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ファーストペンギンの悲劇

「ファーストペンギン」それは未知の領域に先んじて果敢に飛び込むアントレプレナー。しかしよく考えてみると、ファーストペンギンには悲劇が伴うことが少なくない。というわけでその背景を三つの方向から解説してみよう。

 一つ目の悲劇の背景は調査不足。ペンギンが飛び込んだ先が浅い海だったケース。十分に落下の衝撃を抑えることができず大怪我となりかねない。

 例えば、世界でオレンジの香水が流行っている!今こそミカン香水を作るべき、と信じて参入したところ、実はミカンの甘い香りは受け入れられず、オレンジの尖った酸味の強い香りだけが人気を博した、といった具合に。きちんと調査をせずに突撃すると痛い目に合ってしまう。

 二つ目の悲劇の背景は目標曖昧。ペンギンが無事に海の中に入ることができたとしても、そもそも何を成し遂げようとするのか不明になってしまっていること。

 例えばミカン香水が無事に受け入れられたとしても、どうしてそもそもミカン香水を作ろうと思ったのか、自分自身の中で腑に落ちていなかったり、何故やり続けるべきなのか、何を目指すのかが設定されていないために、ただやるだけになってしまうこともある。

 三つ目の悲劇の背景は行動過剰。ペンギンが無事に海の中に入ることができ、そこで何を成すのかを決めていたとしても、意気込みでリソースを無駄にしてしまうことがある。

 例えばミカン香水事業を始めたとして、第一人者ということで数多の評価をいただいたり、市場から画期的だと前向きなフィードバックに酔いしれ、また最初の成功が今後も続くと勘違いして、急激な事業拡大を目指し、需要を超える生産で結果的に無駄が生じるケースも。

 ファーストペンギンは素晴らしいとは限らない。ファーストであるが故に、調査が不足していたり、目標が曖昧であったり、行動が加速し過ぎてしまうことが起こり得る。ファーストペンギン特有の落とし穴に注意して、アントレプレナーとして突き進む皆様の道に光がありますように。

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