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#106 海外でプレーして変化したメンタリティ(後編)|求められる存在になるために

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今回は、後編となります。
まずは、前編となる記事を読んでいただけると話に入りやすいと思います。


さて、カンボジアにいる間に大切なことに気づくことができず、契約を切られてしまった僕はそのあとどのようにして変化をしてきたのか。

僕はその後、モンゴルへと渡ることになるのですが、そこでも仲介人によるトラブルに遭いました。

今回の内容には関係がないので、これは明日にでも書こうと思います。(まあまあぶっ飛んだ内容です。)

国を変えてもうまくいかなかった


さて、そうしてモンゴルでのプレーを始めた僕ですが、ここでも苦しみました。

とはいえ最初の2試合は絶好調でした。
2試合連続で直接フリーキックでゴールを決めて、リーグの中でも紹介してもらっていました。

そのときのフリーキックの映像があるので、もし良かったら見てください。2本目のフリーキックは頭で描いたものがそのまま起きてしまったみたいな感覚でした。(自分史上ナンバーワン:練習試合除く)

僕が加入したクラブは初めてトップリーグに参加するクラブでした。監督は日本での仕事の経験があり、日本語が話せる。
だからコミュニケーションに関しては"言葉の"問題がない。

ここで僕は、

「コミュニケーションには、言葉以上に大切なものがある」

ということを学んだ。この内容についてもまた別の記事で書きたいと思います。

以前の記事で少しコミュニケーションについても言及しているので合わせてお読みいただけたらと思います。

絶好調なのに使ってもらえない

そんな感じで絶好調だったのに、当然試合で使われなくなりました。

僕はその理由が全く理解できなかった。活躍してるのに使わないとか馬鹿じゃないか?とすら思った。

練習でも誰よりも頑張ったと自分は断言できるし、全力を出し続けた。(もちろん他の選手もみんな頑張っていた。)

練習試合でも僕は毎回使ってもらって、覚えている限りでは全ての試合で得点している。

とにかく全ての練習試合で得点しなければ試合で使ってもらえないと思っていた。

そして、それを実行していた。

だけど、公式戦になると急に監督が別人に変わったのかと思うほどに使われなくなった。

その時の僕はイライラしまくっていた。
何をやってもうまくいかない。いくら頑張っても報われない。

そんな感覚に陥っていた。

監督のことを嫌いになっていた。
敵対視していた。

敵だから、助けようという感覚が消えていったと思う。

そんな感じで7、8試合くらいを消化していた。

全然試合に出られない。
でも、チームメイトを勇気づけるために練習場にいくときには無理に作り笑顔をしていた。

サッカーって楽しいのに、凄い辛い。
楽しくない。

そんなことすら思っていた。
だけど、それをぶちまけるのは違うと思っていたから無理に作り笑顔をして、練習中は別人を演じていた。

自分を理解してくれない人を敵対視してしまっていた

そのたき、僕の大好きなサッカー選手とのLINEでの会話の中でとても大切なことを教えてもらった。

試合に出られない僕にはすごく響く内容だった。
その言葉が僕に考え方の変化を与えてくれたと思う。いま、その選手はオーストラリアという地で活躍している。先日、ゴールを決めていたのを見て胸が熱くなった。

「僕は5分でも、10分でも試合に使ってもらったらチームのために活躍できるように準備をしている。」


試合に使ってもらえない僕は、

なんで試合に使ってくれないんだよ?

