旅のボードゲーム制作過程を全公開
今ぼくは「旅をつくるカードゲーム "いったび"」というボードゲームを制作しています。
まだ制作途中ではあるのですが、すでにクラウドファンディングにて注文を受け付けていますので、気になる方は見てみて下さい。
(あとひと押し!支援お願いしますm(__)m)
今回の記事では、ボードゲーム制作が初めての僕が、なぜボードゲームを作ろうと思い立って、実際にどうやってゲームを形にしてきたのか?を書いていこうと思います。
すでにこのゲームに興味を持ってクラウドファンディングで支援を頂いている方はもちろん、単にゲームが好きな方、旅が好きな方、これから何かプロダクトを手作りしたいという方にも読んで頂くと面白いのではないかなと思ってます。けっこう長くなりますが最後まで読んで頂けると嬉しいです!!
最初に、なぜ作ろうと思ったのか?
最初の動機はシンプルで、ボードゲームが好きだから。
個人的に副業で関わらせてもらっているボードゲーム研修 #マーケティングタウン を作った山本龍之介くんも実は旅が大好きで、僕たちTABIPPOのイベントにも出て頂いていました。
そんな彼と話す中で「旅のボードゲーム作ろうよ」となったのが1年半くらい前のこと。すごく軽いノリでした。
コロナが来る直前くらいの去年の2月にこっそりと企画会議をしていたのが懐かしい...。
しかし、その後コロナが襲来。
テーブルに集まってボードゲームをする雰囲気ではなくなってきたのと、それぞれの本業にも影響が出てきたりして、なんとなく企画は自然に中断。
今回のプロジェクトの発端はこんな軽いノリで始まり、あっさりとストップしました。
ゲームを作る意義を感じるようになったコロナ自粛
このあと、今ではすっかりおなじみの緊急事態宣言が発令されたり、東京オリンピックが延期になったり、GOTOトラベルが物議を醸したり、旅行観光業界はコロナの影響をもろに受け、僕たち旅行者も満足に旅ができない世の中になりました。本当は楽しいはずの旅も、SNSで発信してドヤることもできなくなり、旅の計画を立てることすらどこか後ろめたさを感じるようになっていきました。
テレビのニュースを見ると医療vs経済の対立構造で無数のポジショントークが繰り広げられ、答えのない議論が延々となされていました。経済の話題の中心にいたのが、飲食と旅行でした。
2019年までは誰もが自由に旅ができました。観光客も毎年過去最高を更新し訪日外国人も激増。日本全国が観光誘致合戦をしていました。当然、医療関係者だって高齢者だって、誰にだって関係なく旅は楽しいものでした。
本来楽しいものであるはずの旅が、そうではなくなってしまった。
ここに違和感を感じ、何かできることはないか?これに対して思い出したのがボードゲームでした。
家にいながらでも楽しめて、これからの時代に合った旅のプランをつくれるになるゲームをつくろう。
改めて旅×ボードゲームに意味を感じ、中断していたプロジェクトが動き始めました。ここの「なぜ作るのか?」の動機が何より大切だと思います。
まず仲間集めからスタート
まず最初にやったことは仲間集め。
せっかくなら旅が好きな人達を集めて、たくさんの人を巻き込んでつくろう。そのほうが広がりも生まれるし、純粋に仲間が多いほうが楽しいし。そんなことを考えて「ゼミ」という形式で、学びながらゲームをつくる企画をリリースしました。
集まった参加者は16名。参加費も頂いており、ゲームの制作にかかる費用としてあてさせて頂いています。
そこにデザイン・マーケティングなどの各領域の専門家にも講師として参画して頂きました。
これはやってみて感じていることですが、自分だけでつくるとなると、経験やノウハウがないのは当然ですが、物理的な作業量や必要な時間を確保するだけでもかなり大変です。
役割分担しながら適材適所で制作を進められるという意味でも、大変な作業を一緒に進める仲間がいるという意味でも、こういうゼミ形式で制作をスタートしたのは正解でした。何より制作活動を通して、旅とゲームが好きな人達がお互いに繋がって仲良くなり、一緒に旅行に行ったり家に集まってゲームをしている光景を見るだけで嬉しい気分になります。
ゲームってどうやって作るの?
