」というのがあったのですが、7週間目になって、今までのような気合を入れずに自然と勉強を出来ている自分に気付きビックリしました、マジでビックリ。
⑥受け入れること
時々自分の欲求をうまくコントロール出来ない時があって、そのたびに自分で自分を嫌いになるような感じがしていたのですが、それについて自分自身を受け入れることを意識したら次第に欲求自体を制御できることが多くなってきて、前の記事に書いた自己効力感が高まるのを感じました。
それとともに、必要以上の欲求はどんなものであれ、何か自分の中で感じているストレスに対して身体が発しているアラートであると捉えて、バランスを崩す前にセルフモニタリングして休むことが出来るようになりました。
⑦とらわれないこと
「今自分が考えてること」に対して、一歩距離を置いて観察できるようになった結果、今までなら対人関係で不安でたまらなくなっていたことでも、「相手の気持ちとか事情考えてもなるようにしかならないぜ」という開き直りが出来るようになって、今自分がするべき、自分で出来る事に対して集中できるようになりました。
昔通ってたヨガの先生が「頭の中には何人も小さい自分がいて、それぞれ言いたいことを言ってるの。ヨガで心を鍛えていくと、自分がその時一番聞いていたいことを言ってる自分を摘まんで選べるようになるんだよ」と言っていたのは多分こういうことなんだろうなと今感じています。
この本の好きなところ
この本は上で言った通り偉い学者先生が書いてる本です。
でもその割にはあまり学術的な話は控えめに、読んでて明るくなれるケーススタディや暖かい励まし、胡散臭くならない程度のスピリチュアリズムに満ちていて、読みやすく書かれていると思います。
それは著者カバットジン氏が西洋医学の限界を感じて、日本のお寺に禅を習いに来るほど東洋哲学を尊重して、その精神性の中に現代人が忘れてしまった脳の可能性を見出したからでしょう。
私は何か健康方法を試すとき、「これは良くなるかもしれない」と希望を持てることが何より大切だと思っています。もしかしたら健康法自体の効果より大事かもしれないと思っています。その意味で、私はこの著者の文章以上に信じてみたいと思わせる文章を知りません。
この本の原題『Full Catastrophe Living』の実際の意図は分かりませんが、「生きていくのは大変だけど、頑張ってやっていこう」という意味なんじゃないかと思っています。
これまでも、そしてこれからもcatastropheに満ちた人生かもしれないけど、そういう時にこの本があるから少し安心して前に進める、私にとってはそういう本です。
追伸
前の記事にも書きましたが、実はこの本5年以上前に買って、一回目はカリキュラムをやらずに方法だけ試して数か月で止めてしまいました。
人生の状態によって同じ情報に対してでも精神が開かれてる時とそうじゃない時があるみたいです。
なのでみなさんも昔買った健康法の本など、改めて読み直してみるのも良いんじゃないでしょうか😊
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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