「集いが伝播する。」コミュニティがメディアになるということ。
稲取が面白い。
人口5000人の小さな田舎町に、去年1年間で20代前後の若者が10人ほど拠点を持った。
コロナ禍で地方移住の加速もあって、稲取を含む東伊豆町全体で、転入者数が転出者数を上回る「社会増」も30年ぶりに実現した。本当に、すごい!役場や町民の皆さんの努力の結晶だと思う。
ただこれは、「各世代を足し合わせた合計では社会増だった」というだけで、世代別に細かく見ると、10代は9人、20代は29人、転出の方が多かった。若い人はやっぱりまだ流出している。そりゃそうだろう。
3年以内には、「全世代で社会増」を実現したい。
それができたら、本当に快挙だと思う。不可能なことじゃない。大学生が9人、若手社会人が30人、町に移り住んでくれば、実現しちゃうのだ。
「都会でヒマしているそこのあなた。あなたが来たら、町の歴史、変わるかも知れません」
そんな言葉を、この記事を読んでくれるあなたに贈りたい。笑
集いが人を呼ぶ、「コミュニティメディア」という可能性
そんな稲取だが、そもそも若い人はどうして来てくれるのか、それがとても面白い。
稲取の発信力は、正直まだまだ普通だ。笑
もちろん観光地なりに頑張っているけれど、すごくうまいかと言うと。そうでもない。EASTDOCKのInstaは400人くらいだ。笑(フォローして下さってる皆さん、ありがとう…m(_ _)m)
でも、まだまだ多くはないけれど、定期的に色んな若者が訪れて、この街を味わって、好きになってくれる。彼らが来てくれる理由が面白い。
「友人の○○が、稲取で楽しそうに仲間と暮らしてる投稿を見て、一回行ってみたいなぁって。」
多くの人が、そう言ってくれる。
稲取で、若い人たちが、楽しそうに暮らしている。
それを各々が自分のSNSでシェアして、その「楽しげな集い」を見た人が、街そのものに興味を持って訪れてくれる。「観光スポット」ではなく、「暮らしそのもの」に惹かれて来てくれるのがポイントだ。
最近は自分たち若手の移住者を町長室にも呼んで頂き、町長と語り合う様子を伊豆新聞の一面にも載せていただいた。「住んでいるだけで町の長に招かれる」、そんなこと想像できるだろうか。笑
それくらい、田舎では「(若者が)集う」ということ自体にインパクトが有り、その噂が広がってまた新たな仲間を呼んでくれている。
これは、集い(コミュニティ)自体が、街の魅力とまだ見ぬ旅人をつなぐ媒体(メディア)になっているということ。「集いが伝播する」ということだ。大衆に発信するマスメディアや、個々人が発信するソーシャルメディアとはまた少し違う。
「コミュニティが、メディアとなる。」
稲取が、そんな広がり方をするとすれば。
この街に集う僕らがすることは簡単で、「とにかく楽しく暮らす。」それだけ。笑
自然豊かなこの街に暮らす一人ひとりの、楽しげで、この街らしい自然体のバイブス(波動)が、コミュニティを通じて、風に乗って、外部へと伝播していく。そのバイブスに合う旅人が、興味を持って外から来てくれる。
そしてこの街らしいカルチャーがさらに育まれていく。大掛かりな広告や小難しい戦略ではなく、まず何より、その街らしい「楽しさ・心地よさ」が真ん中にある街づくり。
「コミュニティメディア」というあり方を真ん中に置くなら、できることはまだまだある。
他にもいっぱいあると思う。
そんな風に、楽しくて自然体な暮らしを通じて、集いの輪が自然と広がっていくあり方を、これからも大事にしたいなと思う。
こんなこと書いてるけれど、僕らができてることはまだまだ微々たるもの。
少子化の課題なども相変わらず深刻だ。(2019年から2年で出生数が半減したとのこと…なんとかしたい…)
街が生まれ変わる無限に面白い可能性が、まだまだこの街にはあるし、今いる人達じゃ全然人手が足りていない。笑
ふと興味を持ってくれたそこのあなた、ぜひ、お待ちしておるよ〜!ふらっとおいで!
宿はこちら!
Instaでも日常を発信しております〜!
※「コミュニティメディア」という言葉は、従来は「(何らかの)コミュニティを対象としたメディア(情報媒体)」という意味で使われることが多いけれど、この記事では、「コミュニティそれ自体が、(他の誰かに対する)メディアとなる」という意味で使っている。