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コワーキングで実証実験!アイデア創造の普遍化

 挑戦を支える全国各地の皆様に光を当てるSupporter Interview。今回のインタビュー対象は香川県高松市のオープンイノベーション拠点でコーディネーターを務めつつ、プランナーとして全国各地でイベント企画などを手掛けられている池嶋 亮さん。中長期でアイデアが育まれるコミュニティの秘訣と想いについて伺いました。


── 池嶋さんの現在の取り組みについてお聞かせください。

香川県のオープンイノベーション拠点「Setouchi-i-Base」にてコーディネーターを務めています。会員様の相談に対応したり、イベントの企画運営を務めています。それがまず一つですね。

コーディネーターとして会員の皆様の相談に乗る池嶋さん


── 他にはどんなご活躍を?

個人のプランナーとして全国の商業施設で主にプロモーション企画や、企業で研修イベントの設計なども担当させてもらっています。


── 多彩にご活躍されていらっしゃいますね。普段は高松にいらっしゃいますか?

実は普段は大阪で、週に一度だけ高松に赴いています。


── 今のお仕事を始められるきっかけは何かありましたか?

前職は大阪の大型商業施設でイベント企画やプロモーションを担当していました。そこで様々な分野の最前線で活躍されている専門家と出会ったのがきっかけですね。その方々との会議は本当に刺激的で、1つの課題に対していくつもの解決案がポンポン出てくる。ナチュラルボーンのアイデアマンというか、あぁ、天才ってこういう人なんだなーと。笑


── ナチュラルボーン(笑)

ただそこで「わーすごーい」で終わりたくなかったので、自分なりにこの人たちにどうやったら勝てるかずっと考えてたんですよ。どうやったらその高みに1mmでもいいから近づけるか。必死に観察を続けていました。そしたらある日、その方々が言っていることの法則性というか、フレームワークのようなものが、朧げながら見えてくる瞬間があったんですね。分野は違えど、皆さん言ってること同じなんじゃないか?って。たくさんの武器を持っているわけではなく、どんなものでも切り裂くことの出来る名刀を1本持っているんじゃないか、と(笑)


──  本質を掴めたと。

もちろん仮説です。けど、「もしかしたらこれなんじゃなかなー」と。そしてその時に思ったんです。この刀って、もし天才じゃない自分も使える刀だったら、自分以外の誰もが簡単に使えるようにできるのでは?と。たくさんの人がアイデアぽんぽん出せる世の中になったら面白いんじゃないか?って。そこで自分はワークショップを試しに始めてみたんです。すると面白いことに、今までアイデア発想とかが苦手な人でも、それなりに何か出せるようになる。その場を通じてアイデアを閃き始めたんです。


──  紛れもなく名刀だったというわけですね。

もちろん使い手によって切れ味はだいぶ違うでしょうけどね(笑)その証拠に、自分は参加者としてStartupWeekend(以下SW)ではまだ1回も優勝できてないです(笑)そして同時に自分は、アイデアが閃いた時や、ここから何か新しいことが始まる!って人が感じた瞬間の表情が本当に輝いて見えて、それがすごく好きになってしまい、そこからアイデア発想とかワークショップとかにのめり込んでいっちゃいました。

アイデア発想のワークショップを手掛けられる池嶋さん


──  SWに参加されたのは、その刀の切れ味を確かめるためでしたか?(笑)

どちらかというと、磨き上げるためでしたね。全世界でアイデアをカタチにする始まりの場としてテンプレ扱いされているなら、そこにはきっと他を圧倒する普遍的な方程式があるハズだと。どんな仕組みでアイデアが生まれてくるんだろう。どうやってカタチになっていくんだろう。今自分が掴んでいる仮説と何が違うんだろうと、知りたくて仕方がなかったんです。


──  アイデアはどうやって生まれるのか。

将来的には大学院とかで研究したいと思えるほど、魅力的なテーマだと思っています。人の頭の中で起こる化学反応というか、メカニズムが知りたいです。


──  池嶋さんは現在、アイデアを生み出したり、カタチにしたり、また誰かのアイデアを育て支えることをお仕事にされていらっしゃいますが、どう感じられていますか?