仲間は集まったけどゲームの作り方がわかりません。
ここはボードゲームクリエイターのりゅうのすけ君に主導してもらいました。
ざっくりの進め方はこんな感じです。
①なぜ作るのか?に立ち返ってゲームのコンセプトやターゲットを決める
②たたきルールを持ってきてもらい、何度もテストプレイ
③何度もテストプレイ
④何度もテストプレイ
⑤何度もテストプレイ
⑥何度もテストプレイ
⑦何度もテストプレイ
⑧細かい微調整
⑨ルールブックに文字で説明できるレベルまで言語化
今回はオンラインでもプレイできるルールを開発しているので、何度もzoomを繋いでテストプレイを繰り返しています。
集まったメンバーの中から「ルールチーム」を結成して、とにかく何度も何度もプレイを重ねて細かい微調整をしてもらっている最中です。
デザインとコンポーネント
ゲームのルールができてもそれだけだとゲームは完成しません。実際に現物にする作業が必要です。
今回用意する必要があるのはこちらの観光地カードとアクションカード。
特に観光地カードは、日本全国100ヶ所の観光地を掲載するという企画になっており、これを100ヶ所揃えることにすごく苦労しました。
まず写真。当然google検索で適当に拾った写真を使うことができないので、自前で用意する必要があります。しかしプロのカメラマンが集まっているわけでもないし、100ヵ所全てに行ったことがあるわけでもありません。
そこで、ゼミメンバー以外の一般の旅好き消費者のみなさんから、旅の写真を募ることにしました。
困ったら仲間を集めて手伝ってもらう。これが今回の制作の基本方針です。笑
幸いなことに多くの方にご協力頂き、フリー素材やフォトストックなどを一切使わずに、100%旅人の自前写真を集めることができました。つまり、100枚の観光地カードに使われている写真1枚1枚に、誰かしらの旅の想い出やエピソードが詰まっているということです(なんかエモい)。
そしてその写真にあった、観光地を説明するテキストも全て自前で制作しました。端的にシンプルに、でもしっかりと観光地の情報や魅力が伝わる内容に。一言一句妥協せずに、丁寧にテキスト作成を行いました。
しかしそれではまだ完成しません。実は「観光地への許可取り」という作業が発生します。写真やテキストの著作権をクリアしても、そもそも「その観光地や施設を使わないでほしい」という観光地側からの声があったりするのです。
「この写真とこのテキストでカードをつくりたいのですが・・・」という連絡をコツコツと送り、観光地の方から許諾を得る作業をしていきます。逆に言うとゲームに使われる100枚は「観光地公認のカード」になっているということです。
最後に集まった写真やテキストなどの素材を、デザインに落としてきます。デザインについては僕に話せることはないので笑、今回監修で入って頂いているZ世代のデザイナー、つだしんご君のnoteをぜひ読んでみて下さい!
(旅とかゲームとか関係なく、ものづくり・デザインに興味ある人は、プロのデザイナーの頭の中が見えるみたいで、すごく勉強になります!)
当然、カードだけではなくパッケージやハコのデザインを考えたり、紙一枚一枚の素材をどうするか、形やサイズはどうするか、どこの印刷会社に頼めばいいか、などを考える必要もあります。「デザインチーム」を結成してデザインに関連する部分全てを進めてもらっています。
予算の問題
これからゲームを作りたい!という人は予算をどう捻出しているかも気になるのではないでしょうか?ゲームをつくるには当然制作費がかかります。
今回は2通りの方法で予算確保を行いました。
1つ目は、一番最初に紹介した制作メンバーの会費を制作費に当てさせて頂いています。ただ会費を集めるだけではなく、学びややりがい、出会いや繋がり、ゲームを作ったという実績、色々ありますがメンバー1人1人が関わりたいと思える理由を用意することが重要で、しかもけっこう難しい部分でもあります。オンラインサロンなどで会員さんと一緒に制作活動をするプロジェクトなどもあると思いますが、それも似たような感じですよね。
2つ目は、クラウドファンディングを行うことです。「売れれば何だって一緒」と思うかもしれませんが、クラウドファンディングでの販売は基本的には受注生産。支援金額・個数に応じて印刷部数を決めることができるので、在庫あまりや過発注のリスクが少ないです。とはいえ印刷費用以外に固定でかかる費用もあるので、クラウドファンディングがコケると全然赤字はありえます。(現在クラファン中&印刷業者選定中なので、ここの予算と絶賛格闘中です)
ちなみに今回のプロジェクトは、会社の事業として伸ばすというよりは、観光復興のためになにかできないか?という大義のほうが強いので、ほぼ利益が残りません。いいものをつくるために、たくさんの人に届けるために、コストをかける感じになってます。
どうやって売るか?
