見出し画像

解消すべき属人化

「お前がそれを言うのか!」というツッコミが飛んできそうだけど、今日は「属人化を解消しよう」というテーマで書き進めたい。

 そもそもの始まりは、ふと足を運んだラーメン屋。ムキムキの店主とサポート役の女性が運営していたものの、どうやらその女性が新入りのようで全く動けず、それでオペレーションが渋滞して大行列、という現場に出くわすことに。話を聞くに、普段は店主の奥様が店に入っているものの、本日は体調不良で急ぎピンチヒッターを呼び寄せたという。

 属人化は確かに大切な場面はありつつも、中長期的な目線では避けなくてはいけないなと思わずにはいられなかったので、今回はそれを三つのポイントで解説していこう。

 属人化を避けるべき一つ目の理由は、代理人、ひいては後継者がいなくなること。特定の人物に知識や技術が集中してしまい、資料も存在せず経験も周りに培われず、その人物がいないと業務が回らなくなってしまうから。

 例えばミカンの摘果(無数にある青いミカンのうち、傷ついたものやサイズ外のものを木から落とす作業)を、熟練の方が一人だけで毎年対応していたら、その人が何かしらの理由で不在になった時に、どの青いミカンを落とせばいいのか?と混乱が起きるように。

 属人化を避けるべき二つ目の理由は、新しい発展が起こらなくなること。特定の人物の考えや行動によってのみ物事が進むことで、これまでと違った新しい視点や工夫が導入され辛くなってしまうから。

 例えばミカンケーキ屋があったとして、そのオーナーが「材料には熟れた黄色いミカンだけを使おう!」と考えていれば、新しいメニューは中々に誕生しない。けれどもお店の後輩にメニュー作りを任せることで、青いミカンを使った夏の爽やかミカンゼリーが誕生するかもしれない。

 属人化を避けるべき三つ目の理由は、精神的な負担が一人にのしかかること。特定の人物に頼り切ってしまうことで、最初のうちはその人のモチベーションで乗り切ることができたとしても、「必ず自分がやらなきゃ!」とプレッシャーが大きくなり、心を病むことにも繋がってしまうから。

 例えば、ミカンケーキ屋を一人で切り盛りしていたオーナーが、「このお店は自分がやらなきゃ!」と体に鞭打ち頑張り続けると、気付けば心も体も疲れ果て、望まない閉店にも繋がってしまうかもしれない。

 属人化は確かに必要なタイミングがある。特に何か新しいことを立ち上げる段階では、特定の人物に集中させた方が良いことも多い。けれども、それをずっと続けては、代理人や後継者が不在になり、新しい発展が生まれなくなり、精神的な負荷も上昇するといった負のインパクトが起こり始める。時には立ち止まり、属人化し過ぎていないか確かめていこう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?