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『日本のシン富裕層』に学ぶ海外移住のすゝめ

今日も今日とて読書感想文をつらつらと書いていく。

今回読んだ本はこれ。

先月に出版されたばかりの出来立てホヤホヤの本だ。



著者である大森健史さんは、投資家・資産家向けに海外生活コンサルティングやサポートを行なっている方で、海外移住や長期滞在に関して2万人からの相談実績がある方である。

そんな投資家や資産家(いわゆる富裕層)を相手にビジネスをしてきた著者だからこそわかる、現代の富裕層の人たちの特徴や考え方が書かれており、「シン富裕層」の生態系がわかる一冊だ。

さらに、海外移住に関しての記述もたくさん含んでおり、海外移住に関しての各国の規制情報や決断する際の考え方など、良質な情報が盛りだくさんであった。



僕はこういった類の本をよく読む。例えば以下のような。

今回読んだ『日本のシン富裕層』も含めて、どれも富裕層と呼ばれる人たちの生態系について書かれた本だ。

シンプルに彼らの生態系に興味がある。サッカー界で活躍するスーパースターたちの生態系を知りたいのと同じように、資本主義社会の中で富が集まっている富裕層の生態系はとても興味深い。

僕らは普段彼らのような人たちにはなかなか会うことがないので、想像で彼らの存在を想像する。「高級車を乗り回して」とか「高級料理を毎日食べて」とか。

もちろん、実際はそうではない。お金持ちほどお金に厳しいし、税金や法律といったものを常に気にしている。高級車に乗りたいから買うのではなく、価値が下がらないリセールバリューの良い車を買っているのだし、大きな買い物をするのはだいたい節税を見込んでのことだったりする。

最近の富裕層は特にそういった派手なお金の使い方をしない。物欲がなく、服装に無頓着なタイプが多い。側から見て富裕層だと気づくのが難しいそうだ。

そして、逆説的だが彼らの大半は「お金持ちになりたい」というモチベーションで働いているわけではなく、「面白いからやりたい」という動機で仕事をしていて、その結果お金がついてきているのだったりする。

シン富裕層は、「お金持ちになりたい」というモチベーションで働いているのではなく、その仕事をやりたい、面白い、と思っているから動いている(働くのではない)ようにも思えます。お金はあくまでその結果としてついてきたということです。

大森健史『日本のシン富裕層』(朝日新聞出版、2022年)

彼らは凡人とは違うマインドを持っているからこそお金持ちなのである。これを僕ら一般庶民は勘違いして、想像で彼らの生活を想像しているから僕らは一生彼らのようにはなれないのだ。

プロサッカー選手になりたいのであれば、想像ではなく現実の等身大のプロサッカー選手について、「どのくらい毎日練習しているのか」「サッカー以外ではどんな生活をしているのか」などを細かく知る必要がある。それと同じようにお金持ちになりたいのであれば、マインドも含めてお金持ちの本当の姿を知る必要があるのだ。

そういった意味で、「お金持ちになりたい」という願望がある人には上記の3冊はとてもおすすめできる本だ。




『日本のシン富裕層』を読んで、海外移住についての情報を知ることができたのも大きな収穫だった。

各国における永住権の取得条件をはじめ、海外移住についてのたくさんの情報を知ることができた。この「情報を知る」というのがとても大切なことで、情報を知ることで海外移住が選択肢になるし、その実現条件を知ることで具体的に計画を立てることができる。

クリケットを知らない子どもが急に「クリケットやりたい!」と言わないように、情報を知らないことは選択肢を持っていないことと等しい。これだけ目まぐるしく変化する現代において、選択肢の少なさは生存確率に大きく影響する。もちろん、選択肢が多すぎることでの弊害もあるが。

さらにこういった各国の移住に必要な条件(永住権の取得条件や必要な資産の金額など)は国際情勢によっても変化する為、定期的にアンテナを貼っておきたい。

(ちなみに、詳しくは本書を読んでいただきたいのだが、個人的に意外だなと思ったこととしては「ポルトガルがおすすめの移住先」ということ。)



また、「富裕層はなぜ海外移住をするのか」など、海外移住に関しての考え方を知ることができたのも大きな収穫だった。

まだ完全に決断したわけではないが、ほぼほぼ意志は固まり、僕はドイツに移住する話を進めているところだ。そんな状況もあり、海外移住が自分ごとになったいま、彼らの考え方が大きく参考になった。

「海外移住」と聞くと、大きな決断のことのように思えるが、富裕層の人たちからするとそうではないようだ。

かつての海外移住といえば、船に乗ってテープを持って、「永遠の別れ」みたいなイメージがあったと思いますが、今はもっともっと軽い感じになっていて、「仕事がちょっと落ち着いたから、子どもと2人で数年行ってきます」「今はテレワークで大丈夫なので、とりあえず2年間ハワイに行きたいんですよね」などと、あくまでも自己実現の選択のひとつで、重い決断ではないという方がほとんどなのです。ここまで「海外移住」という言葉を使ってきましたが、正確には「海外活用」「海外引っ越し」という言葉のほうが、現状に合った言葉だと感じています。

大森健史『日本のシン富裕層』(朝日新聞出版、2022年)

こうしたいろんな人の意見や考え方に触れて、自分の判断をブラッシュアップしていければいいなと思う。




というわけで、『日本のシン富裕層』を書いてくれた著者と1000円にも満たない金額でこれだけの良質な情報が得られる現代に感謝し、これからも本を読んでいきたい所存だ。

ではまた。


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