最高ですね(笑)凄くいろんな人に喜んで貰えますし、何より楽しいし、ありがたいです。自分の看板商品にできるよう引き続き磨いていきたいと思います。


──  看板商品。

アイデアを生み出す方程式は、まだまだ世間では認知されていないと思ってるんです。それは天才たちの特権だとされている。特殊能力だと思われている。もちろんトップ層はそうかもしれない。でも義務教育時代を思い出してみてください。算数・国語・理科・社会と色々学びますけど、「発想」なんて誰も教えてくれないんです。大半の人は、習ってないからできない、なんじゃないかと。


──  学んだ記憶が確かにないですね。

そうなんですよ。時々世の中にはいるんです。学んでいなくても天然で出来ちゃう人が。けれどもそんな人って極めて稀。タクトさんのように理解して使いこなしている人には滅多に出会えない。けれども社会ではメチャクチャ求められている。「いい案はないか!」「いい企画を捻り出せ!」「いい事業を生み出せ!」って(笑)


──  学んだこともないのに求められ続ける社会人生活(笑)

そんな無茶苦茶な話ないですよね(笑)自分はそれを打破したいんです。アイデア発想という分野を学問にしてしまって、それを当たり前に学べるようにできないかと。学生時代に「アイデア発想」を学び、得意とまではいかなくても、簡単にぽんぽん出せる苦手意識のない状態で社会に旅立っていく。そしたら世の中もっと面白くなるんじゃないかと。なので、密かに抱いている将来の夢は、大学でアイデアに関する教鞭を執っていることです(笑)


──  誰もがアイデアを出せる世界。

アイデアって、世界を良くするものだと自分は思うんです。スタートアップは課題解決を通じてスケールするからこそ世界に貢献する。けれどもアイデアはスタートアップだけの特権じゃなく、当たり前に誰もが身の回りで活用できる存在であって欲しいなと思うんです。


──  世の中にはアイデアに関する書籍や方法論が溢れ返っていますが、それでもまだ世界ではアイデアが当たり前ではない。そこにどう池嶋さんは立ち向かわれますか?

フレームワークだけが提供されていることが原因じゃないかと自分は感じているんです。剣術の指南書を読んだからといって刀を自在に操れるかというとそうはならない。使いこなすための実践、その実践を支えるファシリテーションが必要であると自分は考えています。

実践とファシリテーションの両輪を手掛けられる池嶋さん


──  両輪が必要であると。

もちろん、今の世の中にあるフレームワークは大事です。けれどもその真価を発揮させるファシリテーションがセットになって、誰もが目覚めていく、そんな未来になれば面白いことになると思うんですよ。ちなみにこの両方が見事に揃って凝縮されているのがSWですね(笑)コミュニティも育ちますし、魅力的です。


──  コミュニティが育まれるためには何が必要だと考えますか?

たぶん「非日常体験」じゃないかと。単なる交流会では「知り合い」ができ、複数回セミナーでご一緒すれば「友達」ができ、SWのような超濃密で非日常な時間を共に過ごせば「心の友」が出来上がる。


──  非日常体験。

どうしても交流会やセミナーだけでは日常の延長線上になってしまって、誰か他の人と出会う時も他人行儀、名刺交換だけになってしまう。会社のこととか、世間体とか、いろんなことを気にしてしまって自分の心の中を相手に伝えるなんて滅多にない。


──  けれどもSWであればそこを突破できると。

いつもの自分から抜け出して、チームの仲間と一緒にアイデアだけを無茶苦茶考える。学生時代の文化祭とか、部活の引退試合とか、必死にそれだけを考えて熱心に取り組むような機会がそこにはあるんです。結果的に人と人との強固な結び付きが「強制的に」出来上がって、コミュニティがどんどん大きくなっていくような気がします。

高松にてアイデアをカタチにする非日常体験を届けられる池嶋さん


──  もし非日常体験以外の手段でコミュニティを育てるならば、どんな方法がありそうでしょうか?

実はSetouchi-i-Baseはそこにチャレンジしているんです。このコワーキングスペースは行政機関なので勝手にターゲットを絞って熱狂体験だけを提供することはできない。香川県の幅広い県民が求めていらっしゃるものを準備しなくちゃいけないです。


──  狙いを定められないのは中々にハードですね。

ただ、何度もイベントを企画運営をする中で、多世代にも共通するキーワードは朧げながら見えてきました。求められてるのは「期待」じゃないかと思っています。


──  期待。

「ここに行けば、何かが起こるんじゃないだろうか」「ここに行けば、何かが変わるんじゃないだろうか」「ここに行けば、何かが始まるんじゃないだろうか」そんな期待感に応えるような企画を無数に打つこと。四国初か否かとか関係なく、ただ一歩を踏み出したいと思う人たちに、願いが形になるきっかけを届けていくことが大事だと感じました。


──  一歩を踏み出すきっかけ、とても素敵です。実際にその場を運営されてみて、コミュニティの価値が体現されたエピソードなどはありましたか?

続きは下記よりご覧ください。


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