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若手の”やりたい”に応えるクリエイティブスペース

挑戦を支える全国各地の皆様に光を当てるSupporter Interview。今回のインタビュー対象は新潟県の上越地方でクリエイター向けコワーキングスペースを掛けられている瀧澤 但さん。クリエイティブ領域に特化して人々が集い共に働く場所を開設された想いについて伺いました。


── 瀧澤さんの現在の取り組みについてお聞かせください。

事業としてデザインから印刷まで様々手掛けています。特に現在動いているのはインターネット写真販売サービス。全国のカメラマンの皆様から学校や保育園で撮影された写真のデータを共有いただき、全国に高品質で印刷してお届けしています。


様々な印刷機器が設置された瀧澤さんのコワーキングスペースの様子

── その事業は瀧澤さんにて始められたのですか?

そうです。20年ぐらい前に東京から上越に戻ってきて、ITを活用したサービスを始められないかと考え、いくつか事業を スタートさせ生まれてきたうちの一つです。


── ITと印刷を掛け合わされた背景はお聞かせいただけますか?

ただITを活用した事業を作るとなれば東京に勝てるわけがないんです(笑)開発の技術も品質も東京は桁違い。となればIT単体で勝負するのではなく、必ずマンパワーでケアする部分が必要になるような事業を作っていこうと思ったんです。


── 地方でも生き残れるように、ですね。

東京で同じ土俵で戦わないことが大事だと思っています。ただ、地方だから仕方なくその事業をやらなくちゃいけない、といったネガティブな考え方ではなく、これをきっかけにして地方でITを切り口にの可能性を切り開けるんじゃないかと思っているんです。


── 地方でITの可能性を切り開く。

ここ数年テレワークが浸透したこともあって、かつては東京だけで開発されていた方々、東京だけでデザインに従事されていた方々、そんな皆様が上越地方にも時折いらっしゃるようになったんです。もし弊社がITを切り口にしていれば、そんな最先端の皆様とご一緒でき、地方から新しいコトを起こしていけるんじゃないかと。


── クリエイティブスペースbibitを開設されたのも同じ想いでしょうか。

「コワーキングスペースを作ったよ!みんなで一緒に働こう!」というメッセージも勿論持ちつつ、自社とITを通じてコラボレーションできるクリエイターの皆様と出会い、新しいアイデアや事業が生まれる場所になればいいなと思っています。


クリエイティブスペースbibitの様子


── オープンして間もなく一週年とお伺いいたしましたが、実際に何か新しいコトが生まれる気配は感じられていますか?

現時点ではご縁が繋がりスクール事業が始まりました。小学生が学校を終えた後、放課後の時間に預かるアフタースクールという仕組みがあるのですが、弊社のものは単純に預かるだけでなくデザインやWEB製作の基本も学べてしまうことが特徴です。


── どういった経緯でしょうか?

実は元々、クリエイティブスペースで中高生向けにデザインスクールを開きたいと思っていたんです。そんなことを会場に起こしくださった皆様にお伝えしていたところ「小学生向けにまず一緒にやってみませんか?」とご提案いただきキックオフすることになったんです。


── 実際にコラボレーションが起こり始めていて、本当に素敵です。瀧澤さんがデザインスクールを開きたい背景についてお伺いしてもよろしいでしょうか?

「やりたいけどやれない」がまだまだ残っていると感じたからです。世間ではプログラミングが義務教育に導入されることになり、それを教える皆様も増えてきたと感じていますが、デザインに対する期待はまだ満たされていないのかなと。


── デザインに対する期待

例えば高校に「美術部」があったとしても、鉛筆とキャンバスでデッサンをしたりとか、伝統的な活動が大半を占めています。このクリエイティブスペースのようにPCを使って3D CGをゴリゴリするようなものは話に聞かない。


── 自分も人生の中で一度も出会ったことがありません(笑)

けれどもスマートフォンを開けばありとあらゆるコンテンツが最先端のデザインで作られていて、もし何か「自分でやってみたい」という気持ちを抱いたとしても、鉛筆だけを握り締め続けていては何も出来ない。


── 知識も技術も機材もない。

親さえも「これどうやって作るの?」「どうやって勉強できるの?」と子供に尋ねられても分からないですし、本人が自分自身でデザインのやり方をググったとしても、それを実現できる環境を整えるのは容易じゃない。ソフトもハードもいろいろと高いですし(笑)


── それを解決されたいわけですね。

都市部だと、デザインを生業にしている人も多かったり、親御様も感度が高く子供たちにそういったものを提供されているケースは時折聞くものの、まだまだ地方ではそうなっていない。だからこそ自分は、若手の「どうしてもやりたい!」「よくわからないけどやってみたい!」そんな気持ちに応えて一歩を踏み出せる場所を作っていきたいんです。


デザインも学べるアフタースクールの様子


── StartupWeekend(以下SW)を開かれたのも、そんな想いがあってこそでしょうか?

「何か新しいことを始めたい!」「チャレンジしたい!」そんな気持ちを持つ人がデザイナーに限らず集まる機会を設けることで、何かが生まれてくると感じたからこそです。SWとクリエイティブスペースの親和性はとても高いと感じています。


── SWは如何でしたか?

率直な感想で言えば、熱い想いを持った若い人がこんなにたくさんいたのかとびっくりしました(笑)もっとみんな、冷めているかと思ったんです。自分で変えられることや、作っていけることなんて、ほとんどないと。けれどもここに来る人たちはみんな、自らの力で生み出し、変えていこうとする火を心の中に持っていらっしゃって、自分がハッとさせられました。


── 当てられたわけですね。

火をもっともっと継続して灯さなくちゃいけないと本気で思いました。今まで上越には、こんな機会はなかったんです。くすぶっている皆様が動き出せる、仲間と一緒に火を燃え上がらせられる、そんな機会を未来の上越を担う若手にもっともっと届けなくちゃいけないなと。


── アイデアをカタチにする場には、他にどんな価値があると思いますか?

「様子を見て分析して議論することも大事だけれども、まず行動することが大事」これに尽きると思います。中本さんもずっと仰っていましたが(笑)


── 瀧澤さんにとっての「行動」とは?

妄想を打破する手段、と考えています。アイデアがあっても、行動が伴わなければ、それはアイデアではなく妄想だと自分は思うんです。


── 行動が伴わないアイデアは妄想。

アイデアをカタチにしようと思えば、大なり小なり踏み出せる一歩がある。人に話してみるとか、自分で手を動かしてデザインしてみるとか、いろんな一歩が。それを半歩でもいいからやってみること。上手か下手かも関係なく挑戦してみること、それこそが行動だと思うんです。それがアイデアと妄想を分かつ境目。


── 何か行動の具体例はありますか?

続きは下記よりご覧ください。


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