サンジェルマンのパンドミ
母方の祖母はこだわりが強い人だった。
こだわりが強いというか、ルーティンがしっかりと決まっていた。朝何を食べて、いつ洗濯をして、洗濯のあとに何をして、どこで買い物をして、何を買う。それはほとんどブレることがなかった。
朝ごはんは特にそれが顕著だった。メニューは1Lポットになみなみ入った紅茶と、あたためすぎてミルクパンで膜を張っている牛乳(なぜかいつも膜を張っていたから、沸騰させてしまうのだと思う)が鍋敷きに乗せてテーブルの真ん中にある。青い縁取りのお皿には、鎌倉ハムのももハ