と思っていた。だから、試合に使ってくれない監督をだと思っていた。

どんどん離れていく心の距離。

そんな状況でいくら努力したとしても、監督は振り向いてくれるはずがないことに気づけていなかった。

そして、自分を理解してくれないと思い込んでいた僕は知らず知らずのうちに

チームを理解するということを忘れてしまっていた。

歩み寄る


僕は、ある日監督にこんなことを話しに行った。

それまで嫌いになりかけていた監督。
敵対視してしまっていた監督の元へ行った。

「僕はチームのためになりたいのだけど、どうしたら僕はチームのためになれますか?」


日本よりサッカーのレベルが低い国、ということから始まった海外でのプレー。

その入り方が間違っていた。

俺を使うのが当たり前。

ここからスタートしてしまっていた。
そうじゃない。

チームを助けるために重要な存在になるべきだった。

それには、求められていることを知ることが必要だった。

いままで歩み寄ることができなかった僕は

磁石の同極同士のように弾き合っていた。自分が変わることができれば引きつけ合うことができたのに。

求められていることを知る

監督は、僕に優しい日本語でこう答えてくれた。

「僕もタクヤ君のことを使いたいです。だけど、僕たちのチームは初めてトップリーグを戦うから、守備をまず1番に考えています。0-0の状態をいかに長く保てるか、そして最後の勝負としてタクヤ君を使いたかったけれど、終盤になればなるほど失点に怯えて、なかなかその一歩を監督として選択できなかった。」

初めて知った。
彼は僕を使いたかった。
使いたくなかったのではなくて、使いたかったけれど使えなかった。

求められていることを初めて理解した。

僕がするべき事は、監督が僕を選択すれば勝てるという考えを持てるように努力する事だと思った。

一般的な言い方をすると、

相手の求めていることを理解して、それに対して応える。

それまでは求められていることを理解しようとせずに、ただ自分の好きなように、全力を尽くしていた。

それが求められていることじゃないからいくら努力しても無駄なんです。

魚屋さんで必死にサッカーボールを販売している感じ。

マグロ買いに来たのに、サッカーボールを買う人が来る確率なんて極めて低いですよね。

ぶっ飛んだ言い方ですが、そんなことをしていたんだと思います。

お魚選びしている監督に、サッカーボールを売りつけていたような感覚です。

とにかく、

①何を求められているのかを理解して、その求められているものになれるかどうか。

②自分という商品を求めている売り場へ移動する

この2つの選択肢を見極めることが大切だと思います。求められる像へと自分が変わるのか、

相手の考えをも変えてしまうくらいに卓越した能力を身につけるのか。


僕はどちらも大切だと思います。

もし、できるのであれば自分の武器をどうしたらチームの勝利に結びつけられるのかを考えて取り組めると尚良いと思います。

最後に

求められることを理解すれば、あとはその求められるタスクを達成できる人材なのかどうかだと思います。

Aという課題を解決してほしいというタスクを与えられたのならば、

そのAを解決できる人材になることができれば、あなたは重要な人材になります。

そして、それがチームの中で唯一あなたにしかできないものであるのならば、それをあなたの武器と呼びましょう。


求められることを理解した上で努力をすることが

正しい努力

と言えると思います。

特に、自分たちの国とは違う文化や生活環境のある国でプレーするためには

同じ目線に立って物事を捉えることが大切だと思います。

僕は最初、格下の国でのプレーという意識が焼き付いてしまっていた。だから、何をしても自分が正しいとなってしまう。

「なぜパスを出してくれない?」

「なんで…」

自分が決めつけてしまっている政界のために

「なんで」という一方的な疑問、不満で終わってしまう。

自分が正しいとか、相手が間違っているとかではなく

一旦、すべて受け入れてみる。

そして、同じ目線に立ってみる。

周りに対して聞く耳を持つこと

そして、批判ではなく、アドバイスでありコミュニケーションへと変える。


「なんで?」ではなくて「どうしたら」に変える作業とも言えると思います。

これまで前編と後編に分けてストーリーに基づいて書いてきました。

ここで学んだこと、海外でどう適応していくのかを「まとめ編」として皆さんの今後の材料にしていただけたらと思います。

それを踏まえた上で勝負すれば、きっとあなたの全力が評価され、活躍することができると思います。


近日、公開いたしますのでよろしくお願いします。

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