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【#5】退社した元社員のヨーロッパ1人旅<ウィーン編①>

これは、拓匠開発に新卒で入社した社員(みほ)が会社を辞めて、2ヶ月間のヨーロッパ1人旅に出る壮大な(?)物語である。

みほは会社員時代に叩き込まれている(はず)の「拓匠力」を旅の中で活かし、人間として大きく成長することはできるのか?!

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やっぱりホテルがいい

ブダペストからほんの45分のフライトで、ウィーン国際空港に到着しました。

特急列車に乗って市内の中央駅へ行き、駅から2.3kmの距離を歩いてホテルへ。

お腹は空いたし、眠いし、足は疲れたし、肩は痛いし、暑いし、重いし、キャリーバッグは石畳に突っかかって思うように進まない。

歩きながらだんだん猛烈にイライラしてきました。

慣れない道で頑張ってくれているキャリーバッグに対し、「まっすぐ進めよ!ムカつくな!ちゃんとしろ!」などと怒りをぶつけながら、なんとか汗だくでホテルに到着しました。


ホテルまでの地獄の石畳


ホテルのフロントには「気分はいつでもリオデジャネイロ♩」というキャッチコピーが書かれてありました。
私はなぜウィーンにまできてブラジルのホテルを予約してしまったのだろう。

しかし、部屋に入るともうそこは楽園でした。コンセプトがブラジルであろうとインドであろうともはや何でもいいです。

自分専用の綺麗なトイレとバスルーム、広いベッド。使い勝手の良いデスクも完備されています。

前回の記事で「この旅、全部ホステルでもいいくらいだわ〜」みたいなことを書いた気がしますが、やっぱりホテルの方が良いです。前言撤回します。


気分はリオデジャネイロ♩な2日目の朝

昨日そういえばチョコしか食べていなかった私は猛烈にお腹が空いてきて、朝7時からホテルのビュッフェに向かいました。

大きなモニターに映し出されるブラジルの絶景を眺めながら、ゆで卵とバナナとヨーグルトを食べました。

ボーッと映像を見ているうちに、だんだん私は本当にリオデジャネイロにいるんじゃないかと思ってきます。
ウィーンに来てブラジル気分まで味わえるなんて、一石二鳥です。


リオにいる気分を味わう私

お腹の膨れた私は一度部屋に戻り、ひと息ついてから、ウィーンの街へ出かけました。


ウィーンの街歩きと、本能に感動した観光名所

ウィーンの街はおしゃれで洗練されており、私みたいな田舎モンは歩いているだけでちょっとソワソワします。


散歩中に通りかかった庭園。おしゃれすぎて怖い



建物は白とかベージュの薄い色が多く、トラムの赤色が映える。



馬だって一生懸命働いているんだから、私も日本に帰ったらちゃんと働かなきゃね・・・


散歩しながら、どこに行こうかな〜とGooglemapを開いたところ、近くに「国立図書館」があるらしいので行ってみることに。

小さな入り口を見つけ、チケットを購入し、階段を登っていきます。

階段の時点で、「なんだかこれはすごい予感がするぞ・・・」と胸がドキドキと高鳴りました。

そして図書館の入り口へ。

そこで目に入った光景のあまりの美しさに、私は呆然と立ち尽くしました。

口は開いて、鼻はヒクヒクして、お尻はむずむずして、ものすごいアホ面だったと思います。

壁いっぱいに夥しく敷き詰められた、古びた背表紙の本。

窓から降り注ぐ太陽の暖かな光。

まるで夢の中を思わせる、柔らかな優しさのある天井画。

知性溢れる偉人たちの、白く輝く大理石彫刻・・・

バッグからスケッチブックと鉛筆を取り出したものの、何をどう描けば良いのかわかりません。

カメラのシャッターを何度も切ったけれど、現実の美しさを捉えることは到底できませんでした。

私は脳内に溢れる行き場のない、表現のしようもない感動を、ただ深呼吸しながら、噛み締めました。



館内の様子の参考までに


ものすごい感動に胸を熱くしながら、今度は「美術史美術館」へ。

この美術館も本当に素晴らしく、建築そのものから、絵画・彫刻といった作品、昔の貴族の調度品など、様々なジャンルで鑑賞を楽しむことができました。

スケッチする手が止まらず、2時間程度滞在していたと思います。

変なオブジェしか記憶に残らなかったブダペストのあの美術館は、一体何だったのだろう。


腹立たしくも愉快な帰り道

ウィーンというのはすごい街なんだなあ・・・

余韻に浸りながらポケーっと歩いていると、デカい白人男性が私の目の前に立ちはだかりました。オーケストラのチケットを私に売りつけたいようです。

ニーハオアナタハガクセイデショ?ガクセイハ40%ビキダヨ!チケットハノコリ5マイ!イマシカチャンスナイヨ!」

頼んでもいないのに、そいつは私にオーケストラの素晴らしさを熱弁してきます。絶対カモだと思われている。

舐めるなよ、私は拓匠開発で社会人を2年半も経験した立派な日本人女性だ!

・・・なんて強い言葉を言えるはずもなく、

「今日は友達と予定があるのでさようなら」と言ってにこやかにその場を去りました。

「デモ、キョウハニチヨウビダカラ、ヨルハドコモシマッテルヨォ〜〜!」

まだなんか言ってる。最後までしつこい奴だ。去るもの追わずの精神をわかっていない。

ムカムカしたけれど気を取り直してトラムに乗り、帰路に着きました。
するとトラムは勢いよく、ホテルと逆方向に進んで行きます。
もう、何もかも嫌になってきました。

はぁ、なんだかなぁ・・・

旅というのは、いや、人生というのは、やはり良いことも悪いことも付きもの。

目的地とは真逆の街の景色を、しっかりと目に焼き付けながら、クスッと笑ってしまいました。


街歩き中に出会った美しい景色(写真)

「カメラは対象をズームして撮ると良い」と拓匠カメラマンのDさんに教わって実践したら、とても綺麗に撮れました。Dさん、ありがとうございます。



噴水とカップル



広場の芝生で日光浴する人たち



馬車とおしゃれなお姉さん


〜旅の順路〜
ブダペスト(ハンガリー)ウィーン(オーストリア)今ここ!→プラハ(チェコ)→ベルリン(ドイツ)→ハンブルク(ドイツ)→ローマ(イタリア)→ハンブルク(ドイツ)→コペンハーゲン(デンマーク)→ボーンホルム島(デンマーク)→ストックホルム(スウェーデン)→トゥールーズ(フランス)→リスボン(ポルトガル)

出発日:8/27(火)〜帰国予定日:10/14(月)


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