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中長期な仲間集めの種蒔き

 アイデアをカタチにするため仲間集めを始めたとき、なかなか思うように集まらず、落ち込んでしまうことがよくある。実はそれは当然のことで、仲間集めは短期的な勝負ではなく、中長期的な取り組みだから。なぜ時間がかかってしまうのか。なぜ日々の地道な種蒔きが重要になるのか。その背景を今回は書き記していこう。

 仲間集めが中長期に及ぶ理由の一つ目は、求める条件に合致する人が少ないから。条件が増えるほど、その条件に合う人と出会う確率は低くなるもの。例えば、「男性」という条件であれば世界の半数に該当するが、「地域愛」や「スタートアップ」と条件を付け加えていくと、該当する人は指数関数的に減少してしまう。それを突破するためにはイベントやプロジェクトを通じて幅広い接点を持つことが必須であり、それは短期間で達成できないという現実がある。

 例えば、ミカンの花を押し花にしてアート作品を作るアイデアがあったとして、「押し花」「ミカン」「アート」「和歌山在住」といった風に条件を重ねれば重ねるほどに候補の人は限りなく見つけにくくなっていく。それをカバーするためには、幅広い出会いが欠かせない。

 仲間集めが中長期に及ぶ理由の二つ目は、他者からの紹介が必要になるから。人との接点を増やすことが大切ではあるものの、自分一人では限界があるからこそ、他者からの紹介が欠かせない。けれども、自分の取り組みを紹介してもらえるようになるまでには、継続的な情報発信や関係構築が必要で、それには時間がかかることが多い。

 例えば、「ミカン押し花アートって知ってる?」と紹介してもらうためには、毎日のようにSNSを更新する必要があるかもしれない。そもそもSNSを見てもらえるよう、日頃から人々と関係を築き、貢献を重ねておくことも大切。

 仲間集めが中長期に及ぶ理由の三つ目は、候補者が見つかったとしても、その見極めに時間がかかるから。価値観やスキルが条件に合っているのかを確認するには、試験的にプロジェクトに取り組んでみたり、何度も話し合う機会を持つことが必要で、どうしても時間を取られてしまう。

 例えば、ミカン押し花アートに共感してくださる方が現れた場合でも、その方と一緒に押し花を作ってみたり、押し花に対する思いを語り合う時間が必須になる。そこで価値観の違いが見つかり、また別の方とゼロから始めることも珍しくない。

 仲間集めは中長期的な取り組みで、日々の地道な種蒔きが欠かせない。多くの人と接点を持ち、紹介してもらえるよう継続的な発信と関係構築を怠らず、その上で出会った人と相性を確認するステップがそこにはある。アイデアが見つかったからといって、すぐに仲間が集まるわけではない、と胸に刻んで進んでいこう。これから仲間集めを始める皆様の一助となりますように。

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