今絶賛クラファン中で「成功した」と言えるわけではないのですが、どういう方法で販促を行っているのかを簡単に書いていきます。
まず大前提、クラウドファンディングでの販売は「個別の連絡」が一番大事です。公開前からコツコツと買ってくれそうな方に連絡をして、公開初日の時点で「それなりに支援が入っている状態」を作ることが重要です。
あとはそもそも商品のことを知ってもらう必要があるので、直接リーチできる人には個別に紹介したほうが確実に情報が届いて結果的に一番効率良いです。とはいえこれだと人脈勝負みたいになってきます。
これ以外にやっていることは、旅好きインフルエンサー・観光地・写真提供者の巻き込みです。
旅が好きなインフルエンサーの方に連絡をして商品の告知を行って頂いたり、掲載している観光地に連絡して情報発信をお願いしたり、写真提供者の方に「写真が使われました」と口コミをしてもらったり。こういう地道なアプローチで口コミを生むのが基本戦略です。
予算に余裕があれば広告を出稿したりYouTuberとタイアップしたりしたいのですが、そうはいきません。本当はテレビとかに取材されたい。
とはいえまずは目の前のできることを積み重ねていくことが一番大切だと思います。そういう積み重ねがどこかでうまく噛み合って、大きく跳ねるきっかけが生まれるはず。
このnoteを読んでるみなさんも、ぜひ支援&拡散のご協力を頂けると嬉しいです。
大義名分・コンセプトを外さない
プロジェクトを進める中で一番大切だなと感じるのがこれです。
楽しいゲームをつくる、クラファンで売る、これが目的になってしまうと今回の趣旨からは逸れてしまいます。
「旅の楽しさを取り戻す」
これが今回のプロジェクトのコンセプト。これに立ち返って、ルールを開発したり、カードを作ったり、デザインを考えたりしています。クラウドファンディングのテキストもその想いを込めて書きました。
旅が好きな人、でも純粋に旅が楽しめないいまの状況にモヤモヤしている人、旅行・観光に携わっている地域・事業者の人、そういう人に少しでも届けばいいなと思って #いったび をつくっています。
一緒にゲームを広めてほしい
今回作っているのは1人で読む本ではなく、複数人でプレイできるゲームです。
ゲームを1つ買ってくれた人が、5人でプレイする機会を2回つくってくれるだけで10人の方がゲームをプレイすることになります。つまり10人の中に旅について考える機会が生まれ、旅を通して楽しい時間をつくり出すことができます。
今回のnoteを読んで上記のコンセプトに共感頂ける方がいましたら、ぜひゲームを手に入れて、まわりのご友人ご家族たちと一緒にプレイして頂きたいです。
ゲームをGETした一人ひとりが「旅の楽しさを取り戻すアンバサダーになる」という役割を担うことになります。みなさん自身が起点となって、何気なくゲームをプレイする中で、自然と旅に対するポジティブな時間が生まれ、少しずつまた旅ができる世の中になっていく。そういう世界観をつくっていきたいと思っています。
まとめ
以上が「いったび」の制作過程とゲームに込めた想いになります。
これまでゲームなんて作ったことのなかった僕が、ただ単に好きだからという理由でプロジェクトをスタートし、たくさんの人の協力のもとで少しずつ形になってきている今の状況をすごく嬉しく感じています。
ゲームの完成まではもう少し時間がかかりますが、完成したらたくさんの人とプレイして頂き、感想をSNSなどで投稿して頂けると嬉しいです!(毎日#いったび でエゴサします)
「あ。そういえばまだ買ってなかったわ」という方はこっそりこちらから購入をお願いします!
久しぶりのnote更新なのにめちゃ長くなってしまった。
最後まで読んで頂きありがとうございました!いったび